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2015(平成27)事業年度 事業計画・予算・資金計画

事業計画

「特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針(平成20年3月閣議決定)」(基本方針)、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する計画(平成20年3月閣議決定)」及び原子力発電環境整備機構(機構)の「特定放射性廃棄物の最終処分の実施に関する計画(平成20年4月策定)」(実施計画)を基に、その後の国の審議会等における様々な議論を踏まえ、2015(平成27)事業年度における機構の事業計画を以下のとおり定める。

なお、今後これらの「基本方針」等が改定された際には、機構の「実施計画」を変更するとともに、本計画についても改定を行う。

【機構事業を取り巻く状況】

2014年5月、最終処分に向けた取組みの見直しを議論してきた国の審議会(総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会原子力小委員会放射性廃棄物WG)が「中間とりまとめ」を行った。当該「中間とりまとめ」においては、「可逆性・回収可能性を確保した地層処分」、「国によるより適性の高い地域(科学的有望地)の選定」等が提言されるとともに、機構の業務運営に関しては、「組織としてのガバナンスを強化し、目的意識を持った組織へと変革していくことが求められていることをしっかりと自覚し、抜本的な改善策を改めて検討し、講じていくべき」との指摘がなされた。

また、地層処分技術WGにおいては、我が国における地層処分の技術的な実施可能性が再確認されるとともに、「広域的現象の理解に関する研究課題」等、技術的信頼性の向上に向けた今後の研究開発課題が提示された。

その後、2014年9月の第2回最終処分関係閣僚会議において、科学的有望地の具体的要件・基準等について、地球科学、社会科学の両観点から放射性廃棄物WG等により検討を進めることとされ、これを受けて放射性廃棄物WGによる検討が再開された。

放射性廃棄物WGでは、これまでのところ「科学的有望地の選定要件・基準に関する基本的考え方」、「地域における合意形成に向けた仕組みの整備」等が、さらには「基本方針」の改定に関し、検討が進められている。

また、放射性廃棄物WGに続いて再開された地層処分技術WGでは、放射性廃棄物WGから議論を引き継ぎ、「科学的有望地の要件・基準」の具体化に向けて検討が行われている。

【2015年度の事業方針】

機構は、2002年12月に全国の市町村を対象に最終処分施設の設置可能性を調査する区域(応募区域)の公募を開始して以来、国及び電気事業者と連携して、応募をいただくための活動に取り組んできた。

2014年度は、上記の状況を踏まえ、組織体制の面では、より効果的な対話活動のための広報部と立地部の統合・地域交流部への改組、計画立案機能の強化等を図るための企画部の事業計画部への拡充・強化等を実施した。また、組織ガバナンス強化の面では、理事会の決議を経て、業務運営の拠り所となる「経営理念」を制定するとともに、独立行政法人通則法等に倣い、機構業務を適正に遂行するために必要となる体制(内部統制体制)の整備を図ることとした。

対話活動については、全国30都市におけるシンポジウムを中心に、職員自らが前面に立った活動に注力してきた。

技術開発については、安全な地層処分の実現性を体系的に示す「包括的技術報告書」の作成に着手し、第一次ドラフトをとりまとめた。

2015年度は、上記の改革に向けた取組みを着実に実施に移し、さらに改善・強化を図ることにより、複数市町村からの応募の実現に結び付けることができるよう、国及び電気事業者との連携を図りつつ、全力で取り組む。

個別業務分野ごとの基本的な事業方針は、以下のとおり。

(対話活動)

全国を対象とした対話活動については、特に情報発信力の強化に重点的に取り組む。

そのため、テレビ、新聞等マスメディアの活用を図るとともに、SNS等新たなコミュニケーション手段の導入にも積極的に取り組む。また、ホームページについては、安全性に関する説明など、みなさまがよりわかりやすい情報をより容易に入手することができるよう、構成・内容を改める。

シンポジウムについては、2014年度の経験、反省を踏まえ、構成と内容を改めた上で、国の協力を得つつ、再度全国を対象に実施する。

対話活動においては、地層処分の必要性、安全性の説明等に加え、科学的有望地の選定や、文献調査の位置付け・その実施内容、風評被害への対応、地域振興への取組等、これまでの対話活動においてみなさまから関心、懸念が寄せられた点についてわかりやすく説明する。

