ワークショップ開催レポート(関西)

ワークショップの概要

開催日時 平成25年1月23日(水)13:30~16:30
会場 リーガロイヤルNCB 3階 楓
大阪府大阪市北区中之島6-2-27(中之島センタービル内)
プログラム 13:30~13:37 開会挨拶
13:37~11:47 オリエンテーション
13:47~14:05 情報提供 原子力発電環境整備機構(NUMO)[2.2MB]PDFファイルが開きます。
14:05~15:10 講演 杤山 修氏
公益財団法人原子力安全研究協会
放射線・廃棄物安全研究所所長[3.6MB]PDFファイルが開きます。
15:10~15:20 休憩
15:20~15:50 グループディスカッション
15:50~16:15 全体シェア・Q&A
16:15~16:25 ふりかえり
16:25~16:30 おしらせ・閉会挨拶

ワークショップ当日の様子

平成25年1月23日(水)大阪府大阪市のリーガロイヤルNCB 3階 楓において、ご応募いただいた方々(28名)にご参加いただき、第5回電気のゴミワークショップを開催しました。冒頭、一昨年3月11日に起きた福島第一原子力発電所事故について、関連事業に携わるものとしてのお詫びから始まり、『高レベル放射性廃棄物やそれを取り巻く現状を皆様に知っていただき、一緒に考えていただきたい』という趣旨説明をしました。


ワークショップでは、はじめにNUMOより、「高レベル放射性廃棄物について」「高レベル放射性廃棄物の処分方法」「火山や地震の多い日本で地層処分はできるのか」「地層処分場」「諸外国の状況」などについて、DVD映像を交えながら説明を行い、続いて公益財団法人 原子力安全研究協会 放射線・廃棄物安全研究所 杤山修所長から「放射性廃棄物の地層処分を考える」と題して講演いただきました。その後、参加者の皆さんが5~6人のグループに分かれ、今回ファシリテータとして運営協力をしていただいたNPO法人あすかエネルギーフォーラムのメンバーによる議事進行のもと、活発な議論が行われました。参加者の皆さんからは、「NUMOは、福島の瓦礫処理の問題をどう考えているのか」「処分埋設の深さが300~500mだと浅く感じる。地表から出てこないのか」「処分費用3兆円は国民が負担しているそうだが、予算は甘く見積もっていないか」「処分地の決定を知事や市町村長に委ねてもよいのか」「日本は地震大国だが、絶対安全な候補地はあるのか」などの多くの質問や意見があげられました。

グループ発表

Q&A

1. NUMOは、福島の瓦礫処理の問題をどう考えているのか?
ご質問の「瓦礫」に関してはNUMOが取り扱うガラス固化体とは違うものなので直接的なコメントはできませんが、ガラス固化体と同様、どこかに処分しなければならないということについては、国民の皆さまのお気持ちのなかにも共通したものがあると思います。また、瓦礫だけでなく焼却した後の灰や土壌や不燃物なども、廃棄するものの種類や放射能レベルに応じて、国や都道府県、主には市町村が処分することになっていますので、国が中心となってしっかりとその必要性を説明すれば、より多くの方に理解をしていただけると考えます。
こうした点から考えますとワークショップも皆さまにしっかりと説明させていただくのに良い方法だと思いますし、それ以外にもさまざまな方法で、国民の皆さまへ情報を伝えていたきたいと考えています。

