NUMOトップ  >  海外の状況  >  国際的動向のスポット解説  >  第1回 フィンランドにおける地層処分場の建設許可申請に対する規制当局の審査結果について

海外の状況 海外の状況についてご説明します。

地層処分に関する国際的動向のスポット解説

第1回 フィンランドにおける地層処分場の建設許可申請に対する規制当局の審査結果について

gumo
 フィンランドで地層処分場の建設許可の申請について、規制当局が審査結果を発表したと聞きました。どういう話なのですか。
梅木
 NUMOの理事の梅木です。今年の2月12日にフィンランドの原子力安全規制当局である放射線・原子力安全センター(STUK)が、地層処分の実施主体であるPosiva社の使用済燃料処分場の建設許可申請に対する審査結果を公表した話ですね。実は、この審査結果は、今後日本において地層処分計画を進めるうえで示唆に富んだものだと思っています。
gumo
 日本から遠く離れたフィンランドの話が、日本の地層処分の参考になるんですね。注目するのはどういう点ですか。
梅木
 他の原子力施設のような「操業期間」だけでなく「閉鎖後のきわめて長い期間」も含めて両方の安全性について審査したところが注目すべき点ですね。この「閉鎖後のきわめて長い期間」というのは地層処分に特有のものです。今回、国際的に認められた考え方や方法論などに基づいて安全規制を定め、それに則って「閉鎖後のきわめて長い期間」についても規制当局が許認可できる、ということが実証されたことは特筆すべき点です。
 また、処分場の操業は2100年代にまで及ぶ計画です。このように事業期間が長いプロジェクトの認可にあたって、事業期間を通して継続的に閉鎖後の長期の安全性を向上させることがプロジェクトを進めていく上での原則であることが明確にうたわれていることも特徴といっていいでしょう。
gumo
 地層処分のプロジェクトは、とても長い期間がかかるんですね。「継続的に安全性を向上させる」というのは、具体的にどういうことなんですか。
梅木
 地層処分場はこれまでにない極めて長期間にわたって安全を確保することが求められる施設なので、
  • 段階的に計画を進めていくことが適切である
  • 蓄積されていく知識に応じて施設の設計を評価し、その安全性をより高めていく工夫を継続していくことが重要
 ということを規制当局が明言しています。たとえば、認可後に建設が開始されれば、処分場を建設する深さにある地下の岩盤の性質に関するより詳細な知識や情報が得られることが見込まれるため、これを踏まえて設計を確認、見直しを行うこととしています。
gumo
 今ある知識だけで全てを決めてしまうのではなく、今後、得られる情報についても安全性を高めるために、取り入れていくことを約束した、ということですね。
梅木
 そうですね。こうしたことを実現していくためには、地層処分を行う実施主体だけでなく、規制当局も事業期間にわたって継続的に安全を評価、確認するための能力と機能、人材を確保していくことが必要ということですね。継続的に安全性を高めていく仕組みを維持していくためには、実施主体と規制当局が技術的な情報を共有し、概念や考え方について共通の理解を持つことが重要ですし、日常的な対話を進めていくことが不可欠と言っていいでしょう。

NUMOによるSTUKの審査結果のまとめ(日本語)はこちら PDF
原子力環境整備促進・資金管理センターによるまとめ(日本語)はこちら PDF
STUKの審査意見書本文(英語)はこちら PDF

以上