国際講演会「 ベルギーにおける放射性廃棄物処分の現状と今後」開催報告

国際講演会
ベルギーにおける放射性廃棄物処分の現状と今後


開催日:2017年11月14日(火)

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NUMOは、これまで諸外国における地層処分の取り組み等について、シンポジウムや講演会などを開催し、ご紹介しています。

 

2017年11月14日(火)に、ベルギーの放射性廃棄物処分の実施主体であるONDRAF/NIRAS(ベルギー放射性廃棄物・濃縮核分裂性物質管理機関)の前理事長 ジャン=ポール・ミノン氏をお招きし、ベルギーにおける処分場選定プロセスや地域住民との対話活動などについて、ご講演いただきました。

 

講演に続き、(一財)日本エネルギー経済研究所の村上 朋子氏、当機構の近藤理事長を加え、三人による座談会を行いました。ベルギーにおける短寿命・低レベル放射性廃棄物処分場のサイト選定プロセスにおける具体的な進め方を伺い、日本における地層処分事業の今後の進め方や対話活動のあり方について、意見交換が行われました。当日は約80名が聴講され、会場からの質疑・応答も活発に行われました。

 

以下、講演および座談会の概要、講演資料をご紹介します。

 

2017年11月14日(火) 13:30~16:00

三田NNホール&スペース 多目的ホール(東京都港区)

 

【以下、敬称略】

>開会挨拶   近藤 駿介(原子力発電環境整備機構(NUMO) 理事長)

>講演「ベルギーにおける放射性廃棄物処分の現状と今後」  ジャン=ポール・ミノン(ONDRAF/NIRAS前理事長)

>質疑応答

>座談会

ジャン=ポール・ミノン

村上 朋子((一財)日本エネルギー経済研究所 戦略研究ユニット 原子力グループ グループマネージャー 研究主幹)

近藤 駿介

 

 開催挨拶

 

近藤 駿介(原子力発電環境整備機構(NUMO) 理事長)

 

このたび、ONDRAF/NIRAS前理事長のジャン=ポール・ミノン氏よりベルギーにおける放射性廃棄物処分の現状と今後について、ご講演をいただけることとなり、ミノン氏に心から感謝する。

 

日本では、2000年に法律で高レベル放射性廃棄物を地層処分することが定められ、実施主体としてNUMOが設立された。2002年に文献調査を実施する区域の公募を開始したが、これまでに2007年の高知県東洋町の応募のみで、その応募も後に取り消され、手法の見直しが必要となった。2015年、政府によりこの取り組みの基本方針が改定され、地層処分の取り組みは現世代の責任において実現に取り組むべきであること、将来世代が別の選択をすることを妨げないよう回収可能性に配慮すること、協力する自治体に国民が感謝と敬意の念を持つことや、その地域がNUMOと共生して福祉の向上を達成していくことが大切であることなどが盛り込まれた。また今年、政府より科学的特性マップが公表された。多くの方に関心を持っていただくため、NUMOは全国各地で意見交換会を行い、一緒に考えながら理解が広がることを願っている。本日の講演会では、まずミノン氏にベルギーの放射性廃棄物の処分状況や公衆との対話についてご講演をいただき、その後、座談会形式で、処分地選定における対話活動などについて意見交換を行う。

 

 講 演

 

「ベルギーにおける放射性廃棄物処分の現状と今後」
ジャン=ポール・ミノン(ONDRAF/NIRAS前理事長)

 

・ベルギーにおける原子力の概要

 

ジャン=ポール・ミノン氏

ベルギーは、人口1,050万人の連邦立憲君主制国家で、連邦政府と3つの地域政府[フランデレン地域、ワロン地域、ブリュッセル首都圏地域]および共通言語を単位とする3つの言語共同体[フラマン語(オランダ語)共同体、フランス語共同体、ドイツ語共同体]で構成される連邦制である。

 

連邦政府は、原子力行政(原子燃料サイクル、放射性廃棄物関連、放射線防護等)を担い、共同体が市民の教育・健康を、地域政府が非原子力エネルギーの研究開発や電気・ガスの供給等を担う。

 

