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答申(2007年度 諮問異議 第1号 2007年9月12日付)

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2007年9月12日

原子力発電環境整備機構

理事長  山 路  亨 殿

原子力発電環境整備機構

情報公開適正化委員会
委員長 藤 原 淳一郎

答 申 書

2007年7月12日付で原子力発電環境整備機構(以下「機構」という。)から当委員会へ諮問された2007年度諮問異議第1号([1]東洋町に係る「交際費承認票・会議費承認票」ならびに[2]東洋町で開催(2007年4月12日)した「エネルギー講演会実施に係る承認書」及び「同講演会実施に係る会計関係書類」のうち「同講演会実施に係る会計関係書類」の非公開決定に対する異議申出について)に対し、当委員会は、審議の結果に基づき以下のとおり答申する。

第1 委員会の結論

2007年6月18日付で異議の申出があった機構資料につき、機構が非公開とした「交際費承認票・会議費承認票」のうち、応募から応募取下げまでの期間における「会議費承認票」2件を公開すべきである。また、機構が非公開とした「エネルギー講演会実施に係る会計関係書類」は、委託相手方企業(以下「企業」という)の印影、項目欄のうち小項目、単価・数量・金額の各欄の各数値、振込先口座を除いて、公開すべきである。

第2 異議の内容及びその申出の理由

東洋町に係る「交際費承認票・会議費承認票」については、『東洋町で4月22日に執行された町長選挙では、1人3万円とか、1世帯5万円とかの原環機構と思われる買収選挙が行われたと云われている。機構は国民の積立金を交際費・会議費の費目で違法・不当に支出していると思われる。「応募後」であり、全面的に開示すべきである。』との理由である。

また、『東洋町で開催(2007年4月12日)した「エネルギー講演会実施に係る会計関係書類」については、会計書類は非開示としたが、「応募後」であり、全て開示すべきである。なお、津野町で開催した同様の講演会では「チラシ作成費用」は開示されており、違法・不当である。』との理由である。

第3 原子力発電環境整備機構の主張の概要

  1. (1)  東洋町に係る「交際費承認票・会議費承認票」は、「情報公開規程別表第2及び第10条の運用・解釈について」(以下「運用・解釈」という)の「想定する資料の第一」(以下「想定資料第一」という)に掲げる「市町村等識別情報」に該当し、正式応募前の地方公共団体に係る市町村等識別情報を含む資料については、情報公開規程第10条を適用して存否を明らかにしないで非公開とした。
     したがって、異議申出人は異議内容及びその申出の理由として、『「応募後」であり、全面的に開示すべきである。』と主張しているが、応募を正式に取下げた東洋町に係る機構資料は、正式応募前の地方公共団体に係る市町村等識別情報に該当するものであり、異議申出の理由は存在しない。
     なお、異議申出人は、『東洋町で4月22日に執行された町長選挙では、1人3万円とか、1世帯5万円とかの原環機構と思われる買収選挙が行われたと云われている。機構は国民の積立金を交際費・会議費の費目で違法・不当に支出していると思われる。』とも述べているが、事実に反した憶測に基づく主張であるとともに、異議申出の理由とは直接関係するものではない。
  2. (2)  東洋町で開催(2007年4月12日)した「エネルギー講演会実施に係る承認書」ならびに「同講演会実施に係る会計関係書類」のうち「同講演会実施に係る会計関係書類」は、規程別表第2「2.法人等情報」に該当する法人等識別情報が記載され、さらに「4.事務又は事業に関する情報」に該当する第三者との契約事項に関する情報が記載されており、事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれのあることから、規程第7条第1項の規定により、非公開とした。
     したがって、異議申出人は異議内容及びその申出の理由として、『「応募後」であり、全面的に開示すべきである。』と主張しているが、非公開決定の理由を誤認しており、異議申出の理由には該当しない。

第4 答申の理由

  1. 1. 事実関係及び争点
    1. (1) 事実関係

      2007年5月15日付で本件異議申出人から公開請求があり、2007年6月12日付で機構が非公開とした『[1]東洋町に係る「交際費承認票・会議費承認票」(以下「第一文書」という)ならびに[2]東洋町で開催(2007年4月12日)した「エネルギー講演会実施に係る会計関係書類」(以下「第二文書」という)』について、同年6月18日付で異議申出されたのが本件である。

    2. (2) 本件の争点

      本件の争点については、第一文書につき、想定資料第一に該当することから、存否を明らかにしないで非公開としたこと、ならびに第二文書につき、事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれのあることから、非公開としたことが、情報公開規程に則り妥当かどうかにある。

