ワークショップ開催レポート(北陸)

ワークショップの概要

開催日時 平成24年11月9日(金)11:00~14:50
会場 ホテルサンルート小松 2階 ロイヤルルーム
石川県小松市日の出町4-93
プログラム 11:00~11:05 開会挨拶
11:05~11:35 オリエンテーション
11:35~12:15 情報提供 原子力発電環境整備機構(NUMO)[3.3MB]PDFファイルが開きます。
12:15~12:45 昼食
12:45~13:25 グループディスカッション
13:25~13:35 休憩
13:35~14:20 全体シェア・Q&A
14:20~14:40 ふりかえり
14:40~14:50 おしらせ・閉会挨拶

ワークショップ当日の様子

平成24年11月9日(金)石川県小松市のホテルサンルート小松において、ご応募いただいた、小松市及び近郊にお住まいの方々(27名)にご参加いただき、第2回電気のゴミワークショップを開催しました。

冒頭、昨年3月11日に起きた福島第一原子力発電所事故について、関連事業に携わるものとしてのお詫びから始まり、『高レベル放射性廃棄物やそれを取り巻く現状を皆様に知っていただき、一緒に考えていただきたい』という趣旨説明をしました。


ワークショップでは、はじめにNUMOより、「高レベル放射性廃棄物について」「高レベル放射性廃棄物の処分方法」「火山や地震の多い日本で地層処分はできるのか」「地層処分場」「諸外国の状況」などについて、DVD映像を交えながら説明を行い、その後、参加者の皆さんが6~7人のグループとなり、今回ファシリテータとして運営協力をしていただくNPO法人あすかエネルギーフォーラムのメンバーによる議事進行のもと、活発な議論が行われました。参加者の皆さんからは、「日本は火山国なのにどこに埋めるというのか、どこへ持って行っても反対されると思う」「判断するためには、知識が必要。もっとこうした勉強会を開催して」「子供たちにはどうやって教えていくのか。学校でもっと話をしたほうが良いのではないか」「原子力が多い他の国では処分場のことをどう考えているのか」「地下を安全に掘ることはできるのか、そんなに深く掘れるのか」「高レベル放射性廃棄物がこれだけの数量が出ているなど、日常の中で『見える化』して欲しい」などの多くの質問や意見があげられました。