ベルギーの原子力の歴史は、モル/デッセル地区において古くから多くの研究開発が行われてきた。第二次大戦後に試験・研究炉をもつSCK・CEN(ベルギー原子力研究所)が設置され、現在も医療用の放射性同位体を製造する材料試験炉(BR2)が稼動している。モル/デッセル地区では、欧州初の加圧水型原子炉(BR3)や、OECDとの共同事業の再処理工場のパイロットプラントが運転され、ベルゴニュークリア社が世界初のMOX燃料を製造し、各国に供給した。南部フルールの国立放射性物質研究所(IRE)は、BR2で得た放射性同位体を医療分野用に精製・供給し、世界の20%のシェアを占めている。ベルギーは1974年に商業用原子力発電が開始し、ドールに4基、ティアンジュに3基の計7基の加圧水型原子力発電所(PWR)があり、総発電量の約50%を占めている。ONDRAF/NIRASは1980年に、ベルギー国内の全ての放射性廃棄物管理を一元的に行う機関として、経済エネルギー省の管轄下に設立され、廃棄物管理や処分場の許認可対応、市民との対話活動、政策提言等を行っている。

 

・放射性廃棄物管理

ベルギーでは、半減期の短い短寿命低中レベル放射性廃棄物を「カテゴリーA」、長寿命低中レベル放射性廃棄物を「カテゴリーB」、長寿命高レベル放射性廃棄物を「カテゴリーC」と分類している。現在、これらの廃棄物はモル/デッセル地区にあるONDRAF/NIRASの子会社ベルゴプロセス社の中間貯蔵施設で一時保管している。過去、フランスでガラス固化されて返還された2,000以上のキャニスター貯蔵施設もある。ベルギーは以前、再処理路線であったが、核燃料サイクル政策が見直され、現在、フランスへの再処理委託は行っておらず、再処理と直接処分の両オプションが検討されている。中間貯蔵されている廃棄物の内訳は、低レベルが全体の約8割の18,818立方メートルを占め、ほとんどが建屋解体時の廃棄物である。将来的にはカテゴリーAを浅地中処分し、カテゴリーB,Cを地層処分とする。現在、連邦政府はデッセルに浅地中処分場を建設すると閣議決定し、規制当局が建設許可申請の審査中である。中間貯蔵施設と同地区であり、輸送問題もなく理にかなっている。廃棄物の受け入れで重要なことは、極力廃棄物量を減らし、閉じ込め、安定させることである。低レベルの固体廃棄物は、シルバ(CILVA)施設で焼却、切断、圧縮等により減容し、ドラム缶に封入し固化している。高レベル放射性廃棄物については、以前再処理を行っていたパメラ(PAMELA)施設を改修して、処理・貯蔵を行っている。

 

・低レベル放射性廃棄物管理のアプローチ:デッセルでのcAtプロジェクト

ベルギー政府は1994年、DAD(Decide(決定)-Announce(公表)-Defend(主張))という、国が科学的・技術的に処分地を選定し、了解を得ようとするアプローチをとったが公衆に受け入れられなかった。そこで1998年、既存の原子力関連地域および施設誘致に前向きな自治体を対象として、ADD(Announce(公表)-Discuss(議論)-Decide(決定))という、地域が中心となり関係者全員で議論し決めていく手法を採用したところ、公衆に受け入れられた。施設誘致に関心のあるデッセル、モル、フルール・ファルシネの3か所の原子力関連地域がONDRAF/NIRASとパートナーシップ契約を締結した。デッセルのパートナーシップ(STOLA)、モルのパートナーシップ(MONA)、フルール・ファルシネのパートナーシップ(PaLoFF)は非営利団体で、検討や議論に必要な予算が十分に与えられ、ONDRAF/NIRASから完全に独立した組織として地域や産業界、政治家等の代表で構成された。処分場の受け入れ条件等を考えるために始められ、毎月100人以上のメンバーで議論を行った。地域がリードし、地元住民だけでなく、廃棄物製造者、安全当局など全ての関係者がプロセスを共有した。2004年、STOLAの報告書をデッセル自治体が承認、2005年、MONAの報告書をモル自治体が承認したが、2006年、PaLoFFの報告書に対しフルール自治体が否決し、フルール・ファルシネの両自治体のプロジェクトへの参加が終了した。2006年、連邦政府はデッセルに浅地中処分場を建設することを決定し、STOLAとMONAの共同プロジェクト(cAtプロジェクト)として行うこととなった。cAtプロジェクトでは、浅地中処分場だけでなく、コミュニティセンターや環境、公衆の健康に関する要望等の検討および計画・実行まで行う。処分開始は早くて2021年、処分場操業期間は50年である。このためcAtプロジェクトの活動は、2006年からの設計段階、2013年からの実行段階、2021年(予定)の操業段階と、長期間にわたり、各プロセスに多くの人が関わるため、"共有"と"継続性"が非常に重要となる。原子力発電の問題や地層そのものに係ることなど複雑な要素も絡むため、国や地域レベルの権限も必要である。国民には透明性を持って、処分場の設計内容や各試験結果、困難な事案なども含め全て公開している。現在、計画中の浅地中処分場の規模概要は、地上面積15ha、高さ約20メートル。資金は廃棄物発生者に係るプロジェクトのための長期基金が12億ユーロ(1,368億円)、地域社会に関するプロジェクト用の中期基金は1億3千万ユーロ(148.2億円)である(1ユーロ=114円として換算)。