【杤山先生からのコメント】~当日はご講演いただいた杤山先生にも参加者からの質問にお答えいただきました~
我々人間はいろいろなことをやりますが、必ず失敗をして事故を起こしたりします。そのときに、事故を起こした人に対してけしからんことをしたと言って恨んで、その人たちを罰しようとします。原子力は国民全部がそれを利用していて、そこで技術者が失敗して全部技術者が悪いとして罰するというのは、過ちを繰り返されないためにはいいかもしれないですが、前向きじゃないですよね。大切なのは次に失敗しないようにするためにはどうすれば良いかと考えることだと思います。
2. 瓦礫や放射能について、わかりやすく国民に知らせてくれるような活動を広めていって欲しい。
ご指摘の広報活動については、NUMOも一番重要なことだと考えています。東日本大震災以降、いろいろな広報を控えた時期もありましたが、今後はしっかりと皆さんにメッセージが届くように取り組んでいかなくてはいけないと思います。一方で、皆さんがどういう情報を必要としているのか、どういったご説明をすればご理解いただけるのかということについてはNUMOとしても手探りの状態です。こうしたワークショップで皆さんからいただいているご意見は、まさにひとつの回答だと思っています。これからもいろいろな場面で広くご意見をいただいて、NUMOの広報活動に反映させていきたいと考えます。
3. 被災地の方の思いはどうなるのか?
【杤山先生からのコメント】
国民全体が利益を得ようとして原子力をやってきました。そこで一部の人、福島の皆さんが被災したわけですから、自分たちに何ができるのかを考え、国民全体が責任を持って、こうしたことを風化させることなく対処していきましょう、瓦礫くらいは引き受けて協力しましょうというのが当たり前の姿です。皆さんにもいろいろなところで意見を言っていただいて、前向きのいい社会を作っていきましょう。
4. 埋設処分の深さが300~500mだと浅く感じる。地表から出てこないのか?
【杤山先生からのコメント】
今、原子力発電所の敷地内の活断層の問題が取り上げられていますが、怖いのは施設が地表にあるということです。地下は震源に近いから、地表よりも揺れると思われるかもしれませんが、全体が動くことはあってもほとんど揺れません。処分施設建設地の選定にあたってNUMOは、文献調査、概要調査、精密調査を行いますが、それでも見落とすことがあるかもしれない。ですから、もしも活断層を見落としたらどうなるかということも考え、そうした場合に対する実験もしています。実物の1/4くらいの大きさの模型を地下に置いて、そこに活断層と同じような力を加えるとどうなるかという実験です。そうすると廃棄体がコロッと転がるだけで、それがつぶれて何かが出てくるということはほとんど起こらない。300mというのは、地表のように酸素がいっぱいあるような激しい環境と違って、大昔のような地下での生物の活動が何もなかった頃と同じように安定しています。一般論では深い方が良いと言えますが、深くすればするほど地温の影響で温度が上がってきます。また、より深くトンネルを掘ると、トンネル自体が安定した空洞を保てないということも起こります。堆積岩ですと、コンクリートで四方を固めても、500mぐらいが精いっぱいで、花崗岩系ではもう少し硬いので、1000mくらいまで掘ることは可能です。法律では「300メートル以上の深さの地層に」とされていますが、実際には500mとか1000m位の深さでコントロールできるところに処分場が作られることになるのではと考えています。
5. 処分費用3兆円は国民が負担しているそうだが、予算は甘く見積もっていないか?
ガラス固化体4万本程度を処分するのにだいたい3兆円というお金がかかると試算されていまして、積み立てる予定です。NUMOはこの費用を各電力会社などから原子力発電の利用状況に応じて拠出金として徴収しています。そして、電力会社は電気料金の一部として、一家庭あたり一月20円程度を負担いただいているといった具合です。非常に大きな金額ですから、NUMO自身がそのお金を自由に使うのではなく、原子力環境整備促進資金管理センターという外部の機関に積立て、国の承認のもとで大切に使って事業を着実に進めていきます。
建設から埋め終わるまで100年かかる事業ですから、追加で何かを検討しなければならないこともあるかもしれません。逆に技術開発が進んでもっと費用を抑えられることもあるかもしれません。
いずれにしましても、安全とコスト管理の両方を大切にして、今以上の負担をかけることがないように取り組んでまいります。

