放射性廃棄物の放射線による生活圏への影響は、自然放射線よりもはるかに小さいものです

放射性物質を取り扱ったり、原子力利用により発生する放射性廃棄物の安全な取り扱いのために、どの程度の被ばく線量までなら許容してよいかという基準値の設定は重要なことです。世界各国はそれぞれの基準を作成していますが、国際放射線防護委員会(ICRP)は、各国における基準の作成のための国際共通的な考え方を示しています。

地層処分を行う放射性廃棄物の中にはさまざまな放射性物質が含まれていて、それらが放出する放射線が人間の生活環境へ影響を及ぼさないようにすることが地層処分の安全確保の中心的課題となっています。

地層処分の場合には、放射性物質は、地下300メートルより深い地層中に人工バリアと天然バリアからなる多重バリアシステムの中にしっかりと閉じ込められます。また、将来的に放射性物質が処分場から出たとしても、ゆっくりとした地下水の流れの中を途中で地層中に吸着されながら移動し、その間にも放射性崩壊により減衰するため、最終的に生活環境に到達する放射性物質の量はわずかです。

地層処分による放射線の影響は、そのような極々少量の放射性物質からの放射線による被ばくを考えることになります。その被ばく線量は、自然放射線による被ばく線量に比較してかなり低い値になっているため、私たちを含め環境への影響は無視できる程度のものなのです。