海外の実施主体との技術開発

カナダの地層処分実施主体との技術開発

NUMOでは国内の大学や協力会社だけでなく海外の機関とも共同研究を行うなど、技術開発に取り組んでいます。そのひとつとして、2017年度から、カナダの放射性廃棄物の処分実施主体であるNWMO(核燃料廃棄物管理機関)と共同で、銅でコーティングを施したオーバーパックの製作技術の開発を紹介します。
2022年には、日本で製作した鋼管をカナダに送り、カナダで銅をコーティングする試験を行うとともに、その試験に立ち会うため、同年の3月から半年間、2015年度入構の職員がNWMOに長期出張を行いました。NWMO職員と日々、共に技術開発を進める中で、オーバーパックの製作技術に関する知見を深めたのはもちろんのこと、カナダの地層処分事業におけるプロジェクト体制や品質・安全管理などについても学びました。

国際会議への参加

NUMOはOECD-NEAやIAEAが開催する国際会議など世界中の国々との意見交換をとおして最新の知見を入手しており、若手職員も一専門家として貢献しています。
写真は2022年の6月にスイスで開催された地層処分環境における金属材料の腐食現象に関する国際会議(LTC2022)での発表の様子です。3日間にわたる国際会議では、世界15か国から自国における研究成果が紹介され、NUMOからは最近の研究成果3件を発表しました。3年に1度開催されるこの国際会議は、世界の技術者とのコミュニケーションの場ともなっており、発表の合間の休憩時間に技術的な討論を行い、意気投合して新たな共同研究プロジェクトが生まれることもあります。NUMOはこの国際会議に毎回参加し、活発な情報交換を行うことで、オーバーパックの腐食に関する世界の最新知見を常にアップデートするように努めています。

世界の叡智も結集して

NUMOは日本での地層処分を実施する唯一の機関です。一方で、地層処分は人類がこれから初めて挑戦する重要なプロジェクトです。このことは、海外でも同じであり、だからこそ各国が協力・連携して、世界の叡智を結集しながら地層処分の実現に取り組む必要があります。NUMOは、地層処分に関する国内外の最先端の技術が集約される組織です。国内だけでなく海外での活躍の機会もある、グローバルでクリエイティブな仕事に挑戦できる職場です。
※高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)を入れて密閉する金属製の容器のこと
オーバーパックについて