ワークショップ開催レポート(関西)

ワークショップの概要

開催日時 平成25年1月26日(土)9:00~16:30
会場 KKRホテル札幌 2階 孔雀
札幌市中央区北4条西5丁目
プログラム 9:30~12:00 第1部北海道大学エネルギー教育研究会主催エネルギー教育セミナー
12:00~13:00 休憩
13:00~13:05 第2部NUMO主催電気のゴミワークショップ 開会挨拶
13:05~13:40 エネルギー環境教育の今日的課題
山下 宏文氏
京都教育大学教育学部教授
13:40~14:10 情報提供 原子力発電環境整備機構(NUMO)[3.5MB]PDFファイルが開きます。
14:10~15:30 課題認識の共有と展開のポイント
杉山 憲一郎氏
北海道大学名誉教授
グループディスカッション
15:30~16:00 全体シェア・Q&A
16:15~16:25 ふりかえり
16:25~16:30 おしらせ・閉会挨拶

ワークショップ当日の様子

平成25年1月26日(土)KKRホテル札幌 2階 孔雀において、ご応募いただいた方々(27名)にご参加いただき、第6回電気のゴミワークショップを開催しました。冒頭、一昨年3月11日に起きた福島第一原子力発電所事故について、関連事業に携わるものとしてのお詫びから始まり、『高レベル放射性廃棄物やそれを取り巻く現状を教職員の方々に知っていただき、一緒に考えていただきたい』という趣旨説明をしました。
なお、当日の午前中は「北海道大学エネルギー教育研究会」の主催でエネルギー教育セミナーが開催されました。セミナーでは、エネルギー教育実践例の発表や、実際に線量計を使った放射線防護の体感、「霧箱」といった、放射線が物質から飛だす軌跡をみる実験などが行われました。


ワークショップでは、はじめにNUMOより、「高レベル放射性廃棄物について」「高レベル放射性廃棄物の処分方法」「火山や地震の多い日本で地層処分はできるのか」「地層処分場」「諸外国の状況」などについて、DVD映像を交えながら説明を行い、その後、杉山先生による情報の整理に関してヒントをいただきました。続いて教職員の方々が5~7人のグループに分かれ、今回ファシリテータとして運営協力をしていただいた北海道大学エネルギー教育研究会の先生方による議事進行のもと、活発な議論が行われました。参加いただいた教職員の方々からは、「小学校の授業で放射性廃棄物について教えるのは難しい」「小学校の授業では、まずエネルギーについて正しい知識を教えなければならない」「地層処分を教えるためには、子供たちの心情面も育てていかなければならない」「エネルギー問題について、きちんとした情報を自分たちで集めていかなければならない」「子どもたちに放射性廃棄物問題に対する事実を伝えるためには、まず教師が勉強することが重要だ」などの意見があげられました。

グループ発表

当日は、午前中に開催されたエネルギー教育セミナーを主催した「北海道大学エネルギー教育研究会」を主宰する北海道大学の杉山憲一郎先生、午後のワークショップ中で講演いただいた京都教育大学の山下先生に、各グループの発表に対して、コメントをいただきました。

