「地層処分技術コミュニケーション-包括的技術報告書と地層処分の安全性に関する対話のあり方-」を開催しました
「地層処分技術コミュニケーション
-包括的技術報告書と地層処分の安全性に関する対話のあり方-」
開催概要
開催日:2019年4月20日(土)
場所:三田NNホール&スペース 多目的ホール
開会挨拶 |
パネルディスカッション |
昨年11月、NUMOは「包括的技術報告:わが国における安全な地層処分の実現-適切なサイトの選定に向けたセーフティケースの構築-」(レビュー版)を取りまとめ、公表いたしました。
この「包括的技術報告書」は地層処分の実施主体としてどのようにサイトの調査を進め、安全な処分場の設計・建設・操業・閉鎖を行い、閉鎖後の長期間にわたる安全を確保しようとしているのかについて、これまでに蓄積された科学的知見や技術を統合して包括的に説明するために取りまとめたものです。現在は、日本原子力学会による技術的なレビューを受けているところです。
このたびNUMOでは、この「包括的技術報告書」を作成した意義と主要なメッセージについて幅広い皆さまにご紹介するとともに、安全性に関する対話促進のための取り組みのヒントを探る目的で、「地層処分の安全性について、どのように対話することが必要か」をテーマとしたパネルディスカッションを開催いたしました。
はじめに、原子力発電環境整備機構 理事長 近藤 駿介より開会挨拶として、地層処分の安全な実施に向けた取り組みが社会から信頼されるためにはしっかりとした知識の裏づけが必要であり、そのための重要なステップとして包括的技術報告書を公表したこと、これを踏まえて、地層処分の安全性について今後どのように説明や対話をしていくべきかご意見をいただきたい旨お話をさせていただきました。
続いて、第一部では、まず「『包括的技術報告:安全な地層処分の実現』の概要」と題し、原子力発電環境整備機構技術部 藤山 哲雄より、包括的技術報告書作成の目的および主要な成果について、説明をいたしました。包括的技術報告書は、地層処分の安全な実施に向けた一連の技術とその信頼性を示す根拠を包括的にまとめたものであり、機構がサイト調査に進む技術的な準備を整えていることを社会に示すものであること、これを基盤として、地層処分の安全性について広く社会の理解を得るために今後どのような取り組みを行うかについてのご意見を伺いたいといったことを中心とした内容でした。
次に「地層処分の安全性コミュニケーションに関する国際動向について」というテーマで、経済産業省資源エネルギー庁 放射性廃棄物対策技術室長 吉村 一元 氏より、対話活動に関する国際ワークショップの成果報告と各国の取り組みなどが紹介されました。諸外国でも、ステークホルダーとの忍耐強い対話活動を継続してきており、日本においても各国の知見や経験を学び、セーフティケースの理解に向けた対話を誠実に積み重ねていくことが重要であるとのお話がありました。
パネルディスカッションでは、計6名のパネリストが参加し、「地層処分の安全性について、どのように対話することが必要か」をテーマに意見交換が行われました。そのなかで、包括的技術報告書は専門家同士で地層処分の技術的な信頼性を議論するための重要な成果であること、様々なステークホルダーと対話を行う上では、技術的な内容をより社会にわかりやすく伝えるための多様な資料やチャンネルづくりや、国民の皆さまからいただいたご意見に対する安全性の説明へのフィードバックが必要であることなどといったご意見をいただきました。
最後に、原子力発電環境整備機構 理事 梅木 博之より、ご参加いただいた皆さまへのお礼とともに、いただいたご意見を具体的な取り組みとして反映していきたいとご挨拶し、説明会を締めくくりました。
詳細は、後日HPに掲載予定です。
当日のプログラムと資料 |
13:30~13:45 開会挨拶(PDF形式:1.75MB)
原子力発電環境整備機構 理事長 近藤 駿介
13:45~14:10 プレゼンテーション1
「『包括的技術報告:安全な地層処分の実現』の概要」(PDF形式:2.69MB)
原子力発電環境整備機構技術部 藤山 哲雄
・包括的技術報告書作成の目的、主要な成果
・安全性の理解に向けた今後の活用
14:10~14:15 質疑
14:15~14:40 プレゼンテーション2
「地層処分の安全性コミュニケーションに関する国際動向について」(PDF形式:2.90MB)
経済産業省資源エネルギー庁 放射性廃棄物対策技術室長 吉村 一元 氏
・対話活動に関する国際ワークショップの成果報告と各国の取り組み等
14:40~14:45 質疑
(休憩 20分)
15:05~16:35 パネルディスカッション
テーマ「地層処分の安全性について、どのように対話することが必要か」
コーディネーター:八木 絵香 氏(大阪大学COデザインセンター 准教授)
パネリスト(順不同):
新野 良子 氏(柏崎刈羽原子力発電所の透明性を確保する地域の会 初代会長)
井川 陽次郎 氏(読売新聞東京本社 論説委員)
佐々木 隆之 氏(京都大学大学院工学研究科 教授)
寿楽 浩太 氏(東京電機大学工学部 准教授)
伴 英幸 氏(原子力資料情報室 共同代表)
吉村 一元 氏(経済産業省資源エネルギー庁 放射性廃棄物対策技術室長)
渡辺 凛 氏(アジア太平洋エネルギー研究センター(APERC)研究員)
梅木 博之(原子力発電環境整備機構 理事)
16:35~16:55 質疑
16:55~17:00 閉会挨拶
原子力発電環境整備機構 理事 梅木 博之