
ガラス固化体中の放射性物質そのものがガラス固化体から出てこない限り、地下水が汚染されることはありません。地層処分では、地下深部での地下水の動きが極めて遅い等の特徴を利用し、かつガラス固化体を密封しているオ-バ-パック等の地下水に対する人工的な対策を取っていることから、たとえガラス固化体が地下水に接触しても、人間の生活環境に影響を与えないようにすることができます。
ガラス固化体の放射線により地下水が汚染することはありません。埋設したガラス固化体により地下水が汚染される可能性は、ガラス固化体が地下水に溶け、放射性物質が地下水中に溶け出て来る場合のみです。
ガラス固化体を埋設する地下深部は、岩盤(天然バリア)が物質を吸着する性質や地下水の動きが極めて遅い等の特長を有します。
また、地層処分は地下水対策として、地下水に溶けにくいガラスに放射性物質を閉じ込め、オ-バ-パック(鉄製容器)によりガラス固化体と地下水を少なくとも1,000年間は接触させない等の地下水に対する人工的な対策(人工バリア)を取っています。
これら地下水に対する人工的な対策と地下深部が持つ特長から、たとえガラス固化体が溶け地下水に接触しても、人間の生活環境に影響を与えないようにすることができます。
Q.人工バリアと天然バリアの働きは?
■人工バリア
日本の地下深部においては地下水の存在が一般的です。このため安定な地層においても、長い時間が経過するうちには地層処分された高レベル放射性廃棄物に地下水が接触し、やがて人間の生活環境に達することが可能性として考えられます。このため地下水に対して十分配慮することが重要です。
人工バリアは、ガラス固化体とオ-バ-パックと緩衝材により構成されますが、以下のような機能を持っています。
| ガラス固化体を鉄製の容器(オ-バ-パック)に密封し、ガラス固化体中の放射能が大幅に減少するまでの少なくとも1,000年間は、ガラス固化体と地下水が接触しないようにします。 |
| オ-バ-パックが腐食し地下水がオ-バ-パックの中に入ってきても、ガラス固化体は、ステンドグラスの色成分がガラスと一体となっているように放射性物質と一体となっているので、放射性物質を閉じ込めます。 |
| 放射性物質が地下水に溶け出しても、オ-バ-パックの周りを取り囲んでいる粘土(緩衝材)は地下水をとおしにくく、溶け出た物質を吸着する等の性質がありますので、放射性物質をその場所から移動しにくくします。 |
■天然バリア
天然バリアは、天然に存在する岩盤のことで、以下のような機能を持っています。
| 地下深部は酸素が極めて少ないことから、オ-バ-パックが腐食しにくい環境です。 |
| 岩盤は物質を吸着する性質があることや、地下深部の地下水の動きが極めて遅いことから、放射性物質は地層中に漏れ出したとしても直ちに人間の生活環境に到達するのではなく、到達するまでには長い時間がかかり、その間にも放射能は少なくなっていきます。 |
Q.人間がガラス固化体を掘り出すようなおそれはないの?
A.高レベル放射性廃棄物は人間の生活環境から十分隔離できる深さ(地下300メートル以降)に処分します。 また経済的に価値が高い鉱物資源のあるところには処分しない等の対策を取り、処分施設に人間が近づく可能性を小さくします。さらに「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」に基づき、処分施設の敷地およびその周辺区域、さらにこれらの地下について保護区域として国から指定を受けること等ができます。このため、人間が処分施設に侵入する可能性はほとんどないと考えます。