 

・浅地中処分場の建設許可申請と申請以前の規制当局との折衝の重要性

2013年、ONDRAF/NIRASは浅地中処分場の建設許可申請を連邦原子力管理庁(FANC)に提出し、これまでにFANCより293個ものセーフティケースに関する質問があり、現在対応中である。予定では2018年に建設が許可され廃棄体製造を開始し、2022年に操業開始であったが、質問回答に時間を要しており、遅れている。遅延の原因は、プロジェクトの開始当初に安全に関する規制当局との折衝をせず、後回しにしてしまったことにある。例えば、急いで回答作成をすると、質問の趣旨を把握できておらず、結果として意思疎通に時間がかかる、または規制当局の担当者が異動等で変わると、再調整や新規の意見が追加されるなどが挙げられる。1990年代よりセーフティーレポートの検討を行い、当時は安全性に関する戦略を構築するため、フランスとベルギーがお互いの持つ情報を交換するなど、フランスと良好な協力関係を持ち、成果をまとめた書籍も発行したのだが、年月が経ち忘れられてしまった。さらには、規制当局の意見と技術者の意見とが異なることもあり、合意が得られずに大変苦労している。

 

こうした経験から日本に助言できる教訓は、建設許可申請以前の早期の段階から規制当局と責任感を共有し、多くの失敗を極力避け、お互いwin-winとなるよう取り組むことが重要である。

 

・地層処分

地層処分は長い期間、閉じ込める方法であり、その役割は、地層によって放射性物質の移行を極力遅らせ、人体への影響を避けることである。1970年代に最適な地層は、粘土質であると結論付けられ、世界で初めて地層処分の粘土に関する室内実験を行った。1990年代以降の第二フェーズでは、実際に建造物を用いた実現可能性に関する実験を行った。ここで重要なのは、粘土の専門家も実験に参画し、世界各国および国際機関と連携して行ったことである。さらにピアレビューが大変重要である。2001年に安全評価・実現可能性第2次中間報告(SAFIR2)がまとめられた後、ベルギー政府はOECD/NEAへピアレビューを依頼した。なお、SAFIR2は科学的側面に焦点をあてて報告していたが、2011年には、社会的側面も考慮された国家廃棄物計画がまとめられた。

 

・国家廃棄物計画と市民との対話

2011年9月26日にONDRAF/NIRASが政府に対し提出した国家廃棄物計画とは、高レベル放射性廃棄物と長寿命の低中レベル放射性廃棄物の長期管理に関する推奨案を示したものである。この国家廃棄物計画の公表前に、地域や学術関係者等と数多く対話を行い、その意見も反映させた。

 

公衆から繰り返し出る要望のトップは、"回収可能性"であり、他に"可制御性"、"知見の伝承(喪失防止)"、"意思決定プロセスに必要な独立した監視機関"などであった。科学的情報が多く存在しても、倫理的価値を尊重しなければ、公衆の理解は得られないということである。また国家廃棄物計画では、ベルギー国内の固結度の弱い粘土層に、処分場を1施設設けることを提言した。2015年には、国家廃棄物計画に基づく政策を政府に提言したが、政府はまだ政策方針を決定していない。

 

・教訓

教訓として得られたことは、2つの許可(ライセンス)が必要ということであり、1つは安全当局から与えられる技術的なライセンスと、もう1つは国民から与えられる社会的なライセンスである。

 

また、重要なことは、耳を傾け、学ぼうとすることと、長い期間に及ぶため社会や法律の変化に配慮し、国や地域の文化を尊重し、早い段階から規制当局との協議を始めることが重要である。小さなステップも省略せず、1つ1つ着実に進めることが、透明性や説明責任に通じ、信頼の維持に寄与する。

 

 

<質疑応答>

 

事前質問

ベルギーの人々は、放射性廃棄物の問題をどの程度知っていますか?

