ワークショップ開催レポート(関東)

ワークショップの概要

開催日時 2012年12月8日(土)13:30~16:30
会場 十文字学園女子大学 10号館 1039教室
プログラム 13:30~13:35 開会挨拶
13:35~14:00 オリエンテーション
14:00~14:10 エネルギークイズ
14:10~14:35 情報提供 原子力発電環境整備機構(NUMO)[3.4MB]PDFファイルが開きます。
14:35~15:20 グループディスカッション
15:20~15:30 休憩
15:30~16:00 全体シェア・Q&A
16:00~16:15 ふりかえり
16:15~16:30 おしらせ・閉会挨拶

ワークショップ当日の様子

平成24年12月8日(土)埼玉県新座市の十文字学園女子大学10号館において、ご応募いただいた、十文字学園女子大学を中心とした学生の方々(22名)にご参加いただき、第4回電気のゴミワークショップを開催しました。冒頭、昨年3月11日に起きた福島第一原子力発電所事故について、関連事業に携わるものとしてのお詫びをのべた後、『高レベル放射性廃棄物やそれを取り巻く現状を皆様に知っていただき、一緒に考えていただきたい』という趣旨説明をしました。

ワークショップでは、はじめにNUMOより、「高レベル放射性廃棄物について」「高レベル放射性廃棄物の処分方法」「火山や地震の多い日本で地層処分はできるのか」「地層処分場」「諸外国の状況」などについて、DVD映像を交えながら説明を行い、その後、参加者の皆さんが5~6人のグループとなり、今回ファシリテータとして運営協力をしていただくNPO法人あすかエネルギーフォーラムのメンバーによる議事進行のもと、活発な議論が行われました。参加者の皆さんからは、「どうして日本の取り組みがこんなに遅いのか」「原子力を使い続けると今後もどんどん廃棄物が増えると思うが、地層処分をする場所が無くなったらどうなるのか」「応募した地域にメリットがあるのか」「技術の発達は感じたが、本当に候補地が決まるのだろうか。決まったとしても住民の同意を得られるのか」「地下深くに埋めるが、地面が隆起するとか地面だって動くことがあるので、もしかしたらガラス固化体が地表に出てくる可能性はないのか。本当に大丈夫なのか」などの多くの質問や意見が出されました。

