デジタルハリウッド株式会社ではエネルギーや環境など、地球規模での解決が待たれる、世代を越えて考えなければならない重要な問題に対して、デジタルコンテンツの力による解決を試みています。
その一環として、2016年にスタートしたデジタルハリウッド・アースプロジェクト。2018年より『CREATIVE FOR THE EARTH』と銘打ち、コンペティション形式にて全国展開を始めました。
初年度より「高レベル放射性廃棄物の処分問題に対する関心喚起に向けたデジタルコンテンツの制作」をテーマに、この社会的課題を多くの人に知ってもらう“きっかけづくり”を作品を通じて取り組んでいただきました。
今年度は映像部門に加え、Webデザイン部門を新設。双方の連動やSNSといったWebならではのツールを活用することで、若者世代にとって課題への興味喚起や理解促進につながるようなアウトプットが仕上がりました。
高レベル放射性廃棄物の安全かつ確実な処分方法として地層処分が世界共通の認識ですが、日本ではまだ候補地が決まっていません。
ゲスト審査員による決定
澄田大輔(STUDIO山口)
若い世代への教育が行き届いていない現状を解決するため、学校での使用を想定したゲームを制作しました。「絶対に詰むゲーム」となっており、ユーザー自身がこの問題の「詰んでいる現状」と重ね合わせ、自分ごととして考えさせることが狙いです。また、教員の方が授業で使いやすいよう、情報発信・マニュアル代わりとなるページなども作成し、明日からでも運用できる所がポイントです。
(視聴することはできません)
審査員全員による決定
なないろデザイン(STUDIO渋谷)
web部門の「考えよう。地球のみらいわたしたちのみらい」の主人公である、電気の精・エレクが動く…!? かわいらしいエレクの人形が、「原子力発電のゴミ」について子供たちにもわかるように説明する動画になっています。動画制作に初挑戦したママたちが、タイトルの声やエレクの人形、背景などにこだわり、試行錯誤しながら作り上げた動画をぜひ最後までご覧ください!
笠原丈瑠(STUDIO京都)
「もしあなたの身近にあるスマートフォンに、同じような問題が生じたら…?」をテーマに、”スマートフォン”と”核のゴミの現状”をリンクさせた作品になっています。 スマートフォンという身近なものを取り入れることで、自分事として捉えやすいのではないか、といった発想から生まれました。 作品タイトルが過去形になっているのは、私やみなさんが『希望』であってほしいから…。
南圭太(STUDIO京都)
環境問題など普段考えることのない人に関心を持ってもらう為、iPhoneなど登場させ身近に感じる構成を心がけました。長い動画は見られない傾向にあると考え、1分で伝えるようにしました。 ただ関心をを得ることを考えすぎ中身が軽くなってしまい、そこを改善する点に悩まされました。関心の先にある大切なメッセージが伝えれるような製作ができるようしていきたいです。
伊藤愛(大阪本校)
自分たちの日々の生活とかけ離れた話のように考えてしまいがちな「核のゴミ」の問題。自然に自分たちの問題として受け止めてもらえるよう、押しつけがましくならないよう淡々とした構成にしました。 出てくる女の子の気持ちや、お父さんが女の子を守らなきゃと思う気持ちが伝わるとうれしいです。
STUDIO米子(STUDIO米子)
視聴対象を小学生以下の子どもと保護者に設定し、エンタメ性に特化させ、ついつい最後まで見てしまうような動画にしました。ボールは核のゴミを表し、転がる道は核のゴミに対する現状と理想の未来を表します。多くを語らず、ナレーションで「核のゴミ」という聞き慣れないキーワードを入れることで、親御さんに「核のゴミってなぁに?」と聞く機会をうむことがこの装置の真のゴールです。
ざき(STUDIO福岡)
