ガラス固化体と地下水の接触をオーバーパックが防ぎます

ガラス固化体は、地下水に溶けにくく、非常に安定しています。しかし、安全性をより確かなものにするために、放射能が比較的高い期間、ガラス固化体と地下水の接触を完全に遮断してしまうのがオーバーパックの主な役割です。ただ、オーバーパックは金属でできているので、金属と地下水が接触すれば、金属は腐食する心配があります。現在、オーバーパックの材料には、炭素鋼が考えられており、1000年間はガラス固化体と地下水を接触させないように設計されています。

地下の深部では、腐食に必要な酸素がきわめて少ないために、腐食はゆっくりと進むことが知られています。これまでの研究から、地下深部の環境で1000年の間にどのくらい腐食するのか、またそのメカニズムもずいぶんわかってきました。島根県の出雲大社境内の遺跡からは、約750年前の鉄斧が出ました。この鉄斧は粘土で覆われた状態で発見され、その表面が薄いさびで覆われていましたが、完全な形を残していました。さびの厚さの測定値から、鉄斧が埋っていた環境での鉄の腐食量は1000年間で2ミリメートルを超えないことがわかりました。このように、1000年間でも腐食に十分に耐え、ガラス固化体と地下水の接触を防ぐようにオーバーパックを設計することは可能なのです。また、オーバーパックがガラス固化体と地下水の接触を阻んでいる期間、ガラス固化体中では、放射能は約3000分の1程度まで低下し、これとともに、ガラス固化体の温度も低下します。

一方、地層処分相当低レベル放射性廃棄物は十分に放射能が低く発熱が小さいことから、廃棄体をオーバーパックに収納しません。