グループ発表

Q&A

1. 瓦礫の取り扱いはどうなるのか
ご質問の「瓦礫」というのは、福島原子力発電所事故に伴って発生した放射性物質に汚染されたもののことだと思いますが、これに関して結論から申しますと、これらはNUMOが取り扱うガラス固化体とは違うものです。「瓦礫」はその種類や放射能レベルに応じて環境省などが処分すると法律で決められていまして、例えば、焼却した後の灰でキロ当たり8000ベクレルを超えるものについては、環境省が最終処分場を設けて処分することになっています。また、焼却した後の灰以外の土壌や不燃物などについても、廃棄するものの種類や放射能レベルに応じて、国や都道府県、主には市町村が処分することになっていたと記憶していますが、いずれにしてもそれぞれ処分する主体の責任の下できちんと処分されると思います。
また発電所内の瓦礫や設備などについては、公開されているスケジュールに従って東京電力が処分していくと承知しています。
2. 子供達にはどうやって教えていくのか?学校でももっとこういう話をした方がいいのではないか
子供さんたちにどう教えるか、このことは即答できるようなことではないし、まして正解があるようなものではない難しい課題だと思っています。ですが、子供さんたちというのは将来、社会の主役になるわけで、その時には彼らが判断しなければならない立場になるのです。その判断するうえで必要な情報は、やはりきちんと伝えていかなければならないと私たちNUMOも考えています。
3. 志賀原発の放射性廃棄物(1年分)はどれくらいの期間を経て地下処分されるのか
原子力発電所から直接出る放射性廃棄物は、基本的には低レベルの放射性廃棄物ということになります。この低レベルの放射性廃棄物を簡単に言うと、例えば発電所のいわゆる放射線管理区域、放射線があるかその恐れがある区域のことですが、そこの床を拭いた紙タオルですとか、作業服ですとか、そういったものを燃やしたり、圧縮したりして量を減らした後、200Lのドラム缶に詰めたもので、含まれる放射性物質の量もごくわずかなものです。こうしたドラム缶が、例えば百数十万キロワットの出力がある志賀原子力発電所の2号機を動かすと、大ざっぱに言うと1年間で1000本位発生します。これらは一旦、発電所の貯蔵庫で保管されますが、年にだいたい2回から3回、発電所から青森県の六ヶ所村の方に船で輸送しまして、六ヶ所村の低レベル放射性廃棄物埋設センターというところに埋めて処分しています。どのくらいの期間がたったらということですが、発電所の貯蔵庫の容量(志賀原子力発電所では1万本)や貯蔵庫の運用方法、受け入れ先(日本原燃(株))との契約にもよりますが、それほど長期間ということではなく、順次埋めているという状況だと思います。
以上が発電所から直接出る廃棄物ということになるわけですが、一方で直接ではないけれども発電所の運転に伴って発生する廃棄物があるのです。これが高レベル放射性廃棄物、ガラス固化体です。発電所で使い終わった燃料は、一旦発電所内にある使用済燃料プールで数年間保管します。その後、発電所から使用済燃料を輸送用の容器に入れて運び出し、これまでは海外に運んで再処理していましたが、今後は国内で再処理を行おうと工場を建設している青森県の六ヶ所村の方に輸送されます。そして、そこで再処理する際に廃液とガラスと混ぜ合わせてガラス固化体という形にしたものが高レベル放射性廃棄物、放射能レベルの高い廃棄物となるわけです。発電所から運び出す時は燃料の形ですので、発電所を見学したことのある皆さんであってもなかなか実感がもてないと思いますが、例えば志賀原子力発電所の2号機を1年間動かすと、ガラス固化体にしてだいたい30本の放射性廃棄物が生じると考えてみてください。こうしたガラス固化体は再処理工場に隣接した貯蔵センター(高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター)で30年から50年の間、空冷で冷却貯蔵した上で、今私どもNUMOが一生懸命探そうとしている最終処分場へ地層処分する、という流れです。
4. 停止していても原発の廃棄物は増えるのか
例えば、清掃などに使う紙タオルなどは発電所が動いていなくても必要ですから、厳密に考えると低レベルの廃棄物は若干発生すると思います。ですが総じて言えば、簡単な話で動かさなければ増えることはありません。
5. 六ヶ所村の人、いわゆる青森の人は高レベルを置いているのを了解しているのか
いろいろなお気持ちやお考えを持つ方というのは当然いると思います。ただ現状としては、ご理解をいただき、受け入れていただいていると考えています。
6. 日本中活断層だらけという中で、最終処分場に適している場所が日本にたくさんあるのか
