地層処分事業について

  • Q.地層処分とはどのような方法?

  • A.

    地層処分とは、地下深部の地層が本来持っている「物質を閉じ込める力」を利用し、地下深部の地層に高レベル放射性廃棄物を埋設し、人間の生活環境に影響を及ぼさないように長期にわたって安全・確実に隔離する方法です。

    地下深部は、地上に比べて、地震、津波、台風等の自然現象による影響がほとんどなく、戦争、テロ等の人間の行為による影響も受けにくいという特長があります。
    また、地下にある物質は主に地下水によって運ばれますが、地下深部では地下水の動きが極めて遅いため、物質の移動が非常に遅いという特長もあります。
    もう一つには、地下深部では酸素が極めて少ないため、錆びなどの化学反応が抑えられ、物質を変質させにくいという特長があります。これらの特長により、地下深部は地上に比べ、物質を長期にわたり安定して閉じ込めるのに適した場所といえます。
    地層処分とは、このような「物質を閉じ込める力」を持っている地下深部の地層に、閉じ込め性をさらに確かなものとするため、以下の工学的対策を施し、高レベル放射性廃棄物を埋設し人間の生活環境から隔離する方法です。
    ■ 工学的対策
    1.
    再処理した後に残る放射能レベルの高い廃液をガラス固化し、放射性物質をガラスの中に閉じ込めます。ガラスは水に溶けにくく、化学的に安定しているという特長を持っています。 また放射性物質はガラスと一体化しているので、ガラスが割れても放射性物質だけが流れ出すことはありません。
    2.
    放射性物質を閉じ込めているガラス固化体をさらに オ-バ-パックという鉄製の円筒型容器に密封し、ガラス固化体と地下水が少なくとも1,000年間は接触しないようにします。
    3.
    さらにオ-バ-パックの周りを水をとおしにくい粘土(緩衝材)で取り囲み、オ-バ-パックが腐食しガラス固化体から放射性物質が地下水に溶け出ても、緩衝材が吸着し、その場所から放射性物質を移動しにくくします。なお、工学的対策を「人工バリア」、地下深部が持つ物質を閉じ込める力を「天然バリア」と呼び、これらを組み合わせた物質の閉じ込め機能を「多重バリア」と呼んでいます。
    ■ 地下深く処分
    地下深く処分
  • Q.地層処分は本当に技術的に可能なの?

  • A.

    地層処分の事業化を進めるうえでの技術的問題点を克服しうる技術基盤は整備されています。原子力発電環境整備機構では、処分事業の安全な実施、経済性及び効率性の向上等を目的とする技術開発を進めていきます。

    これまでの研究開発において、日本においても地層処分に適した場所が広く存在していること、 現実的な工学技術により合理的に処分施設を構築できること等の見通しが得られており、また安全性を評価するための手法が開発整備されている等、地層処分の事業化を進めるための技術基盤は整備されています。この点について、1999年11月に旧核燃料サイクル開発機構(現日本原子力研究開発機構)から、「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性-地層処分 研究開発第2次取りまとめ-」と題する技術報告書が公表されており、日本においても地層処分を事業化の段階に進めるための信頼性ある技術基盤が整備されたと結論付けられています。また、この技術報告書については、国の原子力委員会原子力バックエンド対策専門部会によって検討され、技術的信頼性が示されているものであると2000年10月に結論付けられています。

    原子力発電環境整備機構では、処分事業の安全な実施、経済性および効率性の向上等を目的とする技術開発を進めていくこととしています。

  • Q.いつどこで地層処分が決定したの?

  • A.

