ワークショップ開催レポート(中部)

ワークショップの概要

開催日時 平成24年10月27日(土)13:00~16:00
会場 TKP名古屋ビジネスセンター
愛知県名古屋市中村区椿町1-16
井門名古屋ビル 会議室6
プログラム 13:00~13:05 開会挨拶
13:05~13:35 オリエンテーション
13:35~13:55 情報提供 原子力発電環境整備機構(NUMO)[2.7MB]PDFファイルが開きます。
13:55~14:40 グループディスカッション
14:40~14:50 休憩
14:50~15:30 全体シェア・Q&A
15:30~15:50 ふりかえり
15:50~16:00 おしらせ・閉会挨拶

ワークショップ当日の様子

平成24年10月27日(土)愛知県名古屋市のTKP名古屋ビジネスセンターにおいて、ご応募いただいた、名古屋市及び近郊にお住まいの方々(20名)にご参加いただき、第1回電気のゴミワークショップを開催しました。

冒頭、昨年の3.11の福島第一原子力発電所事故について、関連事業に携わるものとしてのお詫びから始まり、『高レベル放射性廃棄物やそれを取り巻く現状を皆様に知っていただき、一緒に考えていただきたい』という趣旨説明をしました。


ワークショップでは、はじめにNUMOより、「NUMOとは」「高レベル放射性廃棄物について」「高レベル放射性廃棄物の処分方法」「火山や地震の多い日本で地層処分はできるのか」「地層処分場」「諸外国の状況」などについて、DVD映像を交えながら説明を行い、その後、参加者の皆さんが4~5人のグループとなり、今回ファシリテーターとして協力をしていただくNPO法人あすかエネルギーフォーラムのメンバーによる議事進行のもと、活発な議論が行われました。参加者の皆さんからは、「誰が大丈夫だと言ったのか、誰が責任を持つのか」「NUMOは現在までどんな広報活動をしてきたのか」「このワークショップは定期的にやっているのか」「高レベル放射性廃棄物の放射線量の減り方と安全性」「1世帯1月20円程度という徴収金は、今後増えるのか」「日本で処分地は本当に決まるのか」「地層処分が始まったら、考えられるトラブルは」「専門用語がよくわからない」などの多くの質問や意見があげられました。