関心を持っていただいた地域においては、大小規模の説明会の開催など、地域のみなさまとの「顔の見えるコミュニケーション」を重点的に実施する。

(技術開発)

2015年度中に「包括的技術報告書」を完成させる。その成果を踏まえ、一般の方々を対象としたわかりやすい説明資料を作成し、対話活動に活用する。また、報告書作成の過程で得られた最新の科学的知見、技術開発成果を体系的に整理し、専門家向けの技術情報としてホームページ等を通じて提供する。

中長期的に必要となる技術開発については、「地層処分事業の技術開発計画-概要調査段階および精密調査段階に向けた技術開発」(中期技術開発計画(2013年策定))に基づき、着実に進める。その際、処分技術の信頼性の向上を最重要課題としながら、経済性と効率性の向上にも重点的に取り組む。

(組織運営)

PDCAサイクルを確実に定着させるため、中期事業目標とそれを達成するためのアクションプランを明確化する。事業実施後は、自己評価を行うとともに、評議員会による評価を受け、事業活動の改善と高度化に結び付ける。

また、リスクマネジメント等ガバナンスの改善に引き続き取り組むとともに、専門性を重視した人材の採用・育成を進める。

さらに、情報公開に積極的に取り組み、事業の透明性を確保することにより、機構への信頼性を高めていく。

各業務の遂行に当たっては、機構の活動資金の原資が電気料金であることを自覚し、常にコスト意識を持ちながら、効率的かつ適切な費用の支出に努める。

Ⅰ 文献調査実施に向けた対話活動

1.全国を対象とした対話活動

全国のみなさまに地層処分事業の必要性、安全性等を理解していただくことは、市町村から応募をいただく上での大前提と認識している。

このため、以下のとおり全国のみなさまを対象とする情報発信、対話活動の強化を図る。また、こうした全国レベルでの活動は、本事業が長期にわたる事業であることから、応募をいただいた後も継続的に行なう。

(1)全国の方々との関係作り

対話活動の原点に立ち返り、まずは職員自らがあらゆる機会を捉えて全国訪問を重ねることにより、地域のみなさまと関係を築く。これにより全国各地の情勢を迅速・的確に受け止めつつ、地域のみなさまに本事業の内容や機構の役割について知っていただくなど、率直な対話ができるような環境作りを目指す。

(2)情報発信力の強化

これまでの広聴・広報活動の取組みにもかかわらず、地層処分の必要性、安全性等について必ずしも全国のみなさまに浸透していないことを重く受け止め、特に情報発信力の強化に重点的に取り組む。

このため、テレビ、新聞、雑誌等のマスメディアの活用により、広く全国のみなさまに地層処分事業の必要性、安全性等について情報発信する。その際、年齢別・性別・職業別等、興味や関心の異なるそれぞれの層に的確に対応した媒体を、費用対効果を踏まえつつ選択し、活用する。

ホームページについては、安全性に関する説明など、みなさまがよりわかりやすい情報をより簡単に入手することができるよう、その構成と内容を見直す。また、対話活動で得られたみなさまの声を踏まえつつ、随時更新する。

対話活動で用いるパンフレット等については、よりわかりやすいものに改訂するとともに、様々な局面に応じて最適なものを使用できるよう新規作成も含め複数の種類を用意する。

さらに、事業に関心を持っていただいた方々とのより密接なコミュニケーションの手段として、メールマガジンの発信や、SNSの活用に取り組む。

(3)シンポジウムの改善と再度の全国展開

2014年度は、概要説明とパネルディスカッション中心のシンポジウムを全国30都市を中心に開催してきた。

2015年度は、2014年度のシンポジウム参加者からの声など、その経験と反省を踏まえ、国の協力・参加を得て、科学的有望地の選定等国の最終処分事業推進に向けた今後の取組の進め方を紹介いただくなど、シンポジウムの構成と内容を改善した上で、改めて全国を対象に実施する。

なお、2014年度は、各回のシンポジウムの準備期間が短く、事前の周知も十分でなかったため、必ずしも多くの参加者を得ることができなかった。

このため、2015年度は、十分な準備期間を確保し、自治体や地域団体、報道機関へのご案内、地元新聞等への広告掲載、地域の勉強会やオピニオンリーダー、教育関係者等へのご連絡、さらにはメールマガジン・SNSの活用などを通じて、きめ細かく幅広く参加を呼びかける。