たくさんあるかどうかはわかりません。それは調べてみないとなんとも言えないことです。ただ、日本中活断層だらけで適地はないだろうというお話、これはよく言われるのですが、我々はできると思っています。それはなぜかというと、慎重な三段階の調査、実際に地下に調査施設も作って活断層の有無をしっかり確認するわけですし、科学と技術でこれをきちんと避けることができると我々は自信を持っています。こうした意味からすれば、適した場所がたくさんかどうかはわからないけれども、必ずある。なんとかご理解をいただいて、適した場所に最終処分場を建設したいというのが我々NUMOの考えです。
7. 公募に応募している町は何か所かあるのか
今のところありません。もしかしたら過去には一度、高知県の東洋町というところが手を挙げかけたということをご存じかもしれません。しかし残念なことですが、町長選挙など地元の政治的な動きもあってすぐに応募取り下げとなり、それ以降、応募をいただいた例はありません。
8. 原子力発電が多いフランスの国民は高レベル処分場のことを考えてないのか
処分場建設に向けた動きではフランスは日本より進んでいます。フランスではもう建設候補区域での精密調査の段階に入っていますので、そうした意味では、フランスは着実に段階を踏んでいると言えるのではないでしょうか。
9. 公募という方式では無理だと思うのですが今後見通しはあるのでしょうか、言うだけなら誰でもできる
私たちNUMOは、自治体の主体性を尊重していかなければ、100年以上におよぶ地層処分事業を進めることはできないと考え、公募という方式を取っていますので、そういう意味からすると見通しはないとしか言えません。しかし、これは強調させて頂きますが、必ずできると思っています。なぜそんなことが言えるのか、不思議に感じる方もいると思います。
ここで環境問題に関する話なのですが、逆に皆さんにお聞きします。皆さんが生活をされていて、自宅から残飯とか紙くずといったいろいろな生活ゴミが出ると思います。それでは全国で一日当たりどれ位の量のゴミが出ると思いますか…。実は約13万トン。2トントラックに積むと6万5000台。これが国内全体の生活ゴミとは言え、たった一日分の量です。それから次、家族の方や、もしかしたら皆さん自身がそうかもしれませんが、いろいろなところで働いています。そこから出るゴミは産業廃棄物と呼ばれますが、これはどれだけ出ると思いますか…。生活ゴミと比べるとピンと来ないかもしれませんが、日本国中の産業廃棄物では1日にだいたい111万トンになります。2トントラックにしたら、およそ56万台分。
ここで放射性廃棄物の話に戻りますが、一日で何トンになると思いますか…。正解は1.4トン。2トントラック1台分にもなりません。三つの数字を見てどう感じますか…。皆さんの日常から出る13万トンにもおよぶ生活ゴミ、そしてその10倍近い量の産業廃棄物を今日本のどこかに処分して、環境に負荷を与えながら私たちは生活をしているわけです。1日当たり1.4トンとごくごく限られた量ではありますが、一方でガラス固化体は放射能レベルが高く危険性を持った廃棄物です。しかし、量が少なければ管理が容易ですし、処分しても環境への負荷はごくごく小さくて済みます。こうした理由に加え、慎重な調査を行い、科学や技術を結集することで、きちんと処分できると、私たちNUMOは考えています。そして、こうした考え方は本日のワークショップなどのような機会にきちんと説明させていただければ、必ず皆さんからの理解を得られるものと考えています。
ですから、必ず処分場は見つけることができる。NUMOはそう考えます。
10. 地下を安全に掘ることは出来るのか、そんなに深く掘れるのか
掘ることができます。地下を掘って設置される施設、それは既に私たちの身の廻りにあって、地層処分場が初めてというものではありません。例えば、鉱山や高い山を貫くトンネルですとか、青函トンネル、あるいはフランスとイギリスとを繋ぐユーロトンネルも日本の技術で作られたものです。また、岐阜県の瑞浪市や北海道の幌延町では実際に地下深くまで掘って深い地層の研究をしている施設もあります。
11. ガラス固化体1個で電気の廃棄物何人分の処理ができるのでしょうか
1000人分くらいになるかと思います。人生80年として、使われる電気の半分を原子力によって発電されると考えた場合、生涯で発生する高レベル放射性廃棄物の一人当たりの量は大体ゴルフボール3個分、150CC位となります。それでガラス固化体の容積が150リットル、150,000CCですので、おおまかに言うと1000人分くらいとなるわけです。
12. 今、日本にガラス固化体はどれくらいあるのか
