2017(平成29)事業年度 事業計画

事業計画

 「特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針(平成27年5月閣議決定)」、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する計画(平成20年3月閣議決定)」(以下「処分計画」という。)及び原子力発電環境整備機構(以下「機構」という。)の「特定放射性廃棄物の最終処分の実施に関する計画(平成20年4月策定)」(以下「実施計画」という。)を基に、2017(平成29)事業年度における機構の事業計画を以下のとおり定める。

なお、今後「処分計画」が改定された際には、機構の「実施計画」を変更するとともに、本計画についても見直しを行う。

【機構事業を取り巻く状況】

 放射性廃棄物ワーキンググループや地層処分技術ワーキンググループでは、原子力委員会の「最終処分関係行政機関等の活動状況に関する評価報告書」やパブリックコメントの結果等を踏まえ、科学的有望地に関するマップの提示に向けて議論が深められている。議論の中では、マップの提示に当たっては、社会科学的観点からの要件・基準は設定しないことが適当との結論が示されるとともに、マップ全体を示す適切な呼称を使うべきといった意見が出ている。

 原子力委員会においては、機構を含む関係行政機関等の活動状況について「おおむね適切に取組みが進められており」「個別に改善が必要な事項はあるものの、総じて、明瞭性・透明性・応答性が高い水準で確保されている」と評価されるとともに、「今後も国民理解醸成のための活動を継続することが必要」、また「長期的視点を重視しつつ」「関係行政機関、実施機関等はより連携を密にし必要な準備を十分に行う」ことが不可欠である、と指摘されている。

【2016年度の事業活動】

 対話活動においては、全国シンポジウムの開催、地層処分模型展示車の巡回、諸団体・地方新聞社等への訪問説明、クロスメディア広報、次世代層への取組み等多様な全国対話を継続するとともに、少人数形式により双方向対話を充実させる目的から、新規に地層処分セミナー、地層処分意見交換会の開催に取り組み、社会各層の関心事の聴取と各層へのリーチ・発信方法の工夫を行った。実施後のアンケート調査では総じて地層処分に肯定的な意見が増える一方、安全性への関心がなお高いことが明確となった等、取組みの有効性・課題が確認された。

 技術開発においては、わが国において安全な地層処分を実施するための技術的取組みを明らかにする「包括的技術報告書」の完成に向け、技術アドバイザリー委員会やワークショップにおける外部専門家等のご意見、上記地層処分技術ワーキンググループにおける審議等に基づき必要な修正等を行い、報告書の信頼性の向上を図った。また「地層処分事業の技術開発計画」(以下「中期技術開発計画(2013年度~2017年度)」という。)に基づき地質環境特性の調査・評価や工学的対策等に関する技術課題の検討に取り組んだ。

 組織運営においては、科学的有望地に関するマップの提示から文献調査の円滑な実施までを最初の中期事業期間と位置づけ、この間の取組み目標を「中期事業目標」として定めたほか、理事会の3か月毎の開催、評議員会による評価・提言の事業への速やかな反映等を通じてガバナンスの強化に努めた。また、地域交流部の増員、放射線基礎研修及び対話活動のシミュレーション研修等の実施により体制の増強と職員のスキル向上を図った。

【2017年度の事業実施方針】

 これら2016年度の事業活動及び評議員会からの評価・提言を踏まえ、2017年度における事業分野ごとの実施方針は次のとおりとする。

(対話活動)

 科学的有望地に関するマップの提示により、国民や地域の方々の地層処分事業に対する関心の高まりや理解の深まりが期待されるが、そうした効果を高め、かつ全国の社会各層の関心や疑問に応えられるよう、適切な情報提供と丁寧な対話を積み重ねる。また、全国各地における自主的な学習の取組みの継続と充実を支援する。

 こうした取組みにおける対話に際しては、地層処分の必要性、リスクとその安全確保や事業推進等の基本的考え方を説明する。また、調査対象地域の選定の考え方や、調査をはじめとする事業の進め方、地域共生のあり方等に対しても関心の高まりが期待される。そこで、こうした関心に対しても、順次、確実に応え、説明内容を充実させていく。

(技術開発)

 地層処分技術は地質・土木・原子力等多岐にわたる分野に関連しており、社会一般の方々から理解され信頼されるためには、分かりやすく工夫して、体系的にお伝えする必要がある。このため、現在取りまとめ中である「包括的技術報告書」を基に、国内外の専門家はもとより、広く社会と積極的にコミュニケーションを行う。

 他方、長期にわたる事業展開に鑑み、関係機関との調整にリーダーシップを発揮して、基盤研究も含めた中期的な技術開発計画を取りまとめ、我が国における技術開発を牽引していく。また、「包括的技術報告書」の取りまとめ作業から抽出された課題、地層処分技術ワーキンググループにおける議論の動向や社会との幅広いコミュニケーションを通じて得られた課題への対応も含めた技術開発を継続的に進める。さらに、これまでの知見を踏まえて事業期間全体にわたる処分場の概要の検討を行う。

