理事長の新年のあいさつを掲載しました

※こちらは理事長が職員に向けた年頭の挨拶を編集したものです。

 

新年のあいさつ

2017年1月4日

 原子力発電環境整備機構

 理事長 近藤駿介

 

新年あけましておめでとうございます。2017年の干支は丁酉(ひのととり)。酉年はしばしば、飛躍の年と言われます。例えば、今から60年前の「ひのととり」の年であった1957年、東京の人口が851万人となり、ロンドンを抜いて人口世界一の都市になりましたし、茨城県東海村の日本原子力研究所(現在、日本原子力研究開発機構・JAEA)において、日本で初めての原子炉(JRR−1)が初臨界を達成しました。一方、陰陽五行説によると、「丁酉(ひのととり)」は火と金の組み合わせ、火は金を熔かすので相剋の関係にあり、問題が起きることあるべしとなります。他方、「丁(ひのと)」は木々が充実して伸び盛りにある様を表すのに対して、「酉(とり)」は木の実が成熟しきった様を表すということで、矛盾している組み合わせ。よって2017年は相剋・矛盾の年ということもあります。

 

飛躍の年でありながら相剋・矛盾を抱えるというのはどういうことなのか。例えば、この1957年には米ソがICBM(大陸間弾道ミサイル)の成功を公表したのですが、これがその後の冷戦の深刻化の契機になったこと。また、日本ではこの年、岸信介内閣総理大臣が誕生したのですが、これがその後の安保騒動を招く原因になったこと、を指摘する人がいます。つまり"今年は一つの時代を作るようなことが起きるけれども、しかし、それが後に問題を引き起こすことにつながることがあるので、事を成すにあたっては、先のことをよく考えて慎重に行動することを心がけるべき"というのが先人の教えと思うべきでしょう。このことを踏まえ、NUMOとしては、取り組みに新たな一歩を踏み出す気概を持つことと同時に、その結果、いつ何が起きても対応できるように、様々な可能性も検討しながら進めていくリスク管理を十分に行うことを忘れない一年にするべきと思った次第です。
 
私どもは、昨年末には国が有望地に関するマップを公表することを期待していましたが、国は、さらに検討を重ねる必要があるとしておりますので、NUMOではマップ公表後の取り組みのあり方について検討を進めているところです。このような取り組みは、まさしく「ひのととり」の年にふさわしい進め方だと思っています。

 

先日パリで開催されたICGR(地層処分国際会議)において、スウェーデンSKB社のクリストファー・エッカーバーグ社長は、処分場の技術開発から操業に至るまでは55年を要する見込みであり、この道は「長く曲がりくねった道、a long and winding roadだ」と話しました。この発言を踏まえて関係者からは「こうした長い道のりを歩むにあたっては、私たちが実現を図るための取り組みが社会、経済、技術、政治の進歩に適応できるかどうかを絶えず点検し、必要なら立ち止まることを厭わず、これが頑健な取り組みであることを確認しつつ、次のステップへ確実に進めていくことが大切だ」という発言が相次ぎました。

 

私どもNUMOは、国による科学的有望地に関するマップの公表を受けて、国民の皆さまに私どもの事業に対する関心を深めていただき、この事業を地域の持続的発展のテコにする可能性の探索に関心を示していただいた地域において、安全な深地層処分を実施できるかどうかを調べる地質環境調査を実施することを目指したいと考えています。その場合大切なことは、取り組みの確実さの点検・見直しに自分たちの時間をきちんと使うことです。格言にあるように、時間を無駄にしない最上の方法は、自分の時間をきちんと使う事だからです。

 

日本の国土に地層処分場を立地することは、長い歴史のある鉱山技術の知見が活かせるとはいえ、未踏の取り組みです。私どもとしては、多くの専門家の協力を得ながらこれに必要な知識や技術を習得・整備して、国民の皆さまに信頼できる専門家と認識され、地域社会においてこれを立地するにあたって生じる様々な利害関係を解きほぐしつつ、当該社会の持続的発展に貢献することに知恵を尽くす、共生するに値する組織、と認識されることを目指さなければなりません。そのためにまずは、技術的な取り組みにしろ、共生への取り組みにしろ、そのことに関して国民の皆さまと対話する内容をしっかり準備する事に力を注ぎましょう。

 

ところで、最近のTED(Technology Entertainment Design)トークで印象に残っているものに、ティム・リーバーレヒト氏が、AI(人工知能)やロボットが人間の仕事を代替していくこれからの社会にあっては、ビジネスはいかに人間的であるかが大切である、と提案したものがあります。彼は、そのため組織においては、

(1) 不必要なことを無駄として排除するな:無駄を切り始めたら、全部切り捨てることになる

(2) 親密さを作り出し、人間同士の対話ができる工夫をせよ

(3) いつも不完全だと思い、あれをやったり、これをやったりすることを避けるな:良い組織は絶えず自問している

(4) 醜さを抱きしめよ:よい判断は経験から生まれるが、経験は失敗から得られる:お互いに欠点を認めあうのは、欠点の悪影響を避ける近道だとしていました。

 

私はこのことも念頭に、職員の皆さんには今年一年、大胆かつ慎重に、必須でないことにも手を出し、隣と仲良くし、お互いの欠点を認め合い、あれこれやってみることを厭わず、明るく、楽しく、そして緊張感の中にも笑顔の絶えない、活気あふれる職場を実現しつつ、目標達成にまい進されるようお願いしたいと思います。皆さんの活力と笑顔が、私どもNUMOに対する社会の信頼を生み出すからです。

 

以 上