緩衝材は地下水の流れを遅くし、放射性物質の動きも抑えます

緩衝材には、ベントナイトと呼ばれる天然に産出される粘土が用いられ、オーバーパックと地層の間にオーバーパック全体を取り囲むように設置します。ベントナイトは、そもそも水を非常に通しにくいという性質を持っており、緩衝材の内部では、地層中と比べると地下水の動きは非常に遅くなり、ほとんど止まっていると言ってもいいでしょう。

このベントナイトは、1970年、大阪万博が開催された際、地下約15メートルに埋められたタイムカプセルを地下水から守るためにも使われています。このタイムカプセルは、5000年後の西暦6970年に開封されることになっています。2000年に発掘された際には、地下水がベントナイトの周辺部分にしか浸入していないことが確認され、ベントナイトが地下水を通しにくいことが証明されました。このように、ベントナイトを用いることで、地下水の動きをほとんど止めてしまい、オーバーパックなどの腐食を遅らせだけではなく、高レベル放射性廃棄物等から放射性物質が出てきたとしても、地下水によって外部へ運ばれるのを著しく遅らせることができるのです。

また、ベントナイトには、浄水器のように、水に溶けている物質(不純物)を吸着する性質があります(ただし、吸着の強さは、吸着される物質によって異なります)。ですから、溶け出した放射性物質が緩衝材中を移動している間にも、その一部の放射性物質は緩衝材に吸着されるため、地層へ到達するまでには、地下水の動きと比べてもさらに長い時間を要します。そして、この間にも、放射性物質は放射性崩壊により減衰していきます。