(組織運営)

 これまで取り組んできたガバナンス高度化等の改革の着実な継続を基本に、事業活動の活発化へ的確に対応するため、最近の事例に学ぶ取組みも取り入れたリスクマネジメント委員会の定期的な開催やコンプライアンスの徹底等を図るとともに、人材の計画的な確保及び育成を進める。また事業実施に際しては、業務効率化や職場総合力の向上に資する職場マネジメントを的確に行う。

 さらに、情報公開規程に則って積極的に情報公開に取り組み、事業の透明性を確保することにより機構への信頼性を高めていく。

 これらの事業の推進に当たっては、機構の活動原資が電気料金であることを自覚し、常にコスト意識を高く持ち、効率的かつ適切な経費の削減に努める。

Ⅰ 幅広い対話活動の継続

 国及び発電用原子炉設置者等との連携を一層強化しながら、丁寧な対話を積み重ねる。地層処分の必要性をはじめ、安全確保の考え方、事業内容や機構の取組み等に関する情報を、様々な機会を通じて全国のみなさまにお伝えする。その上で、地層処分事業の実現は日本社会の課題解決に貢献するものであり、そのための取組みに協力する地域に感謝の気持ちを伝えることが大切との認識が広く共有されるよう、継続して全国的な対話活動を行うとともに、地層処分事業を社会としてどのように実現させていくか、全国で議論を重ねていく。

 こうした対話活動を効果的に進めるため、各地域のみなさまの関心や疑問、不安等にきめ細かく誠実に対応するとともに、事後広報の充実、情報提供内容の深化、諸活動の評価と改善等、総合的なマネジメントを強化する。さらに、外部の教育資源を活用した対話スキルの向上や対話体制の強化を図る。なお、こうした取組みについて、単年度を超えて計画的に行っていけるよう、「対話活動計画(仮称)」を策定する。

1.全国各地を対象とした対話活動の継続

(1)マスメディアを活用した広報活動

 地層処分の安全性、必要性等に関する全国的な認知、理解の底上げ及び関心の喚起を図るため、テレビ、ラジオ、新聞、各種Webメディア(ホームページ、メールマガジン、SNS)等様々な媒体を、年代・性別等により異なる利用状況や費用対効果を考慮しながら効果的に選択・集中・連動させ、これまで関心の薄かった層をはじめとして社会各層に広く情報を提供する。

(2)「地層処分セミナー」等の継続実施

 2016年度に引き続き、双方向対話を行う「地層処分セミナー」等を全国各地で開催する。セミナー等では、地層処分の安全性(リスクとその安全確保策)や必要性に関する説明を中心に、処分事業の進め方や地域との共生の考え方、学習活動に対する機構の支援等について紹介する。参加者の関心や疑問に耳を傾け、丁寧に応え、相互理解を深めるとともに、そこで受け止めた意見を全国的な議論にフィードバックさせていく。

(3)報道関係者への情報提供

 中央・地方記者クラブへのプレス資料の配布、各種取材対応、勉強会・施設見学会の実施、地方新聞社への訪問説明、情報提供等、積極的かつタイムリーな情報発信を行う。「包括的技術報告書」等の技術的な資料についても丁寧に説明していく。

(4)各地の勉強会・団体への継続した支援と拡充

 全国各地のみなさまが主体的に行う勉強会等の活動に対する適切な支援、活動のメニューやプログラムに関するアドバイス、講師の紹介及び派遣、国内関連施設等の見学に関する情報提供や見学担当窓口の紹介等の取組みを継続する。

 その際、学習成果が広く全国的な議論にもつなげられるよう、情報共有を積極的に行っていくとともに、地域の技術士会等多様な分野の専門家等に対しても積極的に訪問説明や情報提供を行い、新たな勉強会・団体の形成を図っていく。

(5)次世代層向けの対話活動の継続

 地層処分は世代を超えて長期にわたることに鑑み、次世代層向けの対話活動を継続する。具体的には、より多くの方に知っていただけるよう体験型のコンテンツを適宜改善しながら、全国各地への地層処分模型展示車の訪問イベント及び展示説明や理科実験の体験型説明、科学技術館での常設展示等を行う。

 また、教育関係者の協力を得て、学校教育の場においても地層処分を取り上げていただけるよう取り組む。そのため、教育関係者とのワークショップを通じて、各種授業で活用していただけるよう地層処分関係の教材の開発や工夫を行う。また、授業枠をいただいて、機構職員が自ら受講生に説明する取組み(出前授業)を行う。その他、理科系・技術系を含めて、関連する講義、学生団体等による諸活動、学園祭への協力・出展等を積極的に行い、次世代層との接触機会を増やしていく。