    2000年5月に「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」が国会で成立し、「地層処分」が法制化されました。

    日本における高レベル放射性廃棄物の処分方法については、1961年に原子力委員会に専門部会が設置される等、原子力発電が始まる前から検討されてきました。 現在の処分概念である地層処分については、1976年に原子力委員会が示した方針に従い研究・開発が進められてきました。

    1999年11月に旧核燃料サイクル開発機構(現日本原子力研究開発機構)から、「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性-地層処分 研究開発第2次取りまとめ-」と題する技術報告書が公表されており、日本においても地層処分を事業化の段階に進めるための信頼性ある技術基盤が整備されたと結論付けられています。その翌年の2000年5月に「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」が国会で成立しました。

    また、この技術報告書については、国の原子力委員会原子力バックエンド対策専門部会によって検討され、技術的信頼性が示されているものであると2000年10月に結論付けられています。

  • Q.なぜ地上での管理ではなく地下に処分するの?

  • A.

    地上での管理ではなく地層処分が選ばれたのは、火山、断層等を避けさえすれば、地下深部が最も安定し、地下深部の地層が本来持っている「物質を閉じ込める力」を利用し、 人間が管理し続けることなく長期にわたり人間の生活環境に影響を及ぼさないようにすることができるからです。

    高レベル放射性廃棄物は、長期間にわたり放射能レベルが高いため、人間の生活環境に影響を及ぼさないように長期にわたって確実に隔離することが必要となります。

    限られた期間であれば人間が地上で管理することは安全上全く問題ありませんが、長期にわたると、管理が途絶えた場合についても考える必要があります。

    現在、地下深部の安定した地層中に埋設する「地層処分」が日本を含めて国際的にも共通の考え方となっています。その最大の理由は、火山、断層等を避けさえすれば、地下深部が最も安定し、 地下深部の地層が本来持っている「物質を閉じ込める力」を利用し、人間が管理し続けることなく長期にわたり人間の生活環境に影響を及ぼさないようにすることができるからです。

    <関連するご質問>
    Q.
    地下深部が地上より優れている点は?
    A.
    地下深部は、地上に比べて、地震、津波、台風等の自然現象による影響がほとんどなく、戦争、テロ等の人間の行為による影響も受けにくいという特長があります。
    また、地下にある物質は主に地下水によって運ばれますが、地下深部では地下水の動きが極めて遅いため、物質の移動が非常に遅いという特長もあります。 このため、地下深部に処分したガラス固化体から仮に放射性物質が地下水に溶け出ても、地上に到達するまでに非常に長い時間がかかります。
    もう一つには、地下深部では酸素が極めて少ないため、錆びなどの化学反応が抑えられ、物質を変質させにくいという特長があります。このため、ガラス固化体を密封する鉄製容器のオ-バ-パックは腐食しにくいということになります。
    これらの特長により、地下深部は地上に比べ、物質を長期にわたり安定して閉じ込めるのに適しています。
  • Q.海外で考えられている処分方法は?

  • A.

    国際的にも地層処分が選択されています。

    現在、日本を含めて、国際的に地層処分を進めることが共通の考え方になっています。 海外でも高レベル放射性廃棄物の地層処分に向けて、処分の実施主体の設立や資金確保等の法整備、処分地の選定、必要な研究開発が進められています。

    なお、処分する高レベル放射性廃棄物の形態として、各国の政策に応じて、使用済燃料を再処理しガラス固化体として処分する国と、使用済燃料を直接処分する国があります。

  • Q.海外に処分することは可能?

  • A.

    「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」では、国内で処分することを前提としています。

    なお、日本も加盟している原子力の平和利用等を活動分野とする国際原子力機関(IAEA)が策定した国際条約である「使用済燃料管理及び放射性廃棄物管理の安全に関する条約」があります。

    この条約の前文には、放射性廃棄物は発生した国内において処分すべきであることを確認し、協定するとの認識が示されております。

  • Q.一旦埋めたガラス固化体は取り出せるの?

  • A.

    処分施設に定置したガラス固化体を取り出すことは技術的には可能です。

    国の地層処分に関する安全規制の基本的考え方※では、処分場を閉鎖する前に、国が処分施設の安全性を確認することとなっており、この確認が終わるまではガラス固化体を再度取り出すことが可能であるようにしておくことが求められています。

    このように安全性を確認した上で処分施設を完全に閉鎖しますので、閉鎖した後に、安全上の理由により、地下深くに埋めたガラス固化体を再度取り出すことはないと考えています。

    なお、処分施設を完全に埋め戻し、閉鎖した後においても、埋めたまでの工程を逆にたどることによりガラス固化体を取り出すことは技術的には可能です。

    • ※出典 「高レベル放射性廃棄物の処分に係る安全規制の基本的考え方について(第1次報告)」
      (2000年11月6日 原子力安全委員会)
  • Q.処分するのは、誰の責任?