【Cグループの先生達から】
・廃棄したゴミは100万年後にどうなるのか、使用済み核燃料を現在のように貯蔵プールに入れたままにすればいいのではないかという疑問が出てきました。NUMOから「100万年後であれば安全な状況になる」こと、「貯蔵プールに置いたままにすることは次世代にゴミを残してしまうことになる」と説明を受けました。
・小学校の授業で電気のゴミについて教えるのは無理ではないかという意見も出ました。でも、福島の風評被害の問題、放射能に対しての怖さで、原子力の正しい情報が伝わっていないことを考えると、小学生にわかるようにきちっと教えるべきではないでしょうか。
・実際の授業の場面では、6年生の家庭科で、自分の生活の中でのエネルギーやゴミのこと考える必要があるのではないか。また、6年生の理科で電気の授業がありますが、その電気はどこからきているのかを気づかせることも必要だと思います。
・社会科の勉強の中で、日本の工業が伸びてきたのはいろいろなエネルギー、特に電気に支えられてきたが、そこにゴミが生じるということも教えなければならない。5年生では公害の勉強がありますが、便利なものを生み出す時にいらないものも出てきてしまうことを考えなければいけないという取り上げ方ができるのではないか。
・家庭科の授業で省エネの観点から、今あるもの、持っているものをどうやって大事に使うか、自分の生活をどう見直すかが、小学生が考えられることの精一杯のところではないか。
【Cグループの先生達へ山下先生からのコメント】
まずは正しい情報、小学生だから生活との関係のなかで見ていく必要があるということ。各教科との関連する内容を考えながら扱っていくこと、小学校ということに限定した場合には、そうだろうなと思います。正しい情報が必要だと言いましたが、まさに事実の認識が大切だと思います。この地層処分の前に、高レベル放射性廃棄物というのが出てくる。なぜそんなものが出てくるのか。それは原子力発電によって出てくる。原子力発電を小学校でどこまで扱えるかは分かりませんが、こういう仕組みで、だから廃棄物が出てくる、その廃棄物というのは強い放射能を出して危険だ、だから処分しなければならない。そういう事実にきちっと基づいた情報が、正しい情報ということだと思います。事実をとらえて、何が問題なのか、その問題はどうしたら対処できるのか。そうした問いかけができるのは中学、高校になるかもしれませんが、あなたはどれを選択しますかということだと思います。
【Dグループの先生達から】
・再処理をして使えなくなったものを地層処分するということですが、今後、技術が進んで再処理の再処理をしてゴミが出なくなる可能性はないのだろうか。
・地層処分を子どもたちに教えるにはどうすればいいか。最終処分の方法である地層処分だけを教えるのは不可能です。日本のエネルギー問題全体、エネルギーのベストミックスを考える中で、原子力発電や地層処分の問題を子どもたちが判断していくような授業を組み立てていくことが大切なことだと思います。
・火力、水力にしても原発にもメリット、デメリットがあります。疑問に思ったことに地層処分は原発の最終処分としてメリットなのかデメリットなのかということがあります。NUMOの説明ではメリットばかりの話に聞こえます。子どもたちにはデメリットも含めて情報提供をして判断させる必要があると思います。
・実際、授業のどこの場面で取り上げるのがいいのかは難しい。4年生で電気ができるまでを扱うことはできますが、そこから電気のゴミの問題までうまくつなげるのが理想的なのかなと考えます。
【Dグループの先生達へ山下先生からのコメント】
原子力発電をどうするのかを考えていく、それを判断するところで、放射性廃棄物の問題もデメリットとしてとらえていって判断材料とする。それもまた、その通りだなと思います。今日、NUMOが地層処分の話をする、あるいは国がこうしようとしているとか、それぞれの立場での話だと思います。教育ではこの立場の話を相対化する必要があります。国やNUMOはそれぞれの立場でこうしている。それに対してこんな問題もある。さらにこんな対処をしようとしている。そんな見方をしていくと、外国はどうなんだろう、フランスは日本と一緒、スウェーデンは違う、ではどちらがいいのだろうと考える。そういう考えの中で、自分たちは国の立場を選択すべきとなるかもしれないし、国の立場は違うという別の意見が形成されることもあるでしょう。国の立場、自分の立場というのを相対化して、それを事実、知識として自分はどうするのかを考えていくことが必要だと思います。地層処分問題、放射性廃棄物は既にあるという現実を放っておくわけにはいきませんので、これをどうするのかということは避けて通ることはできない。小学校は小学校なりに、中学校は中学校なりに取り組んでいただきたいと思います。
【Eグループの先生達から】
・この問題について情報が少ない。電気のゴミということばにしても、電気を使うことによってゴミが出てくるだとか。電気のゴミという表現がピンとこないだとか。そういう部分では、私たちがまだまだ知らなければいけないことが多いのではないかなと思います。
・学校教育での取り組みを考えたとき、カリキュラムのなかでどう取り組んでいくかは、やはりちょっと難しい。
・例えば5年の工業のなかで、製品作りに必要なエネルギーについて、コストの面をふくめて、エネルギーについて考えるきっかけになるのではないか。
・NUMOから話のあった地層処分については、この廃棄物を処理しなければならないという、共通理解をはかっていかなければいけないと思います。
・今なんとかしていかなければいけない。けれど、自分たちの足元に埋まる不安はあるという、ジレンマの部分、心情面の部分が出てくると思います。今自分たちがなんとかしなければいけないという問題ですが、なかなかそんな思いを持つことができない。私もまだ大丈夫かなと思ってしまう部分あるので、そういう部分を切迫感を持って考えていかなければいけない、心情面を育てていかなければいけない、自分ごととして考えていかなければいけないというふうに考えたとき、例えば道徳でこの問題を扱っていく糸口があるんじゃないでしょうか。
【Aグループの先生達から】
・まず分かったこと、学んだことについてですが、今だからこそエネルギー環境教育が必要だということを再確認したこと、世界の情勢、エネルギー事情についてもよく分かりました。またテレビや新聞からの情報には偏りがあるということ、もっとトータル的に見ていかないと、それに乗ってしまう危険性があるというのも痛感しました。だからこそ、ちゃんとした情報を自分で集めなければいけない、それを基に考えていかなければいけないだろうと。これは、子どもたちへの教育でもそうじゃないかと思います。
・高レベル放射性廃棄物の処理、世界で日本が遅れている現状、これを認識したということ、NUMOが考えている地層処分の方法や考え方、根拠とについてもよく分かりました。
