高レベル放射性廃棄物の処分問題をテーマに選び、開催されたAdfes2017。
私たちが避けては通れない社会的課題について、大学生の皆さんが真っ正面から向き合い、取り組みました。
「学生広告の甲子園」ともいわれる Adfes は、各大学の広告研究会が日頃の活動成果を発揮し、毎年決められたテーマについて自主制作した広告プランを競い合うコンテストです。2017年の大会で15回目を迎え、今回は「社会的課題にチャレンジしたい」と「高レベル放射性廃棄物の処分問題に関する認知拡大」をテーマに開催されました。
Adfes2017ダイジェスト映像
(4分19秒)
オリエンテーション
瑞浪超深地層研究所見学
地層処分説明会
グランプリファイナル
「高レベル放射性廃棄物の処分問題に関する認知拡大」というテーマに対して、オリエンテーションや説明会、岐阜県瑞浪市にある日本原子力研究開発機構(JAEA)の超深地層研究所の見学会に参加し、まずは地層処分について学ぶことから、広告プランの作成をスタートしました。
Adfes に参加する190名の大学生の皆さんを前に、NUMO はオリエンテーションを実施。広告プランを考えるにあたり知っていただきたい地層処分事業の概要について説明を行いました。
岐阜県瑞浪市にある瑞浪超深地層研究所の見学会を開催。実際に地下500mの研究施設に降り立って超深地層の世界を体験し、地層処分への理解を深めていただきました。
さらに深い知識を得ていただくため、NUMO において事業に関する説明会を4回にわたって実施。のべ70名の方にご参加いただきました。大学生の皆さんは最初は緊張気味でしたが、テーブルトークの時間では活発な意見交換が行われました。
グランプリファイナルまで進んだ7チームが企画を発表。質疑応答も行われました。5名の審査員によって、金賞、銀賞、銅賞の各賞が決定、表彰式が行われました。
以下の9大学14チームが企画を提出しました。
厳正な審査の結果、7チームが1次予選を勝ち抜き、グランプリファイナルに臨みました。
グランプリファイナルでは各チームがプレゼンテーションと質疑応答を行いました。
株式会社ドリームデザイン 代表取締役/ソーシャルグッドプロデューサー
東京大学 教養学部 附属教養教育高度化機構 環境エネルギー科学特別部門 客員准教授
株式会社スクールウィズ代表取締役
原子力発電環境整備機構 地域交流部部長
原子力発電環境整備機構 地域交流部 広報第一グループマネージャー
グランプリファイナルでは以下のチームが金賞、銀賞、銅賞を受賞しました。
若者の生活に不可欠なスマホの充電に注目し、高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)に模した使い捨てバッテリーを大学で配布。処分場をイメージさせるモニター付きボックスを学内に設置し、バッテリーを返却(処分)すると将来の世代である子供が画面の中で笑顔になる演出を図る。自分たちの行動が処分問題の解決につながることを意識してもらうという企画です。
「NUMO」と「地層処分」という言葉を印象づけるポスターを掲示し、ホロレンズ(※1)を使って理解を深めてもらうイベントを開催。瑞浪超深地層研究所の地下500mに湧き出ている水を配布する(※2)など、SNSで拡散してもらうことを意識した内容で、認知拡大を狙うという企画です。
※1 ホロレンズ
ホロレンズとは、Microsoft社が2015年1月に発表した、ホログラムコンピューティングデバイス。現実の空間に仮想の物体を投影したり、操作することが可能。同様のデバイスとして、Google GlassやOculus Riftなどがある。
※2
瑞浪超深地層研究所内の地下水は飲料水として配布はしていませんが、「きよの國」チームでは「検査を行い、行政の許可を得られれば配布できるのでは」と考え、広告プランを制作しました。
各都市の主要駅のイベントブースに、ガラス固化体の形をした充電スポットを設置。電気を使うことでたまった核のゴミを取り除く疑似体験型ゲームをする企画です。難しく分かりにくいというイメージのある高レベル放射性廃棄物の処分問題を、多くの若者に楽しく知ってもらいたい、という思いが伝わる広告プランでした。