さらに、シンポジウムの開催内容について、参加されなかった方々にも知っていただけるよう、動画配信や地方紙への事後採録、ホームページへの掲載など、メールマガジン・SNS等とも連動させて密度の濃い情報提供を行う。

(4)全国説明会の実施

双方向の対話活動を充実させるため、これまでの対話活動を通じて全国の団体等へ個別にお願いした上で、20か所程度を目標に説明会を実施する。

(5)報道関係者への情報提供と勉強会の継続

論説委員との懇談会や報道関係者への訪問説明、勉強会、施設見学会を実施するとともに、メールマガジンを通じた情報提供を強化するなど、報道に役立てていただく情報提供をこれまで以上に努める。

(6)地域における勉強会の支援

地域のみなさまが自主的に行う勉強会等の活動に対し、その費用に対する支援、活動プログラムやメニューに関するアドバイス、多様な意見を聞くための様々な専門家の紹介、国内関連施設等の見学に関する情報提供や窓口紹介、パンフレット類の提供等を行う。

さらに、より多くの地域のみなさまが自主的な勉強会等の活動を実施していただけるよう、より効果的な周知を図りつつ、従来は年1回であった募集機会を拡充する。

(7)次世代層への対応

地層処分事業は、極めて長期にわたることに鑑み、次世代層にもご理解を深めていただくことが重要である。

このため、教育関係者向けのワークショップを全国規模で実施し、学習指導案及び授業用教材を作成して実際の授業に取り上げていただけるよう働きかけるとともに、教育関係者向けのポータルサイトを通じて広く社会に提供する。

また、大学でのディベート授業にも引き続き協力するほか、次世代層が多く来場する全国の科学館などで「地層処分模型展示車」を活用した展示説明を行う。

(8)対話活動の効果測定と評価

地層処分事業の必要性・安全性や機構の認知度等に関する定期的な調査、問合せや資料請求の件数、ホームページへのアクセス数等を分析・評価することにより、今後の対話活動の見直し、高度化につなげる。

2.関心を持っていただいた地域における対話活動

上記の対話活動を通じて関心を持っていただいた地域においては、さらに重点的な対話活動を進め、応募いただけるよう努める。

(1)タスクフォースチームによる重点的対話活動

関心を持っていただいた地域においては、地域別に責任を持つタスクフォースチームが訪問を重ねることにより、自治体や地域団体の関係者をはじめとした地域のみなさまと「顔の見えるコミュニケーション」を深め、密度濃くきめ細かい対話活動を行う。

このため、大小規模の説明会のほか、「地層処分模型展示車」を用いた展示説明、国内関連施設等の視察見学会、地域で開催される勉強会等への専門家の紹介・派遣及びその活動費用の支援、様々な層の方々を対象とした少人数のワークショップ等を実施するとともに、地域からのご要望に対してきめ細かく対応する。

(2)地元メディアを活用した情報発信

関心を持っていただいた地域のみなさまのご理解を一層深めていただくために、地域において発信力のある地元新聞、タウン誌、ケーブルテレビ、地元FMラジオなどの広報媒体を活用して効果的・定期的に情報発信する。

(3)周辺地域における対話活動

関心を持っていただいた地域の周辺市町村や都道府県域においても説明会等の対話活動を実施し、広域的な範囲で理解を深めていただけるよう努める。

Ⅱ 文献調査開始後の活動

機構は、概要調査地区を選定するために、応募をいただいた市町村(応募市町村)や地域のみなさまとのコミュニケーションを深めながら、公開されている地質・地質構造及び地震・活断層、火山・火成活動、隆起・侵食等の自然現象などに関する文献や衛星画像、空中写真などの資料等による調査(文献調査)を実施する。

文献調査の開始に先立ち、機構は、文献調査の実施内容やその進め方など、文献調査実施に当たっての基本的事項について、文書により応募市町村に確認をしていただく。

その後、応募市町村に対して「文献調査計画(後述)」を説明するとともに、定期的に調査状況を報告する。

1.文献調査開始後の対話活動

応募市町村においては、地域に根差した対話・交流活動を行うとともに、地域のみなさまが本事業について議論・検討するための支援を行う。

(1)地域に根差した対話活動

応募市町村においては、その後の概要調査地区の選定に向けた合意形成に向けて、地域のみなさまが地層処分事業に関する情報を共有し、対話をしていただくことが重要であり、そのための「対話の場」が地域主体で設けられることが望ましいと考える。