この問題について「難しい話を・頭を使わずに・ラク〜に知れる」をコンセプトに制作しました。作品を通して雑談程度でもいいので意見交換のきっかけになれば嬉しいです。1人での制作だったため素材・声優の準備、何より”難しい話を簡単な単語で伝える言葉選び”を2分にまとめるのに大変悩みました。個性ある昔ばなしの主人公たちをメインにゆる〜くお話が進んでいきます。
DHW熊本(STUDIO熊本)
地層処分場ができるまでに長い年月がかかること。この時間をわかりやすくどう表現していくかに大変悩みました。私たちもこの取組みに参加するまで知らなかった、地層処分場ができるまでの長い道のり、そして今の現状を皆さんにメッセージとして伝え、一人一人が関心を持ってもらえたら嬉しいです。
WT20s(デジタルハリウッド大学)
ポイント:ミニゲームですが、文字での説明がほとんどなく、プレーヤの直感的な操作でゲームを進めることができることは一番のポイントになります。
大変だったところ:ビジュアルなデザインは一番時間かかったところになります。
(視聴することはできません)
Feb_mom 中村早雪(STUDIO新宿)
いかに当事者意識と危機感を表現するのかという点が一番悩み、時間をかけて考えました。本サイトではキーワードを散りばめるにとどめ、関心喚起のきっかけになれば良いなと考えています。これからの未来を担う世代(小学校高学年)をターゲットにユーザーを飽きさせない構成を意識して作成しました。
岡山和樹(STUDIO京都)
全体の流れとしては保険を紹介するような流れで、非常に簡易的に地層処分を紹介しています。ポイントは地層処分に関して川柳を詠んでいるところです。某保険会社のサラリーマン川柳からヒントを得ました。とっつき易くイメージをもってもらい、自分も詠んでみようかなと思ってもらえればいいなと思っています。一番大変だったところは、地層処分に即して、川柳を捻り出したところです。
井村衣里(STUDIO京都)
手軽に理解できる解説が少ないことがこの問題の認知度が低い原因の一つであると感じ、簡潔な解説と挿絵で視覚的に理解できるサイトを制作しました。「うちに来る?」と提案する青年は擬人化された高レベル放射性廃棄物の受け入れを許諾する地域です。締めは拾う(受け入れる)ことだけが選択肢ではないので問題に関心を示す人を登場させています。肩の力を抜いてご覧頂けたら嬉しいです。
余田和弘(STUDIO京都)
親子で見られるWEBコンテンツをコンセプトに、核のゴミに関する5問のクイズに正解しキーワードを集め、鍵を開くことで展開するクイズ形式の戦隊モノ企画です。核のゴミ処分問題に対して”知る心”と”放置する心”との対比を、戦隊ヒーローと敵役との対立に表現しました。キャラクターデザインは手書きから制作し、自作の素材を揃えるのが楽しくも大変でした。
デジハリsendai(STUDIO仙台)
高レベル放射性廃棄物を「電気のゴミ」と言いかえることで、難しい問題をグッと捉えやすくしました。ターゲットは環境問題にたくさん触れる小学生で、保護者も巻き込んだ影響を狙っています。 サイトでは問題が残り続ける100年後の未来を題材にした紙芝居風のストーリーを展開して楽しんで読み進められるようにしました。最後のページには物語を読んでくれた人に向けたメッセージを添えて、普段から多くの人が親しんでいるSNSへのリンクを設置。地層処分を考える機会を増やせるようにしています。
山本紗也華(YICビジネスアート専門学校)
「ナスティ」と呼ばれる「こまち」と「フィー」という人形たちが、やすらぎを求めて旅をするノベルゲーム。長い時を生きる2体の人形たちはやすらぎを見つけることが出来るのか・・・。 思いがけない展開、おまけの画像など、たくさんの出会いがあります。あなたもナスティたちの旅の1ページを見てみませんか?