 

ミノン

どの国も同じで、人々は問題があるとの認識はあっても、何が問題かはよくわかっていません。低レベルや高レベルなど違いがあることや各種の数字などは認識されていないのが現状です。

 

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会場質問
デッセルやモルは地名として使っていましたか?デッセルに浅地中処分場、モルに地層処分場を作るという方針なのでしょうか?またガラス固化をしなくなったのはなぜですか?粘土層が最適とありましたが、水が多いという懸念はないのでしょうか?

 

ミノン

デッセルとモルは地域の意味で使っています。浅地中処分場の誘致では、中間貯蔵施設が近いデッセルが選ばれました。現在、当局の建設許可を待っている状況です。地層処分の研究を行うモルの地下研究施設は処分場にはなりません。地層処分の方針もまだ決まっていません。以前は再処理路線でしたが、核燃料サイクル政策が見直され、再処理と直接処分の両オプションが検討されています。なお再処理の場合、2025年以降、原子力発電所を廃止する方針のため、プルトニウムの行き先を考える必要があります。粘土層を選定したのには2つの重要な理由があります。1つは割れ目が生じても戻る自己治癒力です。放射性物質(核種)を吸着させ人間の生活圏への移動に非常に長い時間を要するという特性です。もう1つは、適した粘土層がベルギー国内で広範囲に分布しているということです。

 

 

 

 座談会

 

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村上氏

2011年に公表された国家廃棄物計画の策定にあたり、苦労された点、注意された点はありますか。

 

ミノン氏

2001年に高レベル放射性廃棄物管の安全性評価書を出しましたが、政府による評価の公表に至るものではありませんでした。このため、2011年の国家廃棄物計画では、科学・技術だけではなく、国民の懸念や施設管理などの具体的な方法論も示し、全てを網羅したものとしました。またキング・ボードイン財団や学会、研究所、エンジニア会社など多岐にわたる関係者が関与しました。こうした取り組みは、ベルギー初の試みでした。公衆より2,000以上の質問があり、類似の質問を整理し分別して、全てに答えることはとても大変でした。

 

村上氏

それらの質問により、報告書が大きく変わりましたか。

 

ミノン氏

法的手続き上、報告書そのものは変更されませんでしたが、質問への回答は、官報で示されました。回収可能性など社会からの強い要望のある事項は実施すると約束しています。議論を反映することは、お互いを尊敬するというプロセスです。

 

村上氏

日本では最終処分法の一部が改正された際に、処分地選定のプロセスが見直されたと聞きましたが、近藤理事長からご説明いただけますか。

 

近藤理事長

それまでは自治体からの公募方式のみでしたが、2015年5月に「特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針」の改正案が閣議決定され、更なる国の積極的な関与、可逆性の担保、NUMOも積極的に取り組むといったことが示されています。

 

村上氏

村上氏

ベルギーの安全評価報告書(セーフティーケース)は、今後の処分計画にどのような影響を与えるものでしょうか。

 

ミノン氏

問題は地層処分に関する決定がまだ何もないことです。セーフティケースは全ての考えられる要素を盛り込んだ一般的な検討をまとめたものなのです。現在、安全解析や実証研究は終了し、設計の議論をする段階です。ただし、今求められている法律は、国の政策方針が反映されることから、国家廃棄物計画に基づき、我々が行った政策提言が受け入れられなければ、書き直す可能性もあります。

 

村上氏

浅地中処分場選定において、パートナーシップに自主的に参加した人々の理解を深めるために、どのような工夫をされましたか。

 

