ワークショップ開催レポート(四国)

ワークショップの概要

開催日時 平成25年2月17日(日)9:30~16:30
会場 高知工科大学 A106教室(講義会場)、A105教室(ワークショップ会場)
プログラム 9:30~9:40 ワークショップ1「実習や見学を交えて放射線の基礎知識を学ぶ」開会挨拶
9:40~10:40 講義「放射線の基礎知識」
若林源一郎氏
近畿大学原子力研究所講師
10:50~11:50 実習「霧箱と線量計を用いた実験」
若林源一郎氏
近畿大学原子力研究所講師
11:50~12:20 見学「放射線測定器」
百田佐多生氏
高知工科大学環境理工学部准教授
13:10~13:13 ワークショップ2「高レベル放射性廃棄物について課題を共有し、考える」挨拶
13:13~14:10 特別講演「福島で何が起こったのか?」
東之弘氏
いわき明星大学科学技術学部教授
14:10~14:40 情報提供 原子力発電環境整備機構(NUMO)[3.5MB]PDFファイルが開きます。
14:50~16:00 グループディスカッション
16:00~16:25 まとめと発表
16:25~16:30 おしらせ・閉会挨拶

ワークショップ当日の様子

平成25年2月17日(日)高知工科大学 A106教室(講義会場)、A105教室(ワークショップ会場)において、高知市及び近郊の教職員の方々(17名)にご参加いただき、第9回電気のゴミワークショップを開催しました。

冒頭、一昨年の3月11日に起きた福島第一原子力発電所の事故について、関連事業に携わるものとしてのお詫びから始まり、『高レベル放射性廃棄物やそれを取り巻く現状を皆様に知っていただき、一緒に考えていただきたい』という趣旨説明をしました。
なお、当日の午前中は本ワークショップも主催する高知工科大学により、ワークショップ-1と題して放射線の基礎知識についての講義や霧箱と線量計を用いた実験などが行われました。


午後のワークショップでは、はじめにNUMOより、「高レベル放射性廃棄物について」「高レベル放射性廃棄物の処分方法」「火山や地震の多い日本で地層処分はできるのか」「地層処分場」「諸外国の状況」などについて、DVD映像を交えながら説明を行い、その後、参加者の皆さんが5~6人のグループに分かれ、活発な議論が行われました。
参加者の皆さんからは、「再生可能なエネルギーをもっと積極的に活用すべきではないか」「正しい科学的な知識をまず子どもたちに教えていくことが必要ではないか」「地層処分がいいと言われているが、新しい処分方法の開発へつながるような教育に結びつけていきたい」「風評被害の緩和のためにも放射線や廃棄物についての学習は必要だ」「健康や安全に関わる情報は、数値は出るが本当に大丈夫なのか」「原子力やエネルギー問題について、きちんとしたカリキュラムが必要ではないか」などの多くの質問や意見があげられました。

グループ発表

【参加者から】
シーベルトという単位のことなのですが、人体への影響を加味した数値だったのか、警鐘と言われるものなのかよくわかりませんでした。ベクレルはもっと純粋に物理的な単位ですよというお話もありましたが、よくわかりません。

風評被害のことなんかも含めて、そのシーベルトという単位、それこそ講演の中では心臓と肝臓と腎臓でまた違うというような話もあったのですが、何がどれだけあったらどれくらいいけないのか、というところがですね。そこをやはり正確に知りたいのですが、それを言えるものではないということなのでしょうか。それとも、もっと細かく言う必要があるのでなかなか説明しづらいというものなのでしょうか。そこをちょっとわかる方に教えてほしいです。
【高知工科大学 八田先生からのコメント】
今、一般にそういう分野で疑問にされていることは、統計的な評価しかできません。我々たとえば理科の教員なら直接的にどんな反応が起こってという方向にいってしまうんですけど、確率的なリスクなのです。すると、統計でしか判断できない。そこを厳密に考えると実は数値化するのは非常に難しいという話になります。