学生が制作した作品となりますため、当機構が定める 推奨ブラウザと異なります。
WEBサイト作品を閲覧いただく際は、Google Chromeのブラウザ環境を推奨いたします。
なお、推奨環境下においても、ブラウザ、セキュリティソフトウェア等の設定によっては、一部正しく表示されない場合があります。
全国から寄せられた多くの応募企画の中から、動画部門8作品、Web部門10作品の計18作品が最終選考に残りました。
選考結果通知から成果物の納品まで約2ヶ月のスケジュールでした。
テーマに対してのより深い理解を得るため、各チーム、さらに綿密な調査や専門家へのフィードバックを経て、実製作へ移っていきます。
比喩表現や簡略化した表現を用いる場合に、正しい知識を土台としているか、誤った表現や理解になっていないかという確認作業に苦労する姿が見られました。
試行錯誤の末、魅力的な18作品が揃いました。
完成した作品は11月にWeb上での一般公開の後、12月18日の発表会で最終選考を行いました。審査員にはデジタルハリウッド大学で教鞭をとるCGデザイナーの小倉以索准教授、Webデザイナーの栗谷幸助准教授に加え、タレントでナレーターやキャスターとしても活躍する江口ともみさんを迎えました。
小倉准教授は、「クオリティーよりもアイディアやおもしろさを重視します。コンテンツが溢れかえっている時代だからこそ、見て『これだ!』と直感的に何かがあると感じられる作品を選びたい」と選考基準を明らかにし、栗谷准教授は「今年はWeb作品が加わったので見ごたえのあるものがそろっていることでしょう。みなさんがどういう思いでつくったかお聞かせいただいて、多くの人に見てほしいと思っています」と作品への期待を語りました。
一方、放射性廃棄物の処分や管理を行う企業へ何度も取材に赴いている江口さんは、現場をよく知る立場からの挨拶をいただきました。
「今まさに世間から遠ざけられやすい問題に対して真摯に取り組んでいる若者たちのためにも、みなさんが披露してくださる作品が役立つものであればいいなという思いを持ってきました」(江口さん)
千葉工業大学卒業後、デジタルハリウッド研究所研究生として、eAT KANAZAWAにて特別賞を受賞。退所後、フリーのCGデザイナーとして活躍。映画やTV番組、iPadアプリなどのCG担当やその他CMのCGなど多数手掛けている。また、1999年からデジタルハリウッド講師として人材の育成にも注力している。
中央大学卒業後、流通業に就くが、その際に「人と人とを繋ぐ」という『道具』としてのWebの魅力に触れWeb業界へ転進。Webデザインユニットの代表として、SOHOでWebの企画・デザイン・サイト運営等を手掛けながら、各地でWeb関連の講師を担当。その後、デジタルハリウッドに所属する。
バラエティ番組を中心に、司会や出演者として活動。また、ビジネス誌やWEBで企業を訪問し、インタビュアーを行うなど、多方面で活躍している。テレビでも見られる江口氏の明るさに、元気が湧き出てくるという声も多い。夫は、芸人で俳優のつまみ枝豆氏。
こうして始まった発表会ですが、司会をつとめたフリーアナウンサーの坂本梨紗さんから「すでに審査が終わってしまったかのような静かな雰囲気が漂っていますね」というコメントが飛び出すほど、発表者の面々は緊張仕切り。しかし、登壇することで覚悟が決まったのか、作り上げた作品への自信を窺わせるように堂々と発表していきました。
閲覧者にアクションを促すさまざまな機能を活用できるのもWebの面白さ。
個性豊かな10作品が出揃いました。
デジハリsendai(STUDIO仙台)
核燃料廃棄物を「電気のゴミ」と言いかえることで、難しい問題をグッと捉えやすくしました。ターゲットは環境問題にたくさん触れる小学生で、保護者も巻き込んだ影響を狙っています。 サイトでは問題が残り続ける100年後の未来を題材にした紙芝居風のストーリーを展開して楽しんで読み進められるようにしました。最後のページには物語を読んでくれた人に向けたメッセージを添えて、普段から多くの人が親しんでいるSNSへのリンクを設置。地層処分を考える機会を増やせるようにしています。
