Vol.18/ 2026.03

現場最前線 FRONTLINE 技術部の職員が
取り組みを紹介

技術部 性能評価技術グループ

小池 彩華

より確かな安全評価を目指して
~TRU等廃棄物処分場の核種移行解析に取り組む~

技術部性能評価技術グループに所属し、TRU等廃棄物の安全評価に関する解析・検討を担当しています。このたび、日本原子力学会関東・甲越支部主催の「若手研究者・技術者発表討論会」において、「TRU等廃棄物処分場の状態を反映した現実的な核種移行解析モデルの開発」と題した発表を行い、奨励賞をいただくことができました。
包括的技術報告書で示しているTRU等廃棄物処分場は、廃棄体パッケージの内部や隙間をセメント系材料で埋める設計となっています。一方でこのセメント系材料は地下水との接触により成分が少しずつ溶け出すほか、金属の腐食や膨張によるひび割れなど、様々な要因によって劣化する可能性があります。これらの劣化挙動については、十分な科学的知見が蓄積されていません。そのため、従来の安全評価では、保守的な考え方に基づき、処分場を閉鎖した直後からセメント系材料を砂と同程度の透水性と仮定した解析が行われてきました。結果として、セメント系材料が本来持つ核種移行の抑制効果はほとんど考慮されていませんでした。
本研究では、こうした仮定を見直し、より現実的に地層処分システムの性能を評価することを目的としています。TRU等廃棄物のうち、「グループ3」に分類される廃棄物の処分坑道を対象に、時間とともに進行するセメント系材料の劣化を考慮し、実際の構造に近い形で作成したモデルを用いて核種の移行を解析しています。
このモデルを用いることで、処分場閉鎖後の初期段階において、セメント系材料が持つ核種移行の抑制効果を考慮した解析が可能となり、地層処分の安全性を、より現実的に評価できるようになりました。
今回の発表を通じて、TRU等廃棄物の安全評価に関するNUMOの取組みを示すとともに、若手研究者・技術者との議論を深めることができました。今後も、地層処分の安全確保に向けて、技術力向上と情報発信に取り組んでいきたいと考えています。

実際の解析結果例。このような解析を行っています

他の現場最前線を見る

Other Contents

TOP

Print

印刷用PDFはこちらから

シン・ちか通信

vol.18

TOP 現場最前線
TOPに戻る