  2. 2. 考察
    1. (1) 判断の理由:第一文書
      1. [1]  機構は、第一文書の東洋町に係る「交際費承認票・会議費承認票」について、運用・解釈の想定資料第一に掲げる「市町村等識別情報」に該当し、正式応募前の地方公共団体に係る市町村等識別情報を含む資料に該当するとして、規程第10条を適用して存否を明らかにしないで非公開とした。
         本件では、東洋町は一旦正式応募した後に応募を取下げた。この点について機構は、東洋町が応募を取下げた以上、東洋町は自動的に「正式応募前」の段階に戻るため、第一文書は、規程第10条に基づく存否非応答が可能な「想定資料第一」に該当すると主張している。
      2. [2]  しかし規程第10条の運用・解釈における「想定資料第一」では、正式応募以降においては、範疇的・機械的処理として、規程第10条(存否非応答条項)の適用を予定はしていない。したがって、本件においても、仮に応募取下げの前に公開請求されていれば、第一文書について存否非応答ではなく、文書の存否を明らかにしたうえで、文書不存在、(全部又は一部の)公開・非公開について、機構の判断が示されたはずである。それと本件請求とのバランス論も、重要な視点になると考えられる。
         本件で、東洋町が一旦正式応募した後に応募を取下げたことは、周知の事実である。機構は、東洋町が応募を取下げた途端に、正式応募から応募取下げまでの期間の文書の存否について、いわば自動的に、一律に範疇的・機械的に「正式応募前の東洋町」の文書として、存否非応答になると理解し、そのように主張する。しかし、これほどまでに市町村情報としての「東洋町」が周知の事実になったにも係わらず、過去にさかのぼって正式応募から応募取下げまでの期間の文書について、「正式応募前の地方公共団体に係る市町村等情報を含む資料」に該当すると論じるのは、説得力に乏しいと考える。機構からは、仮に第一文書が「正式応募前」に該当しないと解してもなお規程第10条を適用すべき事案であるとする、公開による支障のおそれについての蓋然性に関する説得力ある積極的主張には乏しいと評価した。
         したがって、第一文書について、規程第10条(存否非応答条項)を適用して非公開とした機構の決定は取り消すのが正当である。
      3. [3]  そこで、第一文書についてインカメラ審査によって、機構資料を審査したところ、「交際費承認票」については該当資料が存在しないこと、また、「会議費承認票」(以下「承認票」という)については2件の該当資料が存在することが判明した。そこで以下、承認票の公開の是非について検討する。
      4. [4]  機構は、承認票の非公開事由(規程第7条第1項)として、出席者の個人識別情報(別表第2「1.個人情報」)と、機構の事務事業遂行への支障(別表第2「4.事務又は事業に関する情報」)の2点を主張する。
         まず、前者の個人識別情報か否かについては、承認票2件ともに「実施報告」の「来客側」欄には「東洋町有志」との記載のみで、出席者人数も複数名であり、機構側を除く出席者の氏名は記載されていない。したがって、これをもって特定個人が識別されるとは考えられない。東洋町住民間で、仮に賛否の色分けが鮮明であったとしても、現実に誰が出席したかの特定個人の識別にまでつながる情報には該当しないと考えられる。
         次に、後者の事務事業遂行への支障については、機構が開催する「事業説明」の会議に東洋町有志の出席があったことが公になり、今後の機構が進める高レベル放射性廃棄物の処分事業、当面の処分場立地問題に、どのような支障があるというのか、判然としない。そもそも東洋町の公式応募の時点以降、機構が応募への賛成・反対・中立を問わず、住民との会合・話合いの機会を持つことは極めて自然なことである。さらに、既述のように承認票には有志何名とのみ記載するため、「事後に承認票が公開されるなら出席は止めよう」とか、「承認票の公開によって機構との信頼関係は損われた」といった、今後の事務事業遂行に支障をきたす危険性は回避されていると考えられる。むしろ、承認票を公開することによって、機構と住民との会合・話合いが、不必要なお金をかけずに行われたことを再認識するだけであって、事業遂行への理解が深まることはあっても、「支障」にはならないと考えられる。逆に、機構主張のように承認票を非公開にすることの方が、あらぬ誤解を招き「支障」をきたすことになりはしないか。
         もう一点、「機構の業務の遂行についての誤解を生じるおそれ」との非公開事由(別表第2「3.審議、検討又は協議に関する事項」)に言及しておく。承認票に現れた会合が「意見交換」として「審議、検討又は協議」に該当しても、既述のように、ことに正式応募後であれば、住民との会合・話合いの機会が活発化することは、極めて自然なことである。したがって、承認票の公表が「機構の業務の遂行についての誤解を生じるおそれ」があるとは考えられない。
    2. (2) 判断の理由:第二文書
