地層処分の安全性、環境への影響について

  • Q.火山が多い日本で、地層処分は安全なの?

  • A.

    新たな火山の形成も含め、火山活動は限定された地域内で繰り返されているという科学的知見に基づいて、火山地域や火山活動の影響を受ける地域を避けて処分施設の建設地を選定することができると考えています。

    第四紀(一般には258万年前※以降をいうが、文献調査等で参考にする文献では約200万年前以降から現在までをいいます)の日本における火山活動は、新たな火山の形成も含め、限定された地域内において繰り返されています。これまでの調査における傾向や規則性から、今後十万年程度の将来においても、このような傾向が変わらずに続くことについて、専門家の一致した考えが示されています。 処分施設の建設地は、火山地域や火山活動の影響を受ける地域を避けて選定しますので、地層処分に影響を与えないようにすることができると考えています。 日本国内においても地層処分に影響を与えない場所は広く存在し、これを選定する基盤技術が整備されています。

    • ※国際地質科学連合(IUGS)が2009年6月に、第四紀の始まりを181万年前から258万年前に変更しました。
  • Q.地震の揺れは悪い影響を及ぼさないの?

  • A.

    処分施設の建設地は安全性に影響を与えるような活断層を避けて選定します。地下深部における地震の揺れは地表に比べて小さいこと、地震が起こった際にガラス固化体を密封したオ-バ-パックや緩衝材と岩盤は一体となって振動することから、現状の技術で耐震対策は十分可能です。また地震の揺れにより地質環境が変化し、地層処分の安全性に大きな影響を与えるようなことはないと考えています。

    地震による地層処分への影響として可能性が少しでも考えられることは、1)地震の発生源としての岩盤の破壊・破断(断層活動)、2)地震の揺れ、3)地震の揺れに伴い地下水流等の地質環境が変化することによるもの、の三つです。

    断層活動は、日本において、過去数十万年以上にわたって既存の活断層において同様の活動様式で繰り返し起こっています。基本的には今後十万年程度の将来においても、現在と同様の活動が継続すると考えられています。

    処分施設の建設地選定にあたっては、処分施設の安全性に影響を与えるような活断層を避けて選定しますので、処分後に断層が生じ、ガラス固化体を密封するオ-バ-パック(鉄製容器)が破壊されるようなことは避けられるものと考えています。

    過去の地震から地下深部における地震の揺れは地表に比べて小さいこと、地震が起こった際にガラス固化体を密封したオ-バ-パックや緩衝材と岩盤は一体となって振動します。このため、地震の揺れそのものの影響については、建設・操業中の処分施設で考えることが必要ですが、詳細な調査に基づく地震動の適切な想定を行い、施設の設計に反映させることで対応可能です。

    また、過去の大地震と地下水との関係の研究等により、地震の揺れに伴う地下水の流れや流速等の変化が小さいことがわかっていることから、地震の揺れに伴う地下深部の地質環境の変化については、地層処分の安全性に大きな影響を与えるものではありません。

    地表部と深い地層における地震の揺れ
    出典:経済産業省資源エネルギー庁「TALK考えよう、放射性廃棄物のこと」(平成20年4月)
  • Q.現時点で把握されていない活断層の影響は?

  • A.

    概要調査地区、精密調査地区、処分施設建設地の選定という3段階での調査により、処分施設の性能に影響を与えるような断層の把握は可能です。

    処分施設の建設は、概要調査地区、精密調査地区、処分施設建設地の選定という3段階を経て進めることになっており、調査の内容も段階が進むごとに、既往の文献を用いた調査、ボ-リング等を用いた地表からの調査、地下に施設を設置して行う調査と、より詳細になっていきます。これらの調査で処分施設の性能に影響を与えるような断層の把握、評価は可能であり、これを避けることによって影響を排除できると考えられます。

    ■ 概要調査地区、精密調査地区、処分施設建設地の選定

    1.第1段階(文献その他の資料による概要調査地区の選定)
    一定の地域について、過去の地震、噴火、隆起、侵食等に関する記録、資料により、法令で定められた 調査を行い、その地域の中から概要調査地区を選定します。
    2.第2段階(ボーリング等による精密調査地区の選定)
    概要調査地区について、ボーリング、地表踏査(地表面の現場調査)、物理探査(人工震源、電磁波を利用し、地上、空中等から行う地下の調査)、トレンチの掘削(地表に溝を掘って行う調査)などによって、法令で定められる調査を行い、概要調査地区の中から精密調査地区を選定します。
    3.第3段階(地下調査施設による処分施設建設地の選定)
    地上での詳細な調査に加え、精密調査地区に地下調査施設を設置して、岩石の強度調査、地下水の性質および水流の調査などによって、地層の物理的および化学的性質等について、法令で定められる調査を行い、精密調査地区の中から 処分施設建設地を選定します。

    これらの段階ごとの調査によって、最終的に処分地が選定されます。

  • Q.地下水が汚染され、放射性物質が環境に出て来るおそれは?

