• 地層の岩盤に放射性物質を閉じ込め(天然バリア)、さらに放射性物質の閉じ込めをより確実にするためにさまざまな人工的な対策を施すことを「人工バリア」と呼び、「天然バリア」と「人工バリア」を組み合わせた多重バリアシステムで、長期間にわたり放射性物質を人間の生活環境から隔離し、その動きを抑え閉じ込めます。
    人工バリアには以下のものがありますが、実際の処分地の地質条件などを考慮して今後適切に決定していきます。

     

    ■高レベル放射性廃棄物

    1.ガラス固化体

    ~放射性物質をガラスの網目構造に取り込み、地下水に溶け出しにくくします~
    高レベル放射性廃液とガラス原料を高温で融かし合わせてステンレス容器の中で固めたものです。放射性物質をガラスと一体にして、地下水に溶け出しにくくします。

     

    2.オーバーパック(金属製の容器)

    ~地下水をガラス固化体に触れにくくします~
    ガラス固化体を封入する厚い金属製の容器です。ガラス固化体の初期の放射能レベルが非常に高い時期から相当量減衰するまでの期間、地下水とガラス固化体の接触を防ぎます。

     

    3.緩衝材(粘土)

    ~地下水と放射性物質の移動を遅らせます~
    オーバーパックの周囲を覆うもので、天然の粘土を主成分としています。水を通しにくく、いろいろな物質を吸着する性質により、放射性物質の移動を遅くします。

     

    ■地層処分相当低レベル放射性廃棄物(TRU廃棄物)

    1.廃棄体

    ~放射性物質を封じ込めます~
    ドラム缶、ステンレス製キャニスタまたは角型容器に封入または固型化します。

     

    2. 廃棄体パッケージ

    ~放射性物質の溶出を抑え、漏えいを防止します~
    金属製の廃棄体パッケージ容器にドラム缶、ステンレス製キャニスタを入れ、パッケージ内部の隙間をモルタルで充てんします(角型容器は、それ自身を廃棄体パッケージとして取り扱います(別の廃棄体パッケージに収納しません))。

     

    3.廃棄体パッケージ間充てん剤(モルタル)

    ~放射性物質を吸着します~
    廃棄体パッケージ間の隙間をモルタルで充てんします。

     

    4.緩衝材(粘土)

    ~地下水と放射性物質の移動を遅らせます~
    廃棄体パッケージ容器の周囲を覆うもので、天然の粘土を主成分としています。水を通しにくく、いろいろな物質を吸着する性質により、放射性物質の移動を遅くします。なお、廃棄物の種類によって緩衝材を敷設しない場合も検討しています。

     

    人工バリアシステム

     

    <関連リンク>

    ガラス固化体には、なぜガラスを使うのですか?

    オーバーパックとはどのようなものですか?

    ベントナイトとはどのようなものですか?

    天然バリアとは何ですか?