このため、「対話の場」を設置いただけるよう、その有用性等を地域に対し提示するとともに、市町村をはじめ国、関係機関等と協議の上、地域の要望に応じて「対話の場」の仕組み作りと運営に協力する。この「対話の場」においては、地域のみなさまに事業内容、安全確保策、地域経済への影響等に関する情報のほか、様々な情報を提供するとともに、地域のみなさまの意見を聴取して事業活動へ反映させる。

また、事業内容や関連情報の提供のほか、各分野の専門家の紹介・派遣、関連施設の見学等、議論・検討に必要となる費用について支援するとともに、「対話の場」からいただく要望事項への対応もきめ細かく行う。

さらに、地域のみなさまの声をしっかりと受け止め、対話・交流活動を円滑に行うための窓口として、現地事務所を早期に開設し、地域イベントへの参加や共催などを通じて交流活動を行いつつ、地域の一員として信頼されるよう積極的かつ適正な業務運営を行う。

また、新聞、テレビをはじめとする地元メディアの積極的な活用に加え、ニュースレターや広報誌の定期的な発行等により、タイムリーな情報提供を行う。これらの情報は、広域的なご理解とご協力をいただくため、応募市町村のみならず周辺地域に対しても積極的に提供する。

(2)地域共生への取り組み

応募市町村や地域のみなさまとの対話活動などを通じて、地層処分事業によってもたらされる地域の未来像をとりまとめ、提示する。

具体的には、地域の諸課題や将来ビジョン、経済状況等を踏まえ、公的支援メニューの紹介や個別の地域共生事業の具体案の提示、地域産業の活性化に関する専門家の紹介・派遣、街づくりに関する先進地への視察会などの支援事業を行いながら、地域と一体となって地域づくりの具体的なプランを作成する。また、そうした地域振興プランも含めた地層処分事業全体の地域経済、地域社会にもたらす影響を調査し、明らかにする。

2.文献調査

機構は、文献調査により応募区域の中から概要調査地区を選定する際、選定・不選定理由を明確にするため、選定に際して考慮すべき事項とその評価に関する考え方をとりまとめた「概要調査地区選定上の考慮事項(2002年策定、全市町村に配布)」(考慮事項)を踏まえて評価する。

これらの評価に当たっては、機構が設置する国内外の学識経験者によって構成される「技術アドバイザリー委員会」に評価いただくことで、その品質や信頼性を確保する。

さらに、その根拠となる文献等について機構のホームページをもって広く情報提供し、透明性を確保する。

(1)文献調査の実施

[1]「文献調査計画」の策定

機構は、適切な情報の公開により業務の運営における透明性を確保するとともに、調査地域等の住民の理解と協力をいただくため、文献調査に先立ち、「考慮事項」を踏まえた応募区域の適性などの評価を行うために収集すべき文献の種類や文献の収集方法等をとりまとめた「文献調査計画」を応募区域ごとに策定し、公表する。

[2]文献情報の収集・整理

機構は、「文献調査計画」に基づき、必要となる文献等を収集する。収集した情報は、その情報と位置情報を関連付けて視覚的に整理し、機構が整備した「地理情報システム(GIS)」へ登録する。

さらに、収集した情報及びその情報を基に実施する各種解析・評価結果については、機構が整備した「地質環境データ管理システム」により一元管理し、概要調査地区の選定の透明性・追跡性を確保する。

また、文献調査の効率的な実施に向けて、岩盤特性や水理場等の地質環境特性に関する全国レベルの情報に基づくデータベースを整備する。

[3]地質環境特性の分析・評価

文献調査によって得られた情報等を基に、「考慮事項」に示した評価の考え方に基づき、応募区域に係る地質環境特性の分析・評価を実施する。分析・評価に当たっては、これまで開発を進めてきたデータ評価手法等を活用する。

(2)応募区域に対応した処分場概念等の検討

文献調査によって得られた情報等を基に、処分場の設計・性能評価に必要となる地質環境特性を評価するとともに、環境保全策や自主的な環境影響調査・評価の計画を検討した上で、特定放射性廃棄物の種類及び応募区域の条件に対応した処分場概念の検討を進める。