昨年末の段階で国内にはガラス固化体になっているものが1780本あります。これにそれぞれの原子力発電所などに保管されている使用済燃料を全部再処理した時に生じるガラス固化体の数に換算したものと合わせると24,700本分くらい、国内にあることになります。
13. 志賀原発にはどれくらいの量のガラス固化体があるのか
ガラス固化体の形になるのは再処理をする時ですから志賀原子力発電所にはガラス固化体はありませんので誤解しないでください。ですから志賀原子力発電所を運転するとどれくらいガラス固化体を生じさせることになるか、ということでお話ししますと、100万kW級の発電所を1年間動かしますと大体30本くらいガラス固化体が出る計算になります。志賀原子力発電所の1号機が50万kW級で2号機が100万kW級ですから、一年間で40~50本くらいのガラス固化体が出ることになります。それから1号機が運転を開始してからおよそ20年、2号機で5年くらいですから、通算すると400~500本くらいという計算になります。
14. 使用済燃料の5%が放射性廃棄物になるというのは世界の基準と一緒か
諸外国が処分を行う対象、形ということで考えると、再処理をしてガラス固化体の形で処分するのは、イギリス、フランスといった国々です。一方、フィンランドとかスウェーデンといった国は使用済燃料そのものを埋めて処分することにしています。日本はエネルギー資源がないから大事に使いましょうということで95%を再利用するために再処理を行うのですが、実は、再処理というのは原爆の材料であるプルトニウムを取り出す技術でもあるのです。イギリス、フランスはいわゆる核保有国で、アメリカも軍用目的で再処理したものはガラス固化体の形で処分しますし、民生用に供したものは使用済燃料の形のまま処分することになっています。反対に使用済燃料の形で処分する理由として、ウラン資源を豊富に持っているとか、国内に原子力発電所が少ないため使用済燃料の発生量が少なく、再処理を行うメリットが無いですとか、それぞれの国の事情に違いはありますが、平和利用のために再処理することを世界の国々から認められているのは、世界の中で唯一、我が国、日本だけだということは話しておきたいと思います。
15. 世界的に原発を減らす傾向にあるのに、なぜ日本は原発を推進するのか
石油とか石炭とかいった資源には限りがあります。そしてこうした化石燃料は燃やせば燃やしただけ、二酸化炭素が出ます。風力や太陽光発電は二酸化炭素を出しませんが、文字通り風まかせ、夜や雨の日などは発電が出来ません。大きな電力を得るには、ものすごく広大な面積を必要とします。こうしたことに加えて経済性というようなものまで考えると、今のところ原子力発電が選択されているということなのではないでしょうか。また、世界的に原子力発電を減らす傾向ということですが、必ずしも一方向の流れだけではありません。インド、中国といった国々では今後も新たに原子力発電所を建設していくと聞いています。
16. なぜ最初に廃棄物処理の問題を考えなかったのか
廃棄物が出てくることは、原子力発電所を作る前からわかっていたことです。この廃棄物をどう処理をして、処分しなければならないかということは、世界中の人たちが1950年代、それこそ世界で初めて原子力発電所が作られた頃から議論されてきました。この議論や研究の過程で、宇宙とか海底といったいろいろな方法が検討されてきたわけで、こうした議論の結果、長期に人間の生活環境から放射性物質を隔離することを考えると、安定した深い地面の下に埋める地層処分という方法が、世界で共通した考え方となったわけです。
17. 長いスパンの中で深い300mの地層が地上に上がってきたらどうするの
質問は隆起や浸食ということに関するものだと思いますが、こうしたものはきちんと調査をすれば判ることですし、活動の盛んなところは処分場として選定しないことになっています。
なお、300mという数字ですが、これは300mより深いところに処分しなさいという最低限度として法律に定められている数字です。実際に処分場が作られる深さはその場所場所によって異なる安定した岩盤が選ばれることになりますので、300mという数字は最低限度だということ以外に特別な意味を持つものではありません。
18. 人間で扱えないゴミなのではないか
人間の生活環境、皆さんのすぐ横にあったとしても特別な害を及ぼさないようになるまでには万年単位の長い時間がかかるとお話ししました。そういう意味では、おっしゃるとおり、人間の手で扱えないものと言えます。ですけれども、現実にあるゴミは何とかしなければなりません。だからこそ、人間の管理を必要としない地層処分という、もともと自然の持つ「ものを閉じ込める力」を利用する方法が国際的な議論や研究の末に選ばれたのです。

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