・エネルギー環境教育をしていくには、廃棄物の処理まで目を向けていかなければならない。今、その辺がおろそかになっているのではと思うのですが、その必要性を感じたということや、最新の地層処分についてもよく分かりました。
・知りたいことの大半が、NUMOに対する質問で、その答えのなかでよく分かったこともあります。例えば、まず地層処分の将来のイメージ映像がありましたが、それは今の技術でできるのですか?ということに対しては、十分今の技術でできる、日本が世界で最先端の技術を持っているという話も聞きました。
・なぜ日本の地層処分が遅れているのかについて、いろいろな考え方も聞きました。日本の国民性、歴史の違いだとか、政府に対する信頼感という話もありましたが、世界の状況を見ると、各国ともいろいろ議論がありながら進んでいる。日本は総論では必要、ゴミ処理は必要だと。でも各論では反対、自分のところでは嫌だと。でも全員がこれを言ったら解決しないだろうということで、ゴミにまつわる倫理観について考えさせられました。
・六ヶ所村の再処理工場で行うガラス固化体にする処理について、それは技術的にどうなのか、という疑問もありました。NUMOからは日本独自の技術の部分で苦労してきましたが、それがうまくいきそうだということで、今後のことも分かりました。
・教育現場でどう扱えるのか、なかなか地層処分までいくのが難しい。今のカリキュラムでは、扱いにくいところです。ただゴミの問題はこれから考えていかなければならない問題です。自分たちが生活して出るゴミ、それをどうとらえていくのかは、やはり必要なのではないか。それについて、具体的に述べる、考える時間はないとしても、教師がまずは勉強することが重要であると考えます。一体そのうえで、子どもたちに視点を与える、たとえば事実を伝える。事実を伝えて子どもたちが考えるための情報をちゃんと与えてあげる。そして考える力がついていたら、これからの子供たちが社会に出てから独力で考えていけるのではないか。
・この問題と向き合わなければいけない時代になっていますので、そういう部分で小中の段階で、できれば高校も含めて、子どもたちに考える力、自分たちで明るい未来を切り開く力、こうした力をつけてもらうためにがんばっていきたいと思っています。
【Bグループの先生達から】
・放射性廃棄物をゴミと言いますが、これから先もずっとゴミなのだろうかという疑問が出ました。発想を変えたら、将来的にはゴミではなくて他のエネルギーを取り出せるようなエネルギー源になるのではという考え方はできないのだろうか。
・負の遺産、ゴミであればそうなると思いますが、どのぐらい先まで考えていく必要があるのか。日本で処分するという考えではなく、国際的に考えて、地球の中で一番安定した地盤に処分するという発想が大事なのではないか。
・こうした疑問を踏まえて、子どもたちの今の状況はどうだろうかと考えたとき、議論をできるような基本的な情報が不足している、自分の意見をきちんと持っていないことが実態としてあります。これからの子どもたちには、きちんとした知識や情報を基に議論をして、将来を切り開いていくようになってもらいたい。そういう子どもたちを育てるうえで、私たち教師が何をできるのかと考えたときに、まずは自分たちが正しい知識を持たなければならないと考えました。
・正しい知識を、私たち教師や大人がきちんと発信をして、そこから子どもたちが情報を選択して、そして将来に向けて考えていく。そういった教育が必要ではないだろうかと考えました。
・日本は資源が非常に少ない、4%の自給率の国ですから、その立場のなかで、これからの生活をどのように見直していくのか、エネルギーをどういう方向で活用していくのか、それと同時に、新しい技術を発想できるような、そういう将来を期待したいと考えます。そのためにはやはり、将来のことを考えられるような人材を確保しなければいけません。
・正しい情報をきちんと伝えていかなければ、新しい技術を発想しようという前向きな子どもたちは育たないのではないだろうかと考えます。そのうえで、具体的に教育で何ができるのかを考えたとき、すぐには地層処分をどの内容でというのは難しいかもしれませんが、たとえば理科であれば、性質、仕組み、保健であれば健康の影響はどうなんだろう、社会科であれば社会的にどのように折り合いをつけたらいいのだろうか、道徳、総合、行事など、さまざまな教育活動のなかでトータルで見たときに、今はまだまだできない教育、やっていない教育があるのではないだろうかと考えます。
・今日ここに来る前の私たちは、放射性物質、そのゴミについての話だという考えがあったと思いますが、よく考えたら放射性のものだろうが、放射性以外のものだろうが、根本の課題は一緒なんじゃないか。私たちはエネルギーを使って生活している、いらないものも出る、それを特別視するのではなく、トータルで考えていく発想が大事だと考えました。
【杉山先生からのコメント】
子どもたちは、次代の日本を担う、今日の話では場合によっては世界を担う人材になる。その時の基本は健康でなければいけないということです。健康であってプライドの持てる仕事がないと人間らしい生活ができない。その基盤になっているのがエネルギーだという、こういう押さえをまずしていただきたい。健康であるためには、食べ物がしっかりしていないといけない。食べ物だけではなく、きれいな水が使える、きれいな空気が使える環境でないといけません。今、肺がんが非常に増えています。それはたぶんタバコをのむ、空気が汚れている、場合によっては排気ガスの問題もあるかもしれません。健康であるための学習を、中学校を出るまでにきちんとしてもらう。健康であるためには、体の中の仕組みがよく分からないとだめです。DNAに傷がつくとか、タバコをのんじゃなぜだめなのか、タバコとお酒をのんだらどうしてだめなの、という体の中で化学反応してエネルギーを取り出す、その化学反応のプロセスでいやらしいものがたくさん出てくると健康は維持できない。こうした思考過程の中で放射線を特別なものとして扱う必要はないということを分かってもらえると思います。先生方が放射線を特別なものとして扱わなくてもいい環境ができると、健康の教育レベルが上がると思います。放射線をきちっと勉強しつつ、タバコ、お酒がなぜだめなのか、DNAが損傷するのはどうしてなのか、あるいは損傷しても修復される。それは放射線だけではなくて、いろいろな化学物質でも同じで、放射線だけを特別に心配することはない、量の問題だということです。私は2週間くらいずっと風邪薬を飲んでいますが、やっぱり量の問題でそろそろやめた方がいいのではと。量としてのリスクとベネフィットを、中学校を出るまでに理解してほしい。そういう意味ではいろいろな副読本がいるかもしれません。先生方が集まって、わいわいがやがや、場合によっては専門の講師を呼んで、副読本を作るという努力をぜひやっていただきたい。今まで小学校で電気の物語とかガスの物語とか副読本ができています。中学校でも使えるのもできてますので、放射線を含んだ健康についての副読本を作る努力をしていただきたい。

