隆起・沈降や侵食の影響を受ける場所を避け、影響の程度を事前に把握します

地質構造は10万年、100万年という長い時間をかけて変化することが知られており、それにともなって非常にゆっくり、継続的に地盤の隆起・沈降・侵食が起こります。隆起・沈降は、地盤が広い範囲にわたって上がる、あるいは下がる現象です。侵食は、風化、崩壊および流水などによって山地や丘陵地が削りとられ地形が変化する現象です。したがって、大きな隆起が起きていない場所や沈降地域では、大きな侵食は起きません。

地盤の隆起や侵食が地下の処分場に与える影響としては、地下深部に建設した処分場が地表に近づくこと、および地形の変化によって地下水の流れ方などが変わることが考えられます。一方、沈降地域では、処分場をより地下深部に遠ざけることとなります。

わが国の隆起の状況は、地域ごとにある一定の傾向と速度で数十万年間継続している場合が多いことがわかっています。隆起地域の中で、10万年当たり100メートル程度を超える大きな隆起速度を示す地域は、一部の山岳地域や関東以西の太平洋側と北陸以東の日本海側の海岸地域に限られます。隆起速度の違いは地域ごとの広域的な力のかかり方の違いを反映したものと考えられ、その傾向は将来10万年程度では変わらないものと考えられています。
また、侵食速度については、10万年程度では隆起速度とほぼ同等かそれより小さいことがわかっています。

このようなことから、地層処分を行う際には、長い期間に予想される隆起・侵食量と、その影響の程度を事前に把握・評価し、施設や設備の設計・施工に適切に反映します。