ワークショップ開催レポート(沖縄)

ワークショップの概要

開催日時 2013年2月10日(日)13:10~16:40
会場 琉球大学 千原キャンパス内 研究交流施設・50周年記念館
沖縄県中頭郡西原町字千原1番地
プログラム 13:10~13:15 開会挨拶
13:15~13:30 オリエンテーション
13:30~14:15 アイスブレイク
14:15~14:45 情報提供 原子力発電環境整備機構(NUMO)[3.5MB]PDFファイルが開きます。
14:45~14:55 休憩
14:55~15:45 グループディスカッション
15:45~16:20 全体シェア・Q&A
16:20~16:30 ふりかえり
16:30~16:40 おしらせ・閉会挨拶

ワークショップ当日の様子

平成25年2月10日(日)沖縄県中頭郡の琉球大学において、ご応募いただいた、県内の学生や教職員の方々(20名)にご参加いただき、第8回電気のゴミワークショップを開催しました。

冒頭、一昨年の3月11日に起きた福島第一原子力発電所の事故について、関連事業に携わるものとしてのお詫びから始まり、『高レベル放射性廃棄物やそれを取り巻く現状を皆様に知っていただき、一緒に考えていただきたい』という趣旨説明をしました。

ワークショップでは、はじめにNUMOより、「高レベル放射性廃棄物について」「高レベル放射性廃棄物の処分方法」「火山や地震の多い日本で地層処分はできるのか」「地層処分場」「諸外国の状況」などについて、DVD映像を交えながら説明を行い、その後、参加者の皆さんが6~7人のグループに分かれ、今回ファシリテータとして運営協力をしていただいたNPO法人あすかエネルギーフォーラムのメンバーによる議事進行のもと、活発な議論が行われました。参加者の皆さんからは、「高レベル放射性廃棄物はエネルギーを持っているので再利用できるのではないか。できれば再利用してほしい」「処分場がいっぱいになったら別の場所に新しい施設を建設するのか」「処分する深さ300メートルの決め方は」「地震対策は万全なのか、本当に安全なのか」「他の処分方法はないのか」などの多くの質問や意見があげられました。