グループ発表

Q&A

1. 誰が大丈夫だと言ったのか
“誰が大丈夫だと言ったのか”ということですけれども、他の皆さんも一番ご関心のあることだと思います。先ず、地層処分というもの自体、日本だけが取り組みをしているわけではありません。1950年代に米国の科学アカデミー会議から地層処分の概念を初めて提示されて以降、皆さんも新聞ですとかテレビとかで多分名前を聞いたことはあると思いますが、OECD(経済協力開発機構)ですとか、IAEA(国際原子力機関)ですとか、そういった様々な国際機関で一つ一つ基準を整備したり、その中身を確認したりといった手順を踏んで、その結果としてこの地層処分が大丈夫だ、やっていけるという結論に至っています。
そうした国際的な議論が進められる一方で、我が日本国内においても1976年から技術的な検証をしっかりしてきて、「我が国においても技術的に地層処分ができる」ということを国の方に研究開発の組織(独立行政法人 日本原子力研究開発機構-JAEA)が報告を行い、原子力委員会とかいろんな場面で審議をいただくという過程を経て、「日本で地層処分を行う」という法律が2000年に制定されました。
2. 誰が責任を持つのか、事業が忘れ去られることはないのか
“誰が責任を持つのか”ということに関して、地層処分事業は建設地の選定に向けた3段階の調査から施設の建設、操業、閉鎖やその後の管理まで含めますと100年以上にわたる事業となるわけですけれども、先ずは事業主体であります私どもNUMOが、責任をもってこの事業を行います。
また、国にもNUMOという事業を行う団体を認可した責任がありますので、事業が安全に、そして合理的に進められるのに必要な措置を関係法令に基づいて行うこととされています。例えば、天変地異などによってNUMOが事業を続けられない事態になった場合には、必要な措置がとられるまでの間、NUMOに代わって国(経済産業大臣)が地層処分事業を行うと法律に定められています。
“長い年月が経つうちに事業が忘れ去られることは無いのか”ということについてですが、ガラス固化体そのものが無害なものになるには、これはもう何万年数十万年という長い年月がかかります。そうしますと高レベル放射性廃棄物の処分場がそこにあるということを当然後世にわたって残していかなければなりません。記録の情報伝達の考え方、これについては公文書館などを利用するとか、人間の管理が不要な永続的な記録媒体に委ねるといったことが考えられるわけですが、例えば高セラミック材料への刻印による文書やモニュメントといったものについて国の研究機関などにおいて研究しているところです。
また、経済産業大臣は、処分場に関する記録を永久に保存しなければならないと法律に定められていて、経済産業大臣は、未来永劫、永久にその記録を保存することになっています。
つまり、国、NUMO、それぞれが役割分担のもとで、それぞれの責任を全うするという形になっています。
3. 人間がコントロールできないのに原子力発電を行っていいのか
“人間がコントロールできないのに…”ということですけれども、確かに絶対安全となかなか言い切れることではありません。ただ、この地層処分について言えば、現に高レベル放射性廃棄物があるのですから、とにかくやらなければいけないということは間違いなくて、そのためにこれまでにもいろんな議論を経てきました。その上で地層処分が「今考えうる技術」ということで結論が出ているわけです。
NUMOとしてはこうした地層処分を、より安全に、より確実に実施できるように引き続き技術開発に取り組んでいきたいと思っています。
4. 3.11以降、NUMOがこのタイミングで出てきたのはどうしてなのか
このタイミングで急に出てきたというお話ですけれども、実はNUMOはこれまでも、特に昨年の3.11以前にはいろいろとキャンペーンをやったり、皆さんもご覧いただいたことがあるかと思いますが、モグラのようなキャラクターを使ったCMなどをやってきました。これはほとんどの方がNUMOといった組織を知らない、地層処分といってもよくわからないということがありましたので、先ずは名前とか、地層処分という言葉を知ってもらいたいということでテレビCMなどでやらせていただきました。そんな中で3.11がありまして、例えばテレビCMといった短い時間でお伝えするということが果たして良い方法なのか?というご意見もありました。むしろそういった媒体を使うのではなくて、今日皆さんにお集りいただいたような本当に膝を付け合せた話し合いの中で地層処分について一緒に考えていただく、こういう努力が必要なんだということで、国の方からもご議論をいただきました。
こういった対話型のワークショップは、なかなか皆さんの目に触れるような派手な取り組みではありませんが、全国各地で開催させていただいておりますし、これからもしっかりといろんな機会を使ってこのようなご説明を行っていきたいと思います。
5. このワークショップは他にやっているのか、誰がやっているのか