グループ発表

Q&A

1. 地層処分の技術が発達してきたことは感じたが、実際に処分場の候補地が決まるのか。決まったとしても住民の同意が得られるのか
技術の発達が即、候補地決定に繋がるものだとは考えていません。そのためには三段階の調査、ひとつひとつの手順を踏んで、その結果を皆さんにその都度、きちんと説明していくことが必要だと思います。また、調査をしている最中においても私どもNUMOの基本的な考え方や地層処分事業に関する情報を皆さんに丁寧にお話しさせていただくことで、候補地は定まっていくものだと考えています。
2. 地下深く埋めると言っても地面が盛り上がったらどうなるのか
質問は隆起や侵食についてのことですね。その土地が地層処分に適した場所であるかは期間をかけて三段階の調査をしっかり行い、最後は実際に穴を掘り慎重にさまざまな調査を行うことで判断できると考えています。調査を行うにあたっては、例えば火山がないところや活断層がないところ、そして、質問にあったような地面が盛り上がらないところなど様々な条件を検討し、なおかつ段階的に細かな調査を行い、そうした心配があるところを避けると同時に地質が地層処分するのに適した安定している場所を探して、そこに処分場を建設することになります。
一方、調査の各段階で、その場所の評価を行い、技術的に不適と判断した場合には、次の段階には進みません。そして、新しい適地を探すということを繰り返すことによって地層処分を行うのに最適な場所を見つけていくという作業を行っていきます。
要するに最新の技術と調査プロセスを慎重に進めることで、例えば地面が盛りあがるような不適切な土地は避けることができ、適切な場所を見つけることができるということです。
3. 処分場を終えて、埋めて更地にした時に、人間の管理が失われて問題になるのではないか。また埋まっていることを将来の人は気がつかないのではないか
地層処分事業は建設地選定のための三段階の調査から、施設を建設し、高レベル放射性廃棄物を埋めて、地下施設、地上施設を閉鎖するまで、100年以上の長期にわたる事業ですし、放射能が残る万年単位の時間を考えると、施設を閉鎖した後がどうなるのかと心配することは当然のことだと思います。管理ということについてお話ししますと、技術的には閉鎖後の管理というものは不要です。それが国際的な議論のなかで地層処分が選択されてきた理由でもあるわけですが、一方で皆さんの不安も当然のことだと思いますので、例えば掘り返されたりしないよう自然公園みたいなものをつくるといった跡地の利用方法、それからモニタリングというようなことについては地域の皆さんと相談しながら決めることになると考えています。
次に忘れ去られることは無いのかという心配についてですが、国が埋められた場所などの情報を永久に保管する義務を負うことが法律によって定められていて、きちんと次世代に引き継がれていくことになります。さらに日本という国が、数万年後に存在するかどうかもわかりませんから、例えばセラミックなどの素材に刻印するとか、モニュメントを建てるといった記録を残していく方法についても研究が進められています。
4. 日本は諸外国に比べて、どうして地層処分場決定の進捗が遅いのか
1950年代から地層処分の懸念が提示され、国際的に議論がされはじめました。スウェーデン、フィンランドは国民的な議論や調査などの着手が早かったので先行しています。しかし、これらの国もすぐに地層処分する場所が決まったということではなく、やはり20~30年の時間を経て、自国で処分できるかをまず決め、それからさらに場所の選定に相応の時間をかけて決まってきたのです。そうした意味において、日本ではNUMOが設立し12年ですので、他国に比べて日本の進捗が特に遅いとか、決して遅れているというわけではありません。
5. 地層処分の安全性は確保できるのか
三つの段階を踏んだ調査をきちんと行うことで技術的に不適当な場所やその範囲を見つけ出し、そうした危険な場所を避けるとともに、その場その場にあった設計や技術を駆使していくことで安全性は確保できると考えています。
6. 4万本もの高レベル放射性廃棄物を地層処分できる場所があるのか
4万本埋められる場所があるのか、また、それはどこかというのは調査をしてみなければわかりませんが、「地層処分できる場所は必ず国内にある」とNUMOは考えています。
7. 原子力を使い続けると今後もどんどん廃棄物が増えると思うが、地層処分をする場所が無くなったらどうなるのか
私どもNUMOは、4万本以上の高レベル放射性廃棄物を地層処分できる処分場を作ることになっています。今、原子力発電を何年後にゼロにするとか、減らすとか、現状維持というような国のエネルギー政策について、議論がされている最中ですけれども、仮に従来のペースで原子力発電を使い続けると、2021年ごろには、4万本程度のガラス固化体が生じることになります。
しかし、質問のような問題については、今後皆さんも含めた国民全体で原子力発電の比率というようなこととあわせて議論していくことだと思います。
ちなみに先ほどの質問に対する回答のなかで、日本で地層処分に適した場所は必ずあると思うと言いましたが、そうした場所は1箇所に限らず少なからずあると思います。
8. 地下の深部で金属の腐食は極めてゆっくりとしか進まないということだが、極めてゆっくりというのは、錆びるという意味ではないか。また鉄は、酸素がない環境ではほとんど腐食しないってことだが、ほとんどということは、腐食するのではないか
金属の腐食については、国の研究機関などで実験をしていて、オーバーパックの設計で言うと、最大で見積もって1000年間で3cm程度、容器の外側の金属が溶けると想定しています。ただこれは実験での話であり、次々と新鮮な水がオーバーパックに接触し続けるという条件のもとで3cm程度腐食するだろうということです。これを表現するときに、“極めてゆっくり”という言葉を使っています。
一方、実際に地下の環境を考えると、水は確かにありますのでご指摘のとおり「溶けない」とまでは言えません。しかし、その水自体が次々と交換されるような状況にはありませんので、溶けたとしても実験から想定される腐食スピードより遅くなること、ある程度溶けた後は飽和状態になってそれ以上溶けなくなることは考えられます。こうした理由から、極めてゆっくりと表現しています。
また、酸素が無ければ鉄は腐食しません。ですから“酸素がほとんどない深い地下では、鉄もほとんど腐食しない”と言えるのです。
9. 処分施設が地下300mでは浅いのではないか
この300mというのは法律によって決められた、あくまでも最低というか最も浅い場合を示す数字で、これより深いところという意味でしかありません。地中深く掘る技術自体はあるのですから、実際には500mとか、700mといった深さの場所に施設が作られることになると思います。大切なことは施設を建設する場所において、300メートルより深くという条件をクリアしたうえで、どの位深いところに地層処分に適した安定した岩盤があるのかということであって、それが施設を建設する深さを決めることになります。
10. 応募した地域にメリットはあるのか
国の制度になりますが、交付金というものがあります。ただ誤解していただきたくないのですけれども、交付金はその地域にとってはメリットと考えることができるかもしれませんが、交付金自体を、皆さんに手を挙げていただくための、言葉は悪いですが、“エサ” というように捉えて欲しくありません。地層処分場は皆さんが原子力発電から得た電気を使うことで生じる廃棄物を集めて処分するためのものですから、日本国中の皆さんが電気の便益を受け取ったその見返りとして、電気のゴミの処分場を引き受けていただいた地域への感謝と言ったらキレイな言い方かもしれませんが、そういう気持ちを表すものとして、この交付金というものを捉えていただければと思います。
また、NUMOとしてはこの事業を引き受けてくれた地域が、寂れてしまったということになれば、それはとっても悲しいことだと思います。その地域が栄える方策のお手伝いをNUMOはしたいと考えています。それはお金に限らず、その地域の人達が本当に必要と思うもの、例えばそれは病院かもしれませんし、学校かもしれませんし、あるいはそういう施設というものではなく、何か研究会的なものを立ち上げるというようなソフト面からの支援かもしれません。そうしたことを地域の皆さんと一緒に私どもNUMOも考えて、その地域の真の繁栄につなげていきたいと考えています。
11. 高レベル放射性廃棄物は埋めたままでいいのか
地層処分することの利点を簡単に言うと、技術的には人間の管理を必要とせず、そのままの状態で、あとは自然が持つ性質に委ねられるということです。ただ、それでは心配だという方もいると思いますので、処分場閉鎖の際までにその後どうするのか、例えばしばらくの間、モニタリングをすることなどについて、地域の皆さんと相談し、決めていくことになります。

トップページへ戻る

ページのトップへ