Feb_mom 鴨志田京子(STUDIO新宿)
ターゲットは思春期の子供をもつ親。「チソる」という存在しない言葉をキーにした流行り言葉のランディングページ風にすることで、子供が使う耳慣れない言葉を検索するところからの導入を想定しています。
サイトの各所に配置した親子のゆるキャラがみどころ。読み手の心情を代弁するかのように表情が変化していくので親しみをもって読み進めることができます。
一通り見終わった後、他人任せにできない問題という気持ちにさせるだけでなく、更に知識を深めるページやSNSへのリンクを貼ることで、行動に移せるようにしました。
Feb_mom 中村早雪(STUDIO新宿)
ターゲットは高学年の小学生で、ゲームを遊んでいるような感覚で読み進められる設計を目指しました。
地層処分に関わる現状や知識をサイト内に散りばめ、「なぜ?」と感じる場面を見せることで興味喚起しています。
例えば、放射性廃棄物をイメージしたカクモンというモンスターが現れる場面では、20体のうち1体が生き残ってしまいます。これは原子力発電で使用される燃料のうち5%は再利用できない廃棄物として残り続けてしまう現状を表したものです。また、あらゆる段階ででてくる無視という選択肢を選ぶとゲームオーバーになるのも、不可避の問題である現実とリンクさせています。
山本紗也華(YICビジネスアート専門学校)
中高生以上をターゲットに通学途中でも楽しめるよう、ショートノベル形式にしています。親しみやすいゲームを通して、核のゴミの現状や、世界と日本の取り組みの違いを知ってもらい、興味を持ってもらいたいと思いました。
油絵帳の背景とかわいいキャラでやすらげるだけでなく、物語はもちろん、おまけでも楽しめるようになっています。
ゲーム内のイラスト作成は私が一番力をいれたポイントです。締め切り2日前まで没頭していました。
ぜひゲームでお会いしましょう!
なないろデザイン(STUDIO渋谷)
6人のママチームで制作をしています。重いテーマでもサイトを訪れた人が親しんで見てもらえるよう、ストーリーや構成づくりには時間をかけました。
ターゲットは子育て中のお母さんです。メインページでは電気の精エレクを主人公とした動く絵本にすることで、わかりやすく飽きずに読み進められるよう工夫しています。
閲覧者がエレクに向けてメッセージを投稿できる仕組みもサイトのポイントです。サイトに反映されるので、自分ごととして捉えるきっかけになります。実際、一般投票期間中には「エレクに協力したくなった」というコメントをいただいたほどです。
余田和弘(STUDIO京都)
コンセプトは「知ることは守ること」。親子揃って楽しめるWebコンテンツを目指しています。実際、小学生のころの自分を振り返ってみると、父親と一緒に楽しんで視聴し、その戦いで大事なことを教えてくれたのは戦隊モノのヒーローたちでした。
タイトルのとおり、見た人に「これはなんなんだー!?」と思ってほしい。それが知りたいという探究心であり、解決への糸口です。サイトでは地層処分を知ろうとする心と放置する心の対立をヒーローと怪獣で描いています。最後まで見てもらい、知ろうとする姿勢を貫けるよう、クイズとパスワードという仕掛けを用意しています。
岡山和樹(STUDIO京都)
ターゲットは将来のリスクを考え始める世代。保険を紹介する形を借りて、高レベル放射性廃棄物が抱える現状のリスクを把握してもらった上で、地層処分という選択肢があることを知ってもらえるよう構成しています。
注目してほしいのはスクロールに追従する熊のキャラクター。某保険会社のサラリーマン川柳のような一句を場面ごとに読みます。地層処分に絡めた川柳をひねり出すのは時間が一番かかりましたが、いい一句を詠めたときの快感ははかりしれません。サイトを見た人が自分も読みたくなって、地層処分川柳みたいな形でSNSで広がってくれればなと思ってます。