グループ発表

Q&A

1. 諸外国の地層処分の進捗状況・実績はどうか
諸外国で進んでいる国はスウェーデン、フィンランドで既に処分場の建設に入る段階になっています。アメリカはオバマ政権になってから白紙のところから考えましょうということで計画を見直しているところと聞いています。
2. 高レベル放射性廃棄物は人類が扱ったことがないので、これからいろいろな問題が出てくるのではないか
ご指摘のとおり、高レベル放射性廃棄物の処分を人類は行ったことがありません。我々日本は、先行しているスウェーデンやフィンランドなど、諸外国の先進的な知見を活用しながら、人はミスをするものという前提に立ち、高レベル放射性廃棄物の放射線による健康被害、生活環境への影響がないような方法で処分をする、ということを大前提に研究しています。
3. 処分費用はいくらかかるのか。費用はどこからきて、将来もまかなうことができるのか?原発を所有してない電力会社からも費用を徴収しているのか
4万本相当のガラス固化体を処分する施設としてその事業に必要な費用は3兆円を想定しています。これは、2001年から皆さんの電気料金から毎月20円程度をいただいています。ただ、原子力発電による電気をお使いいただいているエリアの方からいただいていますので、沖縄県の皆さんからはいただいていません。いただいたお金を原子力環境整備促進・資金管理センターに預け運用し、最終的に3兆円にするというのが費用に対する考え方です。
4. 地震への対策は大丈夫か
地層処分施設は数百メートル地下に作るため、地表に比べ地下は揺れが小さく、安定しています。また、埋め戻されたガラス固化体はまわりの岩盤と一体となって動くのでガラス固化体だけに大きな力が働くことはないと考えられます。しかし活断層が処分場を直撃する可能性を100%否定できないので、どの程度の影響があるのか研究しており、大きな影響を受けないことも確かめています。処分施設は活断層のある場所を避けて設置しますが、活断層があったという想定で、どれぐらいの影響があるか、それでも十分に安全性が確保できるか、ということで調査を進めています。
5. 高レベル放射性廃棄物は本当に活用できないゴミなのか
高レベル放射性廃棄物は、製造直後はまわりの状況にもよりますが280度ぐらいの温度、つまり熱エネルギーを持っています。同時に人体に影響のある高レベルな放射能を持っているというリスクがあります。たとえば放射性物質の核種変換技術のようなものがもっと進み、短時間で半減期を迎え放射能が減衰するまでの間、その熱エネルギーを活用していくという発想があってもおかしくないと思います。しかし今の我々の技術においては、ベネフィットよりもリスクのほうが大きいので、リスクをケアして処分していくという考え方です。こうしたことは学生の皆さんにぜひ将来考えていただきたいと思います。
6. 処分地として受け入れてくれる自治体はあるのか。処分地は決まっているのか
私どもNUMOは、安全に地層処分ができる所は必ずあると信じています。ただ現時点では処分場の設置どころか、その可能性調査に対しても受け入れて良いという地域はどこにもありません。2000年に法律ができ、2002年にNUMOが設立してから10年以上が経過した中で、唯一、高知県の東洋町というところが手を挙げてくださいました。町長選挙など地元の政治的な動きもあってすぐに応募取り下げとなりました。それ以外は1度も、日本国内において処分場を受け入れてもいいと言っていただいている自治体はないというのが現状です。我々NUMOはしっかりと放射性廃棄物を処分しますので、いつかその必要性や安全性に理解をいただき受け入れていただけるところがでてくるとありがたいと思っています。
7. 30年後50年後、本当に放射線は安全なのか?
放射能のレベルは、中間貯蔵を終える50年後でも4分の1程度にしか下がらないので、とても危険です。表面温度も280度から100度ぐらいにしか下がりません。ガラス固化体の製造直後は近づくと20秒ぐらいで人が死んでしまうレベルですが、50年後でも3分ぐらいで死んでしまうほど、非常に危険な状態です。ですから、人間の生活環境から数万年にわたって隔離する必要があるのです。
8. 処分する深さが300メートルの決め方は?
法律に300メートル以深にしなさいということが記載されています。これは法律の制定当時に数百メートルの地下に処分するという検討がなされていたことと、先行する諸外国でも300メートルより深い所に処分するという計画であったためこうした記載となったものです。そこで300メートルより深いところでより処分するのに適した地層を選ぶという意味で300メートル以深ということに決められています。
9. 天然バリアのメカニズムは?
まず人工バリアから簡単にご説明しますと、オーバーパックという鉄製の容器で、ある一定期間ガラス固化体が直接地下水に触れたりまったく出てこないように閉じ込めます。1000年間はしっかりと閉じ込めます。また、その外側を覆う緩衝材と呼ばれるベントナイトはオーバーパックが直接地下水に触れるのを防ぐ働きがあります。それからベントナイトと地層は同じ効果があり、正に帯電している放射性物質が、負に帯電しているところに吸着されて動かなくなり、移動を遅延させます。また、放射性物質は地下水に溶ける量に限界があり、ある一定以上になると溶けきらずに沈殿するという効果があります。そういう現象が、天然バリアの中で起こるのです。ただ、いずれは非常に少量ではありますが生活圏に到達します。それを、たとえば河川にどれぐらい出てくるか、海へどれぐらい出てくるかを想定し、いろいろな食物連鎖を経たうえで人間の体内にどれぐらい入り、どれぐらい被爆するか、というような計算をしているのです。
10. 地中に埋めた後に放射性物質が漏れ出ていないか調べているのか
地層処分は放射性物質が漏れ出てくるということを前提に、それが我々の生活環境もしくは人体に影響を与えることが無いよう放射性物質の放射能レベルが小さくなるまでの時間を稼ぐという考え方です。このため最大、最速となる状況を想定したうえで、どの位の量の放射性物質が我々の生活環境に到達するのかという研究を行っています。
11. 原子力発電は処分費用も含めて低コストだと聞いたけれど、処分費用は原子力発電を持っていない電力会社からも徴収しているのか?
原子力発電を持っていない電力会社からは、徴収していません。ですから沖縄県の皆さんからは処分費用はいただいていません。原子力発電は処分費用も含めて低コストなのかということでございますが、今まで原子力発電所が動いていたときも電気料金に組み入れられていましたので、この処分費用を入れたから今後電気料金が高くなるということはありません。
12. 管理するには可視化と制御が必要だと思う
人間が管理をしていこうと思えば、可視化と制御が当然必要になります。しかし、人間が管理していくということには限界があるというのが、我々の一つの考えです。管理をしなくても我々の生活環境に影響がないようにするにはどうしたらよいか、ということの一つの選択肢が、地層処分です。今、地層処分を世界的に進めているのは、可視化や制御をなるべくしなくてもいいようにするためです。
13. 本当に安全は保障されるのか。誰が安全・安心を確保するのか。技術的・科学的に見て安全性はどうか
地層処分事業の一番難しいところは、実際にやってみて「安全」という確認ができないことです。ただし、我々NUMOが持っている科学技術的な知見をすべて総動員したうえで、十分に安全性を確保します。いろいろな現象が想定できるのですが、悲観的な状況、悪い情報を使って計算をし、そのうえで十分安全性が確保できる形で地層処分場を作るというのが我々の考え方で、それをもって安全性を確保するということになります。
14. 地層処分以外の方法は?
1950年代半ばにアメリカで地層処分という概念が公表され世界的に研究が始まりました。地層処分以外にも代表的なものとしては、宇宙処分、海洋底処分、氷床処分、処分ではなくずっと人間が可視化と制御を繰り返して管理をしていくという長期管理の方法が、検討されました。その中で、コストやリスクなど人を総合的に勘案すると、地層処分が現実的な方法ではないかということで今の考え方になっています。
15. 高レベル放射性廃棄物が4万本より多くなった場合、処分場を拡張するのかそれとも次々と新しい処分場を作るのか
4万本を超えるかどうかはこれからの原子力発電の稼働状況によるところがあるため、そのときになってみないとわかりません。NUMOは4万本程度を地層処分するということで事業を進めているという状況で、現在の予定ではガラス固化体が4万本程度になるのは平成33年頃と見込まれているということになります。

トップページへ戻る

ページのトップへ