2.各種対話活動をさらに充実させるためのマネジメント

(1)双方向対話と相互理解に資する丁寧な運営と迅速な対応

 全国各地で行う対話活動に際しては、国民や地域のみなさまの関心や疑問へ直接お答えし、双方向の対話と相互理解が進むよう、丁寧な運営を行う。具体的には、特に次世代層・女性層向けや、関心度に応じて段階的に理解を深められるよう、適切な広報素材や説明資料を工夫・改善して、参加者のニーズへ的確に応える対話活動を行う。また、セミナー等の開催に際しては、様々な手段を用いてきめ細かく事前告知を行い、参加者の増加に努める。

 さらに、地域に密着した発電用原子炉設置者等と緊密に連携して迅速な地域対応を進めるとともに、フェイス・トゥ・フェイスで地域のみなさまと「顔の見えるコミュニケーション」を深める。

(2)実施結果に関する効果的な事後広報や情報提供

 対話活動の実施結果等をホームページ、メールマガジン、SNS、冊子等を通じて情報発信する際は、タイムリーに、分かりやすく、効果的に伝えるよう工夫する。

 加えて、地方新聞社をはじめとする報道関係者への情報提供は丁寧に行い、報道記事等で直接対話の参加者のみならず地域に広く伝えていただくように努める。

(3)情報提供内容の深化に資する研究・情報提供の取組み

 対話活動の進展に応じて、処分事業が地域の経済社会にもたらす影響やその法的側面、地域における合意形成の進め方等、社会的側面に関する関心も喚起されることに備え、関連する学会や研究者による調査研究の支援等を本格化していく。

 また、こうした調査研究の成果のほか、海外情報や技術的内容等、個別にテーマを特化した講演会や勉強会等も適宜開催し、一般のみなさまはもとより、報道関係者、多様な分野の専門家や関係学会の関心喚起を図る。

(4)活動成果の評価と取組みの向上と改善及び蓄積

 対話活動の効果(地層処分の社会的受容状況等)、寄せられた関心や疑問を生じさせている原因等の分析を迅速に行い、事業活動へ速やかに反映するとともに、対話活動全体を通じて得られた成果や課題を総合的に自己評価する。また、評議員会による評価・提言等有識者や専門家から助言を得て、取組みの向上と改善を図る。

 さらに、これらの向上・改善の所産を適宜マニュアル化するなどして蓄積し、運営方法の改善や人材育成に役立てる。

3.対話活動を実施するための人材の育成と体制整備

 上記の対話活動を効果的に実施するための人材の育成・体制整備に取り組む。具体的には、外部の教育資源の活用を通じて対話力・コミュニケーション能力のスキルアップを進める。また、必要に応じて発電用原子炉設置者から人的支援を得て、対話体制の強化を図る。

 さらに、外部の専門家、学界やオピニオンリーダー、ファシリテーター等の協力を得て、対話体制の充実を図る。

Ⅱ 技術的信頼性の向上と技術開発の牽引

 地層処分事業に理解と関心を得るには、機構の技術力と我が国における地層処分の実現性に関しても理解していただくことが重要である。そのため、これらを示した「包括的技術報告書」の外部レビューを行ってその信頼性を高めるとともに、同「報告書」を基に、広く社会と積極的にコミュニケーションを図る。

 また、2017年度は、国の「地層処分基盤研究開発全体計画(2013年度~2017年度)」及び機構の「中期技術開発計画(2013年度~2017年度)」を更新し、地層処分研究開発に関する総合的な計画を策定する。他方、現在の「中期技術開発計画(2013年度~2017年度)」に基づく技術開発は着実に推進する。

 これらの取組みに際しては、機構のリーダーシップを発揮しつつ国内外の関係機関や専門家との協力・連携を一層図るため、総合的なマネジメントを強化する。

 さらに、国内外の関係機関等との協力、共同研究の実施や国際共同プロジェクトへの参画等、現場経験を通じて人材確保・育成に努め、学会発表等様々な機会を活用して、機構が組織として確実に事業遂行可能であることを示していく。

1.地層処分技術に対する一層の信頼性の獲得

 「包括的技術報告書」について、国内外の第三者機関による外部レビューを継続し、技術的信頼性を更に高める。その際、レビュー機関からの質問や指摘には迅速に対応するとともに、必要に応じて、説明性を高めるための根拠や追加情報等で内容を補強する。これらのレビュー結果を踏まえて、同「報告書」を追加修正したうえ、公表する。

 これらの取組みと並行して、同「報告書」や「付属書」「導入編」等の付帯文書を基に、様々な機会、手段、素材を通じて、広く社会と積極的にコミュニケーションを図る。具体的には、機構ホームページに「包括的技術報告書」を中心とした技術開発成果の提供ツール「安全な地層処分の実現性(仮称)」を新設し、我が国において地層処分が確実に実現できること及びその安全性が確保されることを体系的に提示し、読者の関心やニーズに応じた様々な情報がその根拠とともに容易に閲覧できるよう整備を進める。