Ⅲ 地層処分に関する技術開発等

1.地層処分の技術的信頼性の向上(「包括的技術報告書」等の作成)

2014年度は、技術的信頼性の更なる向上を図るため、地震に対する施設の安全性や廃棄体の回収可能性など、これまでの対話活動に寄せられた懸念や関心事項並びに地層処分技術WGで示された技術課題などについて、重点的に検討してきた。

また、これまでに得られた最新の科学的知見や技術開発成果を反映した技術情報の整備を行うとともに、これらの成果を基に我が国における安全な地層処分の実現性を体系的に示す「包括的技術報告書」の第一次ドラフトをとりまとめた。

2015年度は、最重要課題として、「包括的技術報告書」を完成させるとともに、その概要などについて一般の方々を対象とした「地層処分の現状と展望(仮称)」を作成する。

さらに、これら報告書の作成と並行して、わかりやすい地層処分に関する説明資料を作成し、対話活動に活用する。

「包括的技術報告書」に関しては、第一次ドラフトを基に、機構が設置した「タスクフォース」において関係機関の専門家から個別分野ごとの最新知見や報告書に関する意見等を効率的に取り込み、内容の充実に努めていく。また、国内外の有識者を集めたワークショップを通じた内部レビューを実施する。さらに、当該「包括的技術報告書」の完成後、さらなる技術的信頼性の向上を目的とした国内外の第三者機関による外部レビューに向けて、着実に準備を進める。

「地層処分の現状と展望(仮称)」の作成に当たっては、「包括的技術報告書」の概要に加え、これまでの対話活動において多くの懸念や関心が寄せられている事項について、専門家や技術的知識を有する人々のみならず広く一般の方々にもご理解いただけるよう配慮する。

また、「包括的技術報告書」の作成に資することを目的として、最新の知見を踏まえて「地下施設の設計や工学的対策の具体化」、「安全評価解析及びその情報基盤のデータベース化」、「地上施設の概念の具体化や操業安全対策に関する検討」、「岩種が複合する地質環境条件等における安全評価に関する検討」等を重点的に実施する。

2.長期にわたる事業展開を見据えた技術開発

地層処分事業は、段階的・長期的に進められることから、実施の各段階で必要となる技術の整備及びさらなる高度化や最適化・効率化を着実に進める必要がある。

このため、機構は、2013年度からの5ヶ年間の「中期技術開発計画」をとりまとめ、計画的かつ効率的に技術開発を推進している。また、本計画は、技術開発を取り巻く状況の変化に応じて、柔軟に見直すこととしている。

2015年度は、「中期技術開発計画」のうち、「包括的技術報告書」に検討結果を直接的に反映するものを重点的に実施する。

さらに、「人工バリア周辺における超長期の信頼性確認に係る体系的検討」や「人為事象に対する安全評価シナリオの設定に関する検討」、「地質環境調査の品質評価に関する検討」など、地層処分事業の安全な実施を確保するに当たり、重要性が高く、優先して継続的に取り組む必要がある技術開発を、経済性と効率性にも重点を置きつつ計画的に実施し、これらの成果は、適宜「包括的技術報告書」に反映する。

また、地層処分技術WGで示された「広域的現象の理解に関する研究課題」などについて、関係機関と連携して技術開発に取り組む。

3.技術開発のマネジメント強化

(1)技術開発計画・成果等に関する第三者による指導・助言

技術開発計画・成果等について、「技術アドバイザリー委員会」を活用し、「包括的技術報告書」の具体的な記載内容を中心として、客観性や中立的な観点から指導、助言をいただく。

(2)技術開発成果の積極的活用

「包括的技術報告書」並びに同報告書の作成過程で収集した技術情報や技術開発等の成果については、当該技術情報等を体系的に整理した閲覧システムを構築し、既往成果を今後の技術開発に効率的に利用できる環境を整備するとともに、技術開発成果の情報発信の充実化を図る。

さらに、「包括的技術報告書」等の成果は、国の「地層処分基盤研究開発調整会議」などを通じて、関係機関と、今後取り組むべき技術課題とその解決の方向性の明確化や役割分担の共有を図るなど、技術開発のマネジメントに活用する。