歴史的に日本の教育を考えたとき、たかだか100年の歴史しかない。ヨーロッパで言うと、やっぱりルネッサンスのころからずっと蓄積されているものをいかに自分の国の子どもたちのために効率よく教えるか。ヨーロッパでは、ちょっと油断していると隣の大国が攻め込んできて属国になってしまう。だから、ものすごい緊張感の中で、自分の国が独立できるための教育し、そのための人材を育てる。ポーランドの歴史を見ると、それだけで分かります。キュリー夫人はなぜパリに行ったのか。ロシア帝国の支配下で女性は大学にも行けない。だけどものすごい能力があるのでこの子の能力を伸ばしてあげたいっていってパリに行った。それで世界に貢献する人材になれた。ヨーロッパのそういう歴史のなかでできた教育のおいしいところだけを教えているのが、たぶん先生の現状だと思います。それはバブルが崩壊した1990年で終わったと思ったほうがよくて、本当に先進国になるためには、今日キーワードで出てきた、正しい知識、判断力のための環境をいかに先生方が作って子どもたちにそれを広げていくかということ。副読本、健康、放射線というキーワードの中でできると思いますので、ぜひそういうトライをしていただきたい。

エネルギーの歴史で見たときに、時代の流れは原子力を使わざるを得ない時代にきていると。我々が火を使っていたのは、北京原人の時代から、もしかすると50万年じゃなくて100万年前から痕跡自体は残っています。そういう酸化反応の歴史を100万年ぐらいやっている。だからエネルギーの分野については、我々のレベルは効率を上げているだけで、北京原人より1万倍ぐらい使い方の効率は上がっているかもしれません。原理を変えていないという意味では、エネルギーのところは実は変わらないといけない。たとえば、我々は物質とエネルギーと情報を使ってすべてのことをやってきた。たとえば情報で言うと、皆さんインターネットがないと困りますよね。でも50万年前になかったですよね。何があったか、せいぜいのろしですよね。ここに獲物がいるから、こっちに走っているから、ここで狙えば獲物のマンモスが獲れるよという情報の時代が、今の情報時代に変わってしまった。ところがそのマンモスを獲って焼いて食べていたその火の使い方を、そのまま我々は使っているのは、ある意味で異常です。その異常だって、日常的なものが歴史的に見ると異常なんだということも大事です。常識は非常識という意味で。このままCO2を出しているとすると、極端な話、90%がCO2で大気の温度が500℃ぐらい金星みたいになる可能性もあります。人類は滅びて生物も滅びて。地球の歴史でみるとプロセスの始めになっているかもしれない。人間がいなくなれば元に戻りますけれども、CO2を出し続けるっていうのは非常に危険です。なぜかと言うと、CO2のオーバーで地球をくるんで、どんどん温めていると。グローバルに今どういう環境なのか、そのために急いでやらないといけない問題がたくさん残っています。それを自覚してどう対応するか。エネルギーの使い方は遅れています。