  • A.

    高レベル放射性廃棄物の処分は、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」に基づき、原子力発電環境整備機構が実施します。

    2000年5月に成立した「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」※により、高レベル放射性廃棄物の処分に向けた枠組みが定められました。また、この法律に基づき、処分を計画的、 確実に実施させるための「特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針」が国により策定されております。

    これらに基づき、高レベル放射性廃棄物の処分は以下の役割を分担し相互に連携しながら進められています。

    国は、基本方針や処分計画の策定、処分に関する安全確保のための規制、処分の実施主体が行う業務の監督と規制、拠出金の管理・運用を行う法人の指定・監督等を行います。

    処分の実施主体である原子力発電環境整備機構は、経済産業大臣の監督を受けて、処分の実施、拠出金の徴収等の業務を行います。

    電力会社等の発電用原子炉設置者等は、処分費用に充てるため、法律に基づき廃棄物の量に応じた拠出金を処分の実施主体に毎年納付することが義務付けられています。

    なお、処分の実施主体に納付された拠出金は、(財)原子力環境整備促進・資金管理センタ-が経済産業大臣の指定を受けて管理・運用を行います。

    処分するのは、誰の責任?
    • ※2007年6月の法改正により、2008年4月から処分の対象として、地層処分が必要な低レベル放射性廃棄物等が追加されました。
    <関連するご質問>
    Q.
    実施主体が事業を継続できない時は誰が責任を負うの?
    A.
    万が一、実施主体である原子力発電環境整備機構が事業を継続できないような状況になった場合には、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」では、業務の全部または一部の引継ぎや原子力発電環境整備機構の権利・義務の取扱い等について、別の法律で定められることとなっており、 その別の法律に基づく必要な措置がとられるまでの間は、経済産業大臣が業務の全部または一部を行うこととなっています。
  • Q.処分の実施主体の設立は?

  • A.

    「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」に基づき、経済産業大臣の認可を得て、処分の実施主体として「原子力発電環境整備機構」が2000年10月18日に設立されました。

  • Q.原子力発電環境整備機構とは?

  • A.

    原子力発電環境整備機構は、高レベル放射性廃棄物の処分の実施主体で、民間発意による認可法人です。事業の長期確実性を法的に担保するため、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」に基づき経済産業大臣の認可を得て設立されました。

    原子力発電環境整備機構は事業の長期確実性を法的に担保するため、民間発意(電力会社等)により法律に基づき経済産業大臣の認可を得て設立された「認可法人」です。

    原子力発電環境整備機構が行う業務は、電力会社等の発電用原子炉設置者等が毎年納付する拠出金により実施されています。

  • Q.処分施設閉鎖後はどうするの?

  • A.

    処分施設閉鎖後も何らかの管理を行うことは技術的には不要と考えますが、地域をはじめ国民のみなさまに安心して生活していただくために、今後の国の規制を踏まえ、閉鎖後の周辺環境の監視等についてどのようにしていくかを地域の方々と相談しながら対応を図っていく予定です。

    地層処分は、地下深部が本来持っている「物質を閉じ込める力」を利用し、人間による永続的な管理がなくとも、人間の生活環境に影響を与えないように長期にわたって高レベル放射性廃棄物を安全・確実に隔離する方法です。

    このため、処分施設を閉鎖した後も何らかの管理を行っていく必要性は技術的には不要と考えますが、地域をはじめ国民のみなさまに安心して生活していただくために、今後の国の規制を踏まえ、閉鎖後の周辺環境の監視等についてどのようにしていくかを地域の方々と相談しながら対応を図っていく予定です。

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