また、技術開発の成果については、機構の主催する技術開発成果報告会や学会・論文での発表、個別技術報告書の発行など、地層処分の専門家に向けて積極的に公表するとともに、これらの技術的な情報が、多様な人々に容易に、かつ、わかりやすく提供できるよう、平易な表現とするなどの工夫や検討を進めてホームページに掲載する。

なお、技術開発成果公表等の過程で得られた意見及び評価については、今後の技術開発の参考として活用する。

4.地層処分に関する技術連携・交流

(1)国内関係機関との情報交換、共同研究

技術開発を進めるに当たっては、地層処分事業の実施主体としてのリーダーシップを一層発揮して、我が国における処分技術の全体の整備を着実に推進する。

このため、独立行政法人日本原子力研究開発機構をはじめ国内関係機関の研究開発が適切に推進されるように、国の「地層処分基盤研究開発調整会議」などを通じて機構のニーズを提示する。

さらに、関係機関と最終処分施設建設地選定に必要となる地質環境評価、地層処分の工学技術、安全評価等に関する技術情報の交換や共同研究等を実施する。

(2)国際的技術交流

地層処分技術は、国際的に共有できるものが多いことに鑑み、各国の実施主体で構成される「放射性物質環境安全処分国際協会(EDRAM)」において引き続き積極的な情報交換を行うとともに、「国際原子力機関(IAEA)」、「経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)」等の国際機関や、各国の実施主体等が進める国際共同プロジェクトへ積極的に参画する。

また、協力協定を締結している海外の実施主体等との間でも、地質環境評価技術、地層処分の工学技術、安全評価技術等に関する情報交換、職員の長期派遣、共同研究等の技術交流を実施する。

(3)知見と技術の蓄積並びに人材育成

上述した国内外の関係機関との共同研究や技術協力を通じて、最新の技術開発成果を事業活動に反映し、概要調査地区選定に必要となる知見や概要調査以降に必要な技術や知識基盤(放射線量評価プログラム、調査・建設・操業費用に係る情報等)を的確かつ効率的に蓄積・整備・更新していく。

さらに、研究インフラを有する国内外の関係機関との連携を一層強化し、共同研究の実施を通じて職員の長期派遣・人事交流を進め、人材育成・技術移転及び技術力の向上を図る。

Ⅳ 組織運営

1.事業目標の明確化とPDCAサイクルの定着

機構の事業目標を明確にするために、国において行われる「基本方針」等の改定に合せ、機構の「実施計画」を変更し、その中に中期事業目標及びアクションプランを盛り込む。個々の業務については、活動目標を明確化した上で取り組み、自己評価・反省を踏まえて業務の改善とさらなる高度化を図る。

さらに、事業活動が事業目標に照らして適切に行われているか否か、大所高所の観点から評議員会に評価・提言していただく。特に、対話活動と技術開発に関しては、評議員会の下に設置された「対話活動評価委員会」及び「技術開発評価委員会」において、個別業務ごとに具体的な評価を受け、事業活動に反映させる。

これらの対応により、PDCAサイクルの着実な定着を図る。

2.内部統制・ガバナンスの見直し

情報セキュリティの向上などリスク管理の向上を図るとともに、2014年度に行った内部統制強化に関する理事会決議等に照らし、機構におけるガバナンス上の問題点の有無について点検し、関係規程類の改定も含め、必要な対応を行う。

3.適切な人材確保と育成

事業展開に応じた人的資源を適切に確保する観点から、長期にわたる事業期間を鑑みた技能・知見の蓄積や継承、さらには当面の課題へ迅速に対応できる即戦力や専門性を重視した人材の採用を進める。

さらに、人材育成の観点から、中長期的視点での人材育成計画の策定、職員としての基本的業務知識の習得及び資質の維持・向上を目的とした教育体系の整備、また組織の活性化を目的とした人事評価システムの構築にも取り組む。

4.情報公開

業務運営に関する情報や技術情報を積極的に公表することにより、国民のみなさまから信頼いただける組織を目指す。

情報公開に関しては、事業計画・報告書、決算報告書等の財務関係書類、技術情報、最終処分積立金の使途等について継続的に公開していくとともに、情報公開請求に対しては、情報公開規程に基づき引き続き適切に対応する。

Ⅴ 拠出金の徴収

「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」(平成十二年法律第百十七号)第11条及び第11条の2の規定により、発電用原子炉設置者等から拠出金を徴収する。