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答申(2003年度第2号)(2003年9月26日)

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2003年9月26日

原子力発電環境整備機構

理事長  外 門 一 直  殿

原子力発電環境整備機構

情報公開適正化委員会
委員長 藤 原 淳一郎

答 申 書

2003年9月9日付で原子力発電環境整備機構(以下「機構」という。)から当委員会へなされた2003年度諮問第1号(「新聞掲載記事に係る機構資料」の非公開に対する異議申出について)に対し,当委員会は,審議の結果に基づき,以下のとおり答申する。

第1 答申の結論

2003年8月16日付けで異議の申出があった機構資料について,機構が当該資料の存否を明らかにしないで非公開決定としたことは妥当である。

第2 異議の申出の概要

法に定めた国民への情報公開義務に反する。

第3 原子力発電環境整備機構の主張の概要

  1. (1)  機構における情報公開は,「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(以下「最終処分法」という。)」第60条の規定及び同法第3条第1項の規定に基づく特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針に従い定められた「原子力発電環境整備機構情報公開規程(以下「情報公開規程」という。)」に基づき行われている。
     したがって,本件異議申出に係る2003年7月4日付けの非公開決定は,最終処分法の規定に反するものではない。
  2. (2)  異議申出に係る機構資料,すなわち異議申出人が主張する「2003年4月24日毎日新聞報道にある福井県和泉村への説明会及び40自治体からの問合せ,数ヶ所での説明会の全資料」は,正式応募前の段階にある地方公共団体の名称又は名称を特定する情報(以下「市町村等識別情報」という。)であり,情報公開規程別表第2「4.事務又は事業に関する情報」に該当する。また,仮に市町村等識別情報を含む機構資料が存在するとしても,その存否を答えるだけで非公開情報を公開することとなるので,情報公開規程10条の規定により,資料の存否を明らかにしないで非公開決定とした。

第4 答申の理由

  1. 1. 事実関係及び争点
    1. (1) 事実関係

      2003年4月29日付けで本件異議申出人から請求のあった機構資料について,同年7月4日付で機構が非公開決定したもののうち,文書の存否を明らかにしないで非公開とされた毎日新聞報道記事に係るものについて,同年8月16日付けで異議申出されたのが本件である。

    2. (2) 本件の争点

      本件における争点は,請求対象文書の存否を明らかにしないで非公開としたことが,最終処分法及び最終処分法の規定の趣旨を受けて制定された情報公開規程に照らして妥当かどうかにある。
      具体的には,

      1. [1] 非公開情報は情報公開規程7条1項に規定されており,「別表第2に掲げる情報のいずれかが記録されている機構資料を非公開とする」としている。
      2. [2] また,情報公開規程10条では,「公開請求に係る機構資料の存否を答えるだけで,非公開情報を公開することとなるときは,当該機構資料の存否を明らかにしないで,非公開とすることができる」としている。
      3. [3] したがって,論点は,「異議申出に係る機構資料が情報公開規程7条1項を受けた別表第2及び10条に該当するか否か」になる。
  2. 2. 考察
    1. (1) 異議の申出の趣旨

      異議申出人は義務違反の根拠となる法の名称,異議の内容を明示していないが,その趣旨は最終処分法を根拠に,資料の存否を明らかにせず非公開としたことを違法又は不当と主張するものと解される。

    2. (2)  判断の理由
      1. [1] 異議申出人は最終処分法60条を異議申出の根拠としていると解されるが,機構の情報公開は,最終処分法に従い制定された情報公開規程に基づき行われている。このため,機構が2003年7月4日付けで異議申出人が主張する「2003年4月24日毎日新聞報道にある福井県和泉村への説明会及び40自治体からの問合せ,数ヶ所での説明会の全資料」は,別表第2に掲げる非公開情報の類型に該当すると判断したことが,直ちに最終処分法に反するとはいえない。
      2. [2] 次に,機構が根拠とする情報公開規程7条1項を受けた別表第2及び10条のうち,とりわけ10条の規定が,最終処分法60条に違反しないかどうかが論点となる。
         情報公開を徹底させる趣旨からすれば,そもそも請求対象文書が存在しているのか,それとも請求対象文書が存在しないのか(不存在)について一切答えることなく,一括して「非公開」として拒否すること自体,極めて変則的であることに異論はないところである。他方,高レベル放射性廃棄物の処分事業を行うという機構に与えられた具体的な任務を考えると,請求対象文書について,上記機構の本来事業との関係から,個別具体的な請求対象文書の内容なり,個別具体的な請求対象文書の請求時点(段階)によっては,どうしても請求対象文書の存否自体を明らかにできない場面が存在し得るということも,あわせて肯定せざるを得ないのである。
         したがって,一般論としていえば,情報公開規程10条が,存否を明らかにしないで非公開にできる場合があることを規定していることは,最終処分法60条に違反するものではない。
      3. [3] そこで,次に,本件請求対象文書について,情報公開規程7条1項を受けた別表第2及び10条を適用して,請求対象文書の存否を明らかにしないで非公開としたことが妥当かどうかについて判断する。
         異議申出に係る機構資料の公開請求は,「最終処分施設の設置可能性を調査する区域」に応募する前の段階にある,特定の地方公共団体の検討状況,あるいは地方公共団体の名称の公開を求めたものであり,機構のいう正式応募前の段階にある地方公共団体の名称又は名称を特定する情報(「市町村等識別情報」)を明らかにすることと解される。この情報を含む機構資料が公開されると,本来保護すべき第三者情報を機構が公開することとなり,当該地方公共団体に不当な混乱を与え,結果として機構の事業運営が困難になると考えられる。
         したがって,本件異議申出に係る機構資料は,情報公開規程別表第2に規定する「機構以外の法人その他の団体(以下「第三者法人等」という。)に関する情報であって,公にすることにより,当該第三者法人等の権利,その他正当な利益を害するおそれがある情報」あるいは「機構の事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある情報」に該当し,非公開となる。
         また,機構資料の公開非公開の取り扱いについて,異議申出に係る機構資料が存在する場合と存在しない場合を区別して取り扱うとすると,機構資料の存在を明らかにするだけで,事実上,市町村等識別情報が明らかにされることとなる。これは,情報公開規程10条に規定する「機構資料が存在しているか否かを答えるだけで,非公開情報を公開することとなるときは,機構は,当該機構資料の存否を明らかにしないで,非公開とすることができる」に該当する。
      4. [4] したがって,機構が異議申出に係る機構資料の存否を明らかにせず非公開決定としたことは妥当である。

第5 審議の経緯

  1. (1) 2003年9月 9日 第9回情報公開適正化委員会を開催し諮問につき審議
  2. (2) 2003年9月26日 原子力発電環境整備機構理事長に答申

以 上