ミノン氏

彼らと一緒になって考えました。1994年に発行された基本情報がまとまった報告書を活用しました。ただし、地層処分に関する記載はなく、そこは新たにゼロから、処分方法、懸念や安全性等について説明しました。地域の方々が情報を理解する時間も必要であり、1999年から2004年に提案書(デッセルのパートナーシップSTOLAによる提案)を出すまで5年の歳月をかけて、地元を支援しながら社会的学習を進め、彼らと議論を重ねたことが成果につながったのです。

村上氏

パートナーシップとの対話における留意点と、最終的に得たかったものを教えてください。

 

ミノン氏

我々の経験から言うと、信頼を得てそれを維持することが大切です。パートナーシップでは、平等な関係性で何でも議論でき、異論反論も言える信頼関係の構築が必要です。その際、全ての関係者が共通して持っていた目標が「安全な施設を作る」ということでした。

 

村上氏

地層処分の処分地選定でも、同様のパートナーシップ制度が採用されるのでしょうか。

 

ミノン氏

地層処分におけるアプローチはわかりませんが、個人的には、浅地中処分と地層処分とでは対応が異なると思われ、限定した地域でやるのは無理だと思います。地層処分は広大な地層に関わり、国境はどうなのかとか、ヨーロッパの法律や近隣諸国への説明など、大きな話になるため、組織化して行う必要があるでしょう。監督官庁を設立してモニタリングを行う必要もあり、正当なプロセスを設定するためにも透明性や信頼性が重要です。プロセスは、各国独自で作る必要がありますし、国民の関与が必要です。

 

村上氏

ベルギーの経験によると、科学的アプローチは万能ではなく、人間的な要素も考えなければならないとありましたが、近藤理事長から、進め方についてご意見をお願いします。

 

近藤理事長

重要なのは、我々が社会から信頼される存在にならなければいけないということです。科学・技術的に安全なものを作る必要はあります。過去に研究開発機関が、一般的な安全評価報告書(セーフティケース)を公表し、原子力委員会が評価をし、法律の整備がなされたという技術的取り組みがありました。 現在、NUMOでは、日本の代表的な地質環境のデータを元に、そこに作った際の安全性を評価し報告書として出そうとしており、科学・技術的な観点からまずOECD/NEAの専門家のピアレビューを受けて、信頼される要素の1つを得ようと思っています。ミノン氏が講演の中で、"決定のプロセスにおいては、ガーディアン(監視者)が重要である"と述べておられました。第三者からの定期的なレビューは重要であり、NUMOの基本方針に入れています。昨年は原子力委員会にこれまでの活動や今後の計画につき、評価・提言をいただいており、今後も定期的に評価いただきたいと思っています。

 

村上氏

近藤理事長の意思表明に対し、何か一言お願いします。

 

ミノン氏

最も重要なのは、"科学"と"社会の理解"の両方で進めていることです。安全のために、科学に根ざして議論や研究を進めていることは、評価すべき良い点だと思います。

 

 

<質疑応答>

 

会場質問1

(配布資料の)P76にステークホルダーとの正式な対話とありますが、非公式なものもあったのでしょうか。

 

ミノン氏

それまで、公式・非公式な会話ともなく、政府の意思決定もない状態でした。我々は連邦政府の指示・委任が出たので、会話を持つことができるようになりました。政府の指示が必要ということです。

 

会場質問2

処分場の受入可否だけでなく、安全評価や受け入れ基準の議論などもしましたか?

 


ミノン氏

安全性や廃棄物の種類、原子力に詳しい方には技術の議論まで行うなど、すべての議論を行いました。

 

近藤理事長

対話の場をもち、どんなテーマも議論することが重要です。文献調査段階では、地域社会との関係も含めた提案を用意して議論し、地元からのご提案をお聞きしそれらを考慮して共同で設計したいと思っています。文献調査の受け入れを希望する相手がなかなか出てこないのですが、いろいろな機会にこの考えについて、引続き強く訴えていきたいと思います。

 

村上氏

科学的知見により作られたものだけが正しいと思い込まず、いろいろな方のご意見を聞くということが大事ということかと思います。本日はありがとうございました。

※掲載内容の一部に誤りがあり、訂正しました。(2018年2月1日)

 

 当日使用した資料

 

 開会挨拶時の資料「日本の地層処分事業の最新動向」 PDF

 国際講演会「ベルギーにおける放射性廃棄物処分の現状と今後」参考資料 PDF

※会場配布資料の日本語訳の一部を見直しして編集しています。