我々が豊かになるプロセスは、決して綺麗事じゃありません。ローマ帝国だけに注目してみると強大な国家でしたが、周辺のゲルマン民族は奴隷にされて能力のある者はローマ人にされますが、そうでなければ排除される。ローマ帝国の陰に、人をいかに使って自分たちが豊かになるかという歴史がある。その後、大航海の時代というのは植民地から、いかに取り込んできてヨーロッパが豊かになったか。日本が太平洋戦争を始めたのでアジアに対しては日本が貢献して植民地制度はなくなった。これは非常に大事なことだった。だけども、今度は何で豊かになるかと言ったら、エネルギーをたくさん作り出して豊かになるという方法をとったんです。その結果として、いまCO2問題が出ていると。ですから、エネルギーをどうやって効率よく使って、みんなが戦争にならないようにグローバルな社会を持続可能にもっていくかというのは深刻な問題です、まじめに考えると。今、中国が日本を攻めてきてもおかしくはありません。たとえば中国のテレビを見てもらうと分かりますけど、必ず日本軍がこんな刀を持って日本軍は悪いやつだというのを毎週のようにニュースで流しています。いったんこじれると、攻められたのだから攻めてもおかしくない。そのときにどういう形で平和を保つかというと、インターネットも含めて、世界の目が、どちらが理不尽なことをやっているかという、その緊張関係のなかで世界が動いています。そういう意味では、日本は平和国家として、外交も政治も力はないと思いますが、少なくとも私が行っているカザフスタンやサウジアラビアのような新興国は、日本のように武力ではなく技術力で貢献してくれる国が、もっと正しい発言をして一緒にやってくれると、もっと安心できる国だと思うと言います。そういう方向になることは間違いないので、そういうところでいちばん力を出せるのは、実は皆さん先生だと思うのです。健康が維持できて職業があってその職業の効果として子どもたちの目が輝くような環境にいられる。先生方がいちばんハッピーな環境にいるんだろうと思いますので、ぜひ今後もこういう取り組みをしていただきたい。

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