  • A.

    ガラス固化体中の放射性物質そのものがガラス固化体から出てこない限り、地下水が汚染されることはありません。地層処分では、地下深部での地下水の動きが極めて遅い等の特徴を利用し、かつガラス固化体を密封しているオ-バ-パック等の地下水に対する人工的な対策を取っていることから、たとえガラス固化体が地下水に接触しても、人間の生活環境に影響を与えないようにすることができます。

    ガラス固化体 の放射線により地下水が汚染することはありません。埋設したガラス固化体により地下水が汚染される可能性は、ガラス固化体が地下水に溶け、放射性物質が地下水中に溶け出て来る場合のみです。

    ガラス固化体を埋設する地下深部は、岩盤(天然バリア)が物質を吸着する性質や地下水の動きが極めて遅い等の特長を有します。

    また、地層処分は地下水対策として、地下水に溶けにくいガラスに放射性物質を閉じ込め、オ-バ-パック(鉄製容器)によりガラス固化体と地下水を少なくとも1,000年間は接触させない等の地下水に対する人工的な対策(人工バリア)を取っています。

    これら地下水に対する人工的な対策と地下深部が持つ特長から、たとえガラス固化体が溶け地下水に接触しても、人間の生活環境に影響を与えないようにすることができます。

    <関連するご質問>
    Q. 人工バリアと天然バリアの働きは?
    ■人工バリア

    日本の地下深部においては地下水の存在が一般的です。このため安定な地層においても、長い時間が経過するうちには地層処分された高レベル放射性廃棄物に地下水が接触し、やがて人間の生活環境に達することが可能性として考えられます。このため地下水に対して十分配慮することが重要です。

    人工バリアは、ガラス固化体とオ-バ-パックと緩衝材により構成されますが、以下のような機能を持っています。

    ガラス固化体を鉄製の容器(オ-バ-パック)に密封し、ガラス固化体中の放射能が大幅に減少するまでの少なくとも1,000年間は、ガラス固化体と地下水が接触しないようにします。
    オ-バ-パックが腐食し地下水がオ-バ-パックの中に入ってきても、ガラス固化体は、ステンドグラスの色成分がガラスと一体となっているように放射性物質と一体となっているので、放射性物質を閉じ込めます。
    放射性物質が地下水に溶け出しても、オ-バ-パックの周りを取り囲んでいる粘土(緩衝材)は地下水をとおしにくく、溶け出た物質を吸着する等の性質がありますので、放射性物質をその場所から移動しにくくします。
    ■天然バリア

    天然バリアは、天然に存在する岩盤のことで、以下のような機能を持っています。

    地下深部は酸素が極めて少ないことから、オ-バ-パックが腐食しにくい環境です。
    岩盤は物質を吸着する性質があることや、地下深部の地下水の動きが極めて遅いことから、放射性物質は地層中に漏れ出したとしても直ちに人間の生活環境に到達するのではなく、到達するまでには長い時間がかかり、その間にも放射能は少なくなっていきます。
    <関連するご質問>
    Q.
    人間がガラス固化体を掘り出すようなおそれはないの?
    A.
    高レベル放射性廃棄物は人間の生活環境から十分隔離できる深さ(地下300メートル以降)に処分します。 また経済的に価値が高い鉱物資源のあるところには処分しない等の対策を取り、処分施設に人間が近づく可能性を小さくします。さらに「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」に基づき、処分施設の敷地およびその周辺区域、さらにこれらの地下について保護区域として国から指定を受けること等ができます。このため、人間が処分施設に侵入する可能性はほとんどないと考えます。
  • Q.オ-バ-パックは、どれくらい持ちますか?

  • A.

    地下深部は錆びの原因となる酸素が地上に比べて極めて少ないため、地下深部に埋設したオ-バ-パックはごくわずかづつしか錆びていきません。このため1,000年程度はガラス固化体を確実に閉じ込めることができると考えています。

    ガラス固化体を地下深部に埋めた後、1,000年間で、ガラス固化体中の放射能は数千分の1に減少し、その後も緩やかに放射能が減少していきます。このことから、 オ-バ-パック(鉄製容器)の設計耐用年数としては1,000年を考えています。

    オ-バ-パックの厚さは、この1,000年間の腐食分の厚さと地下深部で岩盤や地下水から受ける圧力に耐えられる強度等を持つ厚さを考えて最終的に決めていくことになります。

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