井村衣里(STUDIO京都)
高レベル放射性廃棄物についてたくさん調べたのですが、どれも知らない言葉が多すぎて何度も挫折しそうになってしまいました。なんとか進める中で欲しいと思ったのが、「一言で要点をまとめてあるサイト」です。そこで今回制作したWebページでは簡潔な説明のみを掲載し、場面ごとに目を引くイラストで直感的な理解を促しています。メインとなる男性キャラクターは処分場を受け入れようとしている地域を擬人化しもの。見ている人が感情移入しやすくなる仕掛けです。
関心を持つことこそが大切なので、他の人(他の地域)が手を差し伸べるシーンをラストにしました。
WT20s(デジタルハリウッド大学)
デザインとシナリオをテイ・チャウホイが、プログラムをオウ・ユエが担当する二人組のチームです。ターゲットはゲーム好きの人。放射性廃棄物の知識や興味がなくても、始めやすいようにミニゲームの形でサイトを作りました。純粋にストーリーを楽しんでもらった後で、実はこれが放射性廃棄物の話だったということをプレイヤーに印象的に気づかせるようにしています。
このゲームには説明はほとんどなく、直感的な操作で進められることも魅力の一つです。
澄田大輔(STUDIO山口)
中学生以上をターゲットに学校の授業で使う学習ゲームを制作しました。小さな日本に見立てたフィールドから処分方法などを探し出すストーリーで、各フェーズごとに与えられるミッションをクリアしていきます。
このゲームの軸となるアイディアは“絶対に積む”こと。解決の糸口がない現状と重ね合わせることが、自分ごととして考えるきっかけになるよう意図しています。
先生向けの仕様書ページやお問合せフォーム、使用実績ブログなども設置し、実際の運用も視野にいれて考案しました。
テーマはひとつでも、表現方法は十人十色。
作り手のアイデアが光る8作品が揃いました。
なないろデザイン(STUDIO渋谷)
Webから引き続き、電気の精エレクが登場します。フェルトでつくったエレク人形だけでなく、次々と移り変わる背景やさまざまな小道具をメンバーが手作りし、タイトルコールは子どもたちに協力してもらうなど、子育て中のお母さんに親しみをもって見てもらえるようこだわりました。
笠原丈瑠(STUDIO京都)
若者、中でも社会問題に興味がない方をターゲットにしています。彼らが日常的に使用するスマートフォンをコンセプトの一つにし、“5%”というわかりやすい数字をキーにして展開したことで、難しい問題を考えるハードルが少し低くなったんじゃないかと思っています。動画内ででてくるホログラムの表現と最後のシーンに注目!自発的なアクションが起きますように。
伊藤愛(大阪本校)
大きな問題を自分ごととして捉えてもらうために、生活を一つひとつ追っていく表現にしました。私達が過ごす普通の日常と並行して地層処分の問題が存在していることを、抵抗なく親近感を持ってみてもらえる形で表現しました。私自身が説明会で感じたことをそのまま表現しています。
南圭太(STUDIO京都)
ターゲットである環境問題に関心のない若い人たちに身近に感じてもらえるよう、スマートフォンや電子カードを動画内で用いました。さらに飽きずに最後まで見てもらえるよう、約1分以内で収めることにこだわりました。
この作品には10年前から変わっていない環境問題を今こそ変化させるべきだという思いを込めています。
宮本真由(YICビジネスアート専門学校)
夢という言葉を聞くと二通りの意味が思い浮かぶと思います。
一つは眠っているときに見るものです。この動画でも主人公が見ます。
二つ目は将来こうあってほしいという願いのことです。今ある課題の解決が未来も夢のままであってほしくないという思いで制作しました。
STUDIO米子(STUDIO米子)
大人でも子供でも飽きずに見れる某知育番組をオマージュして、最後まで見てもらえるようにしました。