本日のワークショップが今年度の第一回ということで、今後、本日も含めて全国で10回ほど、こうしたワークショップを開催する予定です。それから、資源エネルギー庁でもこうしたワークショップをやっています。私どもNUMOは事業を行う組織ですし、国は政策に則ってというように、それぞれのワークショップの観点に違いはあるかもしれませんが、地層処分に対する方向性は一緒ですので、それぞれが行っています。
6. 高レベル放射性廃棄物の放射能量がゼロになることはない、だから人体に害が及ばない形で隔離する必要があり、それを一番安全に行うのが地下に埋める方法であること、この地層処分が現段階での世界共通の認識であるということまでは判った。だけど、想定外ということがあるが大丈夫か。例えば地下水、地震、岩盤への影響など
地層処分というものの要点を簡潔にまとめていただいてありがとうございます。地下水や地震などに対する考え方、対策などについては本日のお話の繰り返しになりますし、今後もより安全性を高めるために研究を進めていくことでご心配に応えていきたいと考えていますので、ここでは放射線の減り方を中心にお話しさせていただきます。
放射性物質は自己崩壊、何もしないのに不安定な放射性物質が放射線を出して違う物質に変わることですね、それから半減期って皆さんお聞きになったことがあるかと思いますが、放射線の量が半分になる時間はそれぞれの物質ごとに決まっています。そして壊れるときに放射線を出すのですが、その熱は、放射線の量が減るのに応じて減っていきます。ですから冷蔵庫に入れて、外側から冷やしたからといって放射線量がゼロになったり、放射能レベルが早く下がったりということはありません。
それからいつまでもゼロにならないので心配だということに関してですが、私たちが住んでいる地球の中は、放射性物質でできてまして、その崩壊するときの熱で溶けているのがマントルということになります。そのため今地球上に住む私たちはだいたい一年間で2ミリシーベルトぐらい、地球から、あるいは宇宙からといった自然に存在している放射線により被ばくしています。放射性物質からの放射線は徐々に減っていくけれどもゼロになることはないと申し上げましたけれども、こうした自然に受ける放射線のレベルよりも十分低くなるところまでは時間が経てば放射線の量は減っていきます。
ですから地層処分するうえで大事なことは、ガラス固化体そのものの放射線量がゼロになるかならないかではなくて、埋めたガラス固化体から溶け出して地下水により運ばれた放射性物質が私たちの生活環境にでて来たときに、その放射線の量がもともと自然界にある放射線の量より、十分小さくなるようにすることなんです。
言い替えれば、地表に出てくる量を十分少なくするか、出来るだけ遅くすることが重要だということになります。
先ほど地下水の話がありましたが、放射性物質が地下水により地上に運ばれてくるということは、私たちもシナリオの中に入れて考えている、もっと言えば地下水で運ばれてくることを前提として地層処分を考えています。そのうえで地上に出てきた時、一般に地球上にある放射線量よりも相当低いレベルになるよう設計して処分場を作っていきます。
7. 現在1世帯当たり月20円程度の処分費用を負担しているということだが、今後50円、100円と負担が増えていくのではないか。子孫にその負担が続くのではないのか
先ず、各家庭でのご負担がどのようになっているのか、お話させていただきます。
高レベル放射性廃棄物を4万本程度処分することができる施設を考えますと、その事業費用はおよそ3兆円と想定しています。この事業費用を実際に費用が必要となるときまでの利息というようなものも考慮して、ガラス固化体一本あたりいくらといった単価として、毎年、国によって見直され、決められています。そして、各電力会社などの前年の原子力による発電電力量、言いかえれば、どれ位のガラス固化体を発生させるのか、に応じてNUMOは拠出金をいただく仕組みとなっています。更に電力会社は受益者負担の考えから皆さんに電気料金の一部としてご負担いただいているのですが、こうしたことをおおざっぱに計算して、例えば月に300kWh位電気をお使いいただく家庭にあてはめると、毎月皆さんから20円程度いただいているということになるわけです。皆さんが原子力を使った分だけ費用を負担しているということですから、子孫にまでその負担が続くということはありません。
因みに皆さんにご負担いただいた事業費用は一旦「原子力環境整備促進・資金管理センター」というところに預け、そちらから毎年、貯金をおろしてNUMOは事業を行っております。
“今後負担が増えないのか”というご心配に関しては、4万本程度の廃棄物を処分する施設という前提でございますので、現在も行っているところですが、これからも放射性廃棄物の量を減らしたり、早く放射能レベルが下がる物質へと変換する技術開発に取り組んで参りますし、元はと言えば原子力発電でできたものですから、やはり発電を効率的なものにするといった取り組みも各電力会社の方で必要になるかと思います。