【杤山先生からのコメント】
処分費用は、今一生懸命積み立てています。これまでは原子力発電所にある50数基で、その発電量に応じて払ってもらっていました。現在では9千億円くらい集まっていますが、今後、原子力を使わなくなると、お金が入ってこないことになります。そうすると、少ない本数の処分を少ないお金でやらなくてはいけません。4万本の処分を3兆円でやりましょうと言っていますが、3万本でも、2万本でも、同じくらいのお金がかかります。しかし、お金は入ってこない。これは国がこれから一生懸命考えないといけない問題です。
6. 1本のガラス固化体に、燃料集合体が何本分納められるのか?
【杤山先生からのコメント】
燃料集合体は、沸騰水型と加圧水型の原子炉で形も本数も違います。また、段々改良されていろいろな形になっていますので、一概にガラス固化体一本が燃料集合体何本分とは言えません。核分裂生成物、これが本当の廃棄物の正体ですが、大体ウラン1トン当たり50キログラムぐらい生じます。それを再処理するときに、ガラス固化体1本当たり40キログラムぐらいになるように調整しています。大まかに言うと使用済燃料数体からガラス固化体が1本できることになります。
7. 最終処分地として、離島・炭鉱跡地・火星は考えられないか?
【杤山先生からのコメント】
火星はちょっと難しいですね。資源があるところはまだ掘る可能性があるので炭鉱の跡地といっても難しいです。一方で離島は可能性があると思います。海底下への処分は禁止されていますが、自国の島の沿岸に処分施設を作り、そこから海底下を掘り進めれば地層処分は可能です。海底下の地層では地下水の流れは非常に遅く、安定しているので、沿岸の海底下というのは、地層処分場を作ることができる場所のひとつです。
8. 専門家と非専門家のコミュニケーションは可能なのか?また、専門家を信頼できるのか?
【杤山先生からのコメント】
非常に重要な問題です。私たちは、研究して分かったことを一生懸命説明するのですが、そのときに一般の皆さんに信用してもらえなかったらアウトです。ところが実際のところ、最初からもうお前らは敵だと思っている人がいるわけです。そうすると、どうやっても、何をお話ししても聞いてもらえないわけです。初めから聞いてもらえないですから、話が通じないということでコミュニケーションは難しいということです。
みんなの将来を良くしたいといった目指すところは賛成派でも反対派でも一緒だろうから、どちらを選んだらより目標の実現に近づくのか、という考え方を共有しないと話は進んでいきません。
それに専門家でも話の全部が確実というわけではありません。そうなると聞いている一般の方はもっとわからない。その中でやる話ですから、不信の心、好き嫌い、感情、憎しみなどが入ってくると、話はどうしようもなくなり、それぞれがお互いに相容れない考えに囚われてしまいますから、ついには決裂してしまうことになるのではないでしょうか。
9. 100年かかる事業だというが、100年間政策が変わらない保証はあるのか?
【杤山先生からのコメント】
100年間政策が変わらないとは断言できません。しかし高レベル放射性廃棄物の処分は、国民全部が抱えている問題です。問題を解決するのには先ずは技術者が関わることになりますが、最終的に処分方法を決定するのは国民全部です。そのときに代表になるのが政治家であり、国です。それを信頼できないというのでは、どうしようもない話です。分業が進んだ社会では、お互いに信頼しないで疑いあってしまうという状況に陥りがちですが、最後まで社会が壊れないというのは、まだ信用している部分があるからです。そこをきちんと整理して、議論をしなければいけない。信頼を壊すかもしれないような問題はたくさんあるにせよ、最後はお互いが信頼関係を作って前向きにやりましょうと。そういうものを目指すというのが大事だと思います。
10. 処分地の決定を知事や市町村長に委ねてもよいのか?
地方自治体の首長は、地元の住民の方の意見を尊重するのでしょうから、知事や市町村長さんが独断で決めるということは、本来はあってはいけないと思います。2007年に高知県東洋町で、処分場の話が出た時に、当時の知事さんが強硬に反対されて、話自体がなくなったことがあります。この時は地層処分の議論がなされていないところにいきなり降ってわいたようにこの話が出てきて、予備知識を持たない方々が非常にご心配をされ、それを知事さんがおもんばかって反対したのだと思います。NUMOでは、いつか日本のどこかでこの話が具体的に出てきたとき、冷静に議論していただけるように、日本全国で、本日皆さんにご参加いただいているようなワークショップなどといった広報活動を行い、情報の提供に努めていきます。
11. 日本は地震大国だが、地層が動かない場所、絶対安全な候補地はあるのか?
日本全国どこを探しても地震がない場所というのはありません。しかし、自身の揺れというのは、一般的に地下深くになると地表に比べて小さくなることが判っています。また、埋められたガラス固化体はまわりの岩盤と一緒になって動くので、地震による影響はほとんど無いと考えています。
一方、火山についてはスライドにもあったように、それが集中する地域と逆に無い地域があり、火山のある地域についてお話しすると、その面積は日本の国土の約2割程度といったところです。そして新しい火山ができる可能性についても、火山発生のメカニズムといったものが判ってきています。ですから、こうした火山の影響を受ける可能性がある場所を避けて処分場の候補地を見つけることは十分可能だと考えています。もちろん、候補地がでてきたら、文献調査やボーリング調査などを行って、本当にその場所が地層処分に適しているのかどうかをしっかり調べます。その過程で、技術的に問題があれば、せっかく手を挙げていただいたところでもここから先の調査はできませんということになるのです。
また、地層処分は施設の建設(10年程度)や操業(50年程度)、閉鎖に至るまで数十年を要する事業ですので、その間に、大きな地震があるかもしれません。NUMOではそういったことも考えて、技術開発や研究を行っています。
昔はなかった活断層が最近になって見つかったということもありますが、地質の調査は時間とともに新しい知見が得られます。NUMOでは今後も調査や研究を重ね、地層処分に取り組んでまいります。
【アンケートにて寄せられたご質問】
NUMOは公募を始めて何年経つのか
公募は2002年12月から開始しており、まる10年経過しています。
【アンケートにて寄せられたご質問】
公募に応募するところが無いのなら、NUMOから申込をしたら良いのではないか
地層処分事業は候補地に関する適性調査から始まり、施設の建設、操業、そして処分 場の閉鎖に至るまで、およそ100年に及ぶもので、その間、事業を受け入れていただいた地域のみなさまと共に歩んでいく事業になります。このためNUMOは、地域のみなさまの自主性を尊重することが大切であると考え、公募という方法を採用しております。なお、2007年からは「国」が地域の意向を尊重しつつ、調査実施の申し入れを行うことができるようになりました。NUMOは、今後も従来の公募と国からの申し入れの両方の方法を用いて、国や電気事業者などとも連携しつつ、一日も早く文献調査が実現できるように努力を続けて参ります。

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