さらにあまり情報を出さず、最後に“核のゴミ”というパワーワードを出すことで、 「なんだろうこれ?」という気持ちを喚起できるようにしています。
DHW熊本(STUDIO熊本)
私達が伝えたいのは、これからの未来どうしたいか、一人ひとりが自分の頭で考えてほしいということです。その上で多くのことを知ってほしい。社会問題はつい横に置きがちですけれど、今を生きる私達にとって他人事ではありません。意識して作った2つの並走する時間軸に注目してください。
ざき(STUDIO福岡)
難しい話を頭を使わずにラク~に知れるというコンセプトで制作しました。豊富なキャラクターの表情の移り変わりにも注目してください。たくさんのすばらしい作品を見たあとで難しいかもしれませんが、頭をカラにしてラクにみてもらえればと思います。
重いテーマに真っ向からぶつかり、メッセージ性を失うことなくバラエティ豊かな表現で彩られた数々の作品たち。 江口さんの言葉を借りれば「中華料理とフランス料理、どちらがおいしい?」と聞かれているような中で、審査員の面々は悩みに悩み受賞作品を選び出しました。
「実写もあれば、紙芝居風もあり、すごく絵が綺麗なものもあり、種類豊富で楽しかった。どれもメッセージ性があり、伝えるべきことはちゃんと伝えているところがすばらしい」(小倉准教授)
「Webはゲームとかショートノベルとかいろんな表現ができるし、活用の幅も広い。重いテーマを面白く拝見できましたし、色んなターゲット層に合わせて活用できることに関心しました」(栗谷准教授)
「難しいテーマだからこそ、一度躓いたら一切入っていけない。どれもわかりやすく楽しめる作品ばかりで、多くの人に活用してほしい。甲乙つけがたくて、パッと点数はつけられない」(江口さん)
発表は事前のインターネット投票で得票数が多かった作品に送られるオーディエンス賞から。一番多くの支持を集めたのは、なないろデザインのWeb作品『考えよう。地球のみらいわたしたちのみらい』でした。
ゲスト審査員による審査員特別賞は澄田大輔さんの『核のゴミ処分シミュレーター』。沢山の人に届けるための運用面まで考えぬいていたことが高く評価され、審査員の満場一致で受賞が決まりました。
そして、栄えあるWeb部門最優秀賞に輝いたのは Feb_mom 鴨志田京子さんの『バズった言葉大賞2019「チソる」』。受賞を受け「子供の将来に関わる問題なので、頑張って挑戦しました。チソるという言葉が広く浸透して、子供を抱いたこれからの将来を担う人に思いや問題意識が伝わって行動が起こってくれたらなと思います」と、鴨志田さんは作品に込めた希望を語りました。
動画部門の最優秀賞は宮本真由さんの『夢のまた夢』。「見てもらった人の気持ちが少しでも変わればいい、という気持ちを込めて作ったものが認められてうれしい」とはにかんだ笑顔を浮かべ、受賞の喜びを噛み締めていました。
デジタルハリウッドで学んだ若きクリエイターたちが、各々のアプローチで高レベル放射性廃棄物の処分問題に取り組んだ『CREATIVE FOR THE EARTH』。
本テーマを一過性のもので終わらせず、継続的に考え、議論していく必要があります。
独創性に溢れる彼らの作品が、今までアプローチできなかった人々の関心喚起のきっかけになることを願うばかりです。
この取り組みが皆様の気づきになれば幸いです。
今回のクリエイター達の作品はいかがでしたでしょうか。
日本では、過去半世紀にわたる原子力発電の利用により、
放射能レベルが極めて高い「高レベル放射性廃棄物」が相当量発生しています。
この処分問題は、原子力発電を利用しているすべての国が抱えている課題です。
処分方法としては、地下深部(300m以深)に埋設して人間の生活環境から隔離する「地層処分」が
国際的に最適な方法とされており、日本もその方針ですが未だ処分場所が決まっていません。
処分の解決には全国の方に関心を持っていただき、自分ごととして考えていただくことが必要です。
本プロジェクトが皆様にとって、この問題を考えるきっかけとなれば幸いです。