それともう一点、4万本という話についてですが、これは順調に発電されたとすると2021年(平成33年)頃までに4万本に相当する発電が行われる。それだけの使用済燃料が出るということです。それ以降も原子力発電をやっていくかどうかは国民皆さまの議論に委ねられるもので、私どもNUMOが云々する問題ではなく、コメントしずらい部分ではあります。ですが、もし以降もされるのであれば、4万本を超える部分をどうするか?ということももちろん考えなければなりませんし、4万本以上も埋められるようにするのか?いや4万本を超えた分は、また別の違うところに埋める、そういうことも含めて今後、国民皆さまの議論が行われるものと考えています。
8. いつから月20円程度の徴収が始まったのですか。今どれ位貯まっているのですか
NUMOが設立されたのが2000年で、その翌年、2001年から頂戴しており、2011年度末時点での積立金は約9,000億円となっています。
9. 原発が動いてなくても、徴収があるのですか
今年の徴収については、前年の原子力による発電電力量に応じて、各電力会社から拠出金をいただく仕組みですので、昨年3.11以降、順次定期検査で各電力会社の発電所が停止するまでの間に発電した分はいただいております。
逆に、来年は、皆さん既にご承知のとおり、現在ほとんどの発電所が停止していますので、徴収する拠出金は少なくなるものと考えています。
10. 日本で処分地は本当に決まるの?今後処分地が見つからなかったらどうするのか
本当に処分地が決まるのか?私たちはそれを何とか見つけようと、こうしたワークショップというようなものに取り組んでいます。NUMOは地層処分の事業を行うものとして、頑張っていくのはもちろんでございますが、皆さんにおかれましても、現在既にある放射性廃棄物についてどうしたら良いのか、一緒に考えていただければと願う次第です。
11. 今のまま処分地が決まらなかったら、六ヶ所村での保管で安全性は大丈夫なのか
六ヶ所村にある「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」は、中間貯蔵、あくまでも最終処分地が見つかるまでの一時的な保管という位置づけです。青森県もそこを最終処分地にするということで了解しているのではありません。こうした点からも、しっかり最終処分の場所を見つけなければいけないと思っています。
“現在行っている六ヶ所村の保管は安全上問題ないのか”ということですけど、問題はないと考えています。六ヶ所村に保管している高レベル放射性廃棄物は一番ホットな状態、一番放射線量が高い状態のものです。それでも今安定的に貯蔵できているのは、しっかりとした設備、例えば厚さ2mの厚いコンクリートで蓋をして、きちんと放射線を遮へいしながら、日々厳重な管理の下に置かれているからです。こうしたことが続けられれば、30年から50年間、放射性廃棄物の処分ということから考えますと非常に短い期間でもありますので、継続することは技術的にはできると思います。
しかし一方で、高レベル放射性廃棄物は、放射能レベルが下がるまで何万年もの間、安定的な状態にして置かなければならないものです。六ヶ所村で現在管理しているのと同じような状態を人間の力で、費用をかけて継続していくのが正しいのかどうか、そういったことも議論されたうえで「地層処分」という結論になっているということですので、何とかその方向に向けて頑張っていきたいと思っています。
12. 火山分布図では火山の無い地域があるけど、なぜそこを候補地としないのか、処分地を公募する今の方法のままで良いのだろうか
“火山のない地域で地層処分をやればいいんじゃないのか”ということなんですけれども、地層処分事業は例えば処分場を閉鎖するまでのことを考えましても100年位かかる事業ですので、技術的な条件を満たすこともさることながら、その地域にお住まいの方々自らが協力するよと手をあげていただくことがベターであると考えています。そうしたことから「公募」という方法をとらせていただいているのですが、なかなか前に進まない状況でもあります。皆さんもご存知かもしれませんが、高知県東洋町での大変残念な結果もありました。こうした現状に対応するため、国の方でもご議論をいただいて、地域の状況を勘案して場合によっては国から第一段階の調査をさせていただけないかという申し入れをするといった方法も取り入れられ、もうすでに制度化されています。しかし、どちらの方法にしろ、地層処分事業はその地域のご理解なしでは前に進まないものでありますし、官民一体となって取り組んでいきたいとも考えています。
13. 処分中に考えられるトラブルはどんなものか。その影響はどのくらいか
処分場を建設して廃棄物を埋めるまでの間、およそ60年間位かかりますので、その間に例えば地震があったりだとか、去年のような地震に伴う津波が来たら大丈夫か、そんな心配は当然あります。しかし現在のところ、建設する場所が決まってませんので、具体的な影響について検討する、あるいはこういう対策をとれば大丈夫ということはできません。ですが、今後、建設する場所が決まれば、考えられる具体的なトラブルに対して、しっかりと設備が耐えられ、作業に従事する人も安全、安定的に作業ができるよう対策を施していくことになります。そうした情報も逐次発信していきたいと考えています。

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