【近畿大学 若林先生からのコメント】
今、シーベルトはわかりづらいとおっしゃったんですけど、実際のところ私たちも説明するとき非常に説明しづらいです。言われましたように、形式的にはグレイという物理量に、たとえば放射線の種類とかエネルギー、そのファクターをかけていきます。体全身ですと、普通に放射線を取り扱う職業の人に対するリミットというのは、一年間最大50ミリシーベルト。5年間で100ミリシーベルト、その値になります。一般人では1ミリシーベルト。ただし先ほど説明がありましたように、私たちは日常の生活の中でも放射線を受けていますし、医療放射線というものを受けることがあり、これらは合わせて2ミリシーベルト以上になるわけですから、それ以外の人工的な放射線としての限度が1ミリシーベルト。そういう話です。ただ、これは確率的な話ですので、実際に人体実験するわけにいきません。今までの原爆の被害とかそういったもので推計して、一般に言われているのは、たとえば100ミリシーベルト受けますと癌になる確率が0.5パーセント位上昇するとか、そういう話なんですね。例えば白血病と放射線が関係あることがわかっています。白血病になった人は放射線を受けたから白血病になったといいますね。ですけれどもその人は放射線が原因かと言われると、そうもはっきりとは言えないですね。
放射線以外の原因で白血病になったかもしれないけれど、被爆した分がやはり発病の確率で大きいという話になってしまいます。なかなか原因と結果っていうのが直接見えづらいというところは、そういうところなんですね。

【高知工科大学 八田先生によるふりかえり】
今回、高知工科大学で企画した背景は、特に中学校の理科でちゃんと放射線を教えますということがカリキュラムに入ったことがありますけども、やはり現実的に差し迫った、今日伺った福島での問題、あるいは放射性廃棄物っていうどちらかというと我々はやっぱり目をつぶっておきたいような問題が実は現にあって、それを認識するっていうことが非常に重要ではないか。と考えたからです。
だけれども、たとえば、放射性廃棄物の話だけをポンと持ってきたときに、放射線のことはよくわからないというのでは話にはならないので、今日はまず放射線の基礎からちゃんと勉強して、十分に、十分ではなかったかもしれませんけどある程度バックグラウンドを理解できたうえで、おそらく一番難しい問題だと思いますけど、高レベル放射性廃棄物の処分の問題について皆さんで問題を共有してみようということで、企画をさせていただきました。

原子力発電の是非ですら社会全体での合意形成は非常に難しいことになっていますし、それからこの廃棄物処理をどうするか、これから合意形成していくのはきわめて難しいのは、もうこれまでのNUMOさんの経緯を見たらもちろん、我々もわかっていることです。ただ、ここから逃げることはできなくて、次の世代、あるいはその次の世代にかかってでもなんとかこれをやってかなければいけない。でも、たとえば今日理科の先生から出てきた意見は、今のベストの処分方法かもしれないけど、もっと他にいい処分方法出てくるんじゃないですかというものでした。たぶん理科の先生は、普通にそう思われるし、私もそう思います。それから、少し感じられるのは、原子力であったのと同じように、やはり今のところNUMOさんが言えることは安全性しかやはりなかなか言えなくて、その背景にあるリスクについてなかなか詳しい情報を提供していただくことがまだまだできてないかなというところも参加者の先生方には感じられたような気がします。そういう意味では、リスク、いろんなものをもっとオープンにしてディスカッションするようなことも必要なのかもしれません。そういう第一歩がNUMOさんとしてはこういう先生方とのディスカッションの場で、どういうことが課題で、どうしていかなきゃいけないかっていうヒントになればということで、今回こういうご協力をいただいたという経緯です。ぜひこういう問題があるということを共有していただくこと、それから次の世代の子どもたちに科学的な判断力をちゃんとつけてあげるということをぜひお願いして終わりにしたいと思います。

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