      1. [1] 次に機構は、第二文書の東洋町で開催(2007年4月12日)した「エネルギー講演会実施に係る会計関係書類」については、規程別表第2「2.法人等情報」に該当する法人等識別情報が記載され、さらに「4.事務又は事業に関する情報」に該当する第三者との契約事項に関する情報が記載されており、事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれのあることから、規程第7条第1項の規定により、全て非公開とした。
         当委員会のインカメラ審査の結果、ここで争われている「エネルギー講演会実施に係る会計関係書類」は、具体的には企業が機構宛に提出した「請求書」1件であることが判明した。そこで以下、非公開事由の両者について検討する。
      2. [2]  まず、非公開事由のうち、本件会計関係書類の公表によって、企業が「競争上の地位その他正当な利益を害するおそれ」(規程第7条、別表第2「2.法人等情報」運用・解釈)が存在するか否かについて、検討する。まず企業名は秘匿すべき情報とは考えられない。また、既に公開されている「承認書」等において、本講演会の総費用が公になっている以上、請求総金額も、秘匿すべき情報とは考えられない。企業の印影については、取引印等として用いられ、これを公開すると、偽造等のリスクも皆無でないことから、企業の「正当な利益を害するおそれ」があると認められる。さらに振込先口座にあらわれた取引金融機関名、口座番号についても、当該企業への融資元や日常的取引情報の公開に繋がりかねないため、印影と同様に、公開に親しまないと考える。
         次に、具体的に請求総金額の積算根拠を示す「項目」及び具体的数値を示す「単価・数量・金額」について検討する。前者の「項目」のうち、「会場設営、音響・映像、広報、記録、雑品類、人件費、出演料」の大項目は、講演会を仮に機構が自ら実施しても、また誰に(全部又は一部を)委託しても、ほぼ共通して予算化しておく費用項目と考えられ、この部分が特に本件受託企業の「ノウハウ」に属するとは考えられないため、この部分を公開しても、企業の「競争上の地位」等を損ねるとは考えられない。他方、大項目に続く小項目及び後者の具体的数値を示す「単価・数量・金額」は、企業の講演会受託のノウハウや、企業による原価計算等経営・会計情報の公開につながるおそれが認められるため、これら部分は、非公開のままにするのが正当である。
         異議申出人は、津野町で開催の講演会で、「チラシ作成費用」が公開されたことと本件との不均衡を批判する。受託企業の経営情報の密度は、チラシ作成と本件では質的に異なる。このため、本件答申においては、上記のように部分公開に切り換えるのが、ギリギリ限界といわざるを得ない。
      3. [3]  次にもう一つの非公開事由である機構の「事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」(規程第7条、別表第2「4.事務又は事業に関する情報」運用・解釈)が存在するか否かについて検討する。
         機構は、「第三者との契約事項に関する情報」だから非公開と主張する。しかし、本件請求書は「公にしないとの条件で任意に提供された」(別表第2「4.事務又は事業に関する情報」)ものとは主張されていない。仮に、任意提供情報であったとしても、当委員会として、任意提供情報として客観的に秘匿の正当性があるかどうかが審査されることになる。およそ見積書や請求書がトータルに秘匿されるべきものとは考えられない。したがって、任意提供か否かは、本件の結論に直接影響を与えるものではなかろう。
         同種の講演会が、今後も開催されることは容易に予想される。当委員会は、上記[2]において、法人情報性に十二分に配慮して、本件請求書の全面公開ではなく、部分公開が正当であると判断した。今後、講演会を自ら行うにしても、一部又は全部を第三者に委託するにしても、上記部分公開によって、「事務又は事業の適正な遂行に」どのように「支障」をきたすというのか、具体的にどのような状況をイメージするのか、当委員会として思い浮かばなかったし、説得力ある機構の主張を聞くこともできなかった。
    3. (3) 考察の結論
      1. 以上の検討から、異議申出に係る機構資料の第一文書のうち、応募から応募取下げまでの期間の機構資料について、「交際費承認票」は不存在により非公開とし、また「会議費承認票」2件は公開すべきである。
        また、異議申出に係る機構資料の第二文書については、非公開を正当と判断した部分を除いたうえで、部分公開すべきである。

第5 審議の経緯

  1. (1) 2007年 5月15日 情報公開請求受付
  2. (2) 2007年 5月31日 情報公開審査委員会へ諮問
  3. (3) 2007年 6月 8日 情報公開審査委員会答申
  4. (4) 2007年 6月12日 非公開決定及び部分公開決定並びに通知
  5. (5) 2007年 6月18日 異議申出受付
  6. (6) 2007年 7月12日 情報公開適正化委員会へ諮問
  7. (7) 2007年 7月27日 第14回情報公開適正化委員会審議
  8. (8) 2007年 8月30日 第15回情報公開適正化委員会審議、答申案骨子

    決定(答申文持回り審議の上確定)

  9. (9) 2007年 9月12日 原子力発電環境整備機構理事長に答申

以 上