 また、一般向けのホームページでの公開や技術開発成果報告会のほか、技術者・研究者向けのワークショップ、学会発表、論文投稿等を通じて、社会一般各層のみならず多様な分野の専門家・学会等とのコミュニケーションを図る。

 これらの取組みを通じて得た意見等は、今後の技術開発はもとより説明方法や資料内容の改善等により対話活動にも反映する。

2.長期にわたる事業展開を見据えた技術開発

 長期にわたる事業展開に鑑み、事業の各段階で必要となる技術開発を計画的かつ効率的に推進する。このため、地層処分研究開発に関する総合的な計画の策定に、リーダーシップをもって主体的に取り組む。具体的には、「包括的技術報告書」で整理した技術開発項目を基に、実施主体として事業許可申請までに必要となるニーズを示し、それらの技術開発が機構も含めた適切な役割分担のもとで着実に実施されるよう、関係機関と協議・調整する。

 また、この総合的な計画を踏まえ、機構として実施していく「中期技術開発計画(2018年度~2022年度)」を新たに策定する。

 一方、地層処分事業の安全かつ円滑な実施並びに経済性及び効率性の向上に資するため、現在の「中期技術開発計画(2013年度~2017年度)」を基本に技術開発を実施する。具体的には、地質環境特性の調査・評価、人工バリアの設計・施工技術等の工学的対策、事業期間中の安全確保に関する対策、閉鎖後長期の安全性評価等に関する技術開発を着実に実施する。

 また、国際的基準に準拠し、文献調査から概要調査にまで適用可能な一貫性のある品質マネジメントシステムを整備する。

 なお、多様なステークホルダーの理解を得るため、機構以外の関係機関の取組み(回収可能性に関する技術の開発状況、中深度処分に関する規制基準の整備状況等)に関しても情報の収集と整理を行う。加えて、様々な地質環境条件のもとでも安全機能が確保できるよう、柔軟な処分場概念オプションの検討を継続する。

 さらには、「包括的技術報告書」で得られた成果を用いて、事業期間全体にわたる処分場の概要の検討を開始する。

3.技術開発のマネジメント

 これらの技術開発を進めるに際しては、国内外の関連する技術開発の全体状況を常に俯瞰したうえ実施主体としてのリーダーシップと企画力を発揮して、我が国における地層処分技術の整備と向上を牽引できるよう、効果的かつ効率的なマネジメントを行う。

 また、国内関係機関との共同研究の実施、国際共同プロジェクト等への参画、国際関係機関の取組みへの参加等の技術交流を、効率的に進める。

 さらに、こうした技術開発の取組み全体を通じて得られた成果については、効果的な利活用に資するよう、「包括的技術報告書」を中心とした技術情報の提供ツール「安全な地層処分の実現性(仮称)」を活用した知識マネジメントシステムに体系的に整備する。

 また、技術開発全体の取組みについて総合的に自己評価するとともに、包括的技術報告書の外部レビュー、評議員会による評価・提言、技術アドバイザリー委員会等の有識者や専門家からの助言等を得て、取組みの適切性と透明性を確保しつつ、その品質と信頼性の更なる向上を図る。

4.地層処分に関する人材確保・育成

 長期にわたる事業展開を見据え、計画的に新卒・キャリア採用に取り組むことで、機構技術力の充実と人的基盤の拡充に資する確実な育成に努める。具体的には、研究インフラを有する国内外の関係機関との共同研究や共同プロジェクトへの参画等を通じて職員の派遣・人的交流を継続し、実施主体が有すべき国際的な技術水準を踏まえた人材育成・技術移転を図る。

 特に若手職員には、関連施設の見学や機構外の研修・セミナーへの参加、学会への論文投稿・発表等によって基礎的なスキルを習得させるとともに、上記の共同研究においては試験の計画立案から実施・データ取得、その結果の評価に至るまで一貫した実務と現場を担当させ、将来の機構を背負う技術者としての育成を図る。

Ⅲ 事業基盤の更なる高度化を目指した組織運営

1.単年度及び中長期的な視点のもとでのPDCAサイクルの定着

 2015年度に開始した評議員会による機構事業への評価・提言の仕組みのもと、2016年度の事業結果に関する評価・提言をいただき、迅速かつ確実に機構事業へ反映し、業務の改善を進める。また、「中期事業目標」の実現に向けて、具体的な計画を策定し、それをもとに自己評価を行うことで、事業年度ごとのみならず中長期的な視点のもとでのPDCAサイクルを確実に進める。

2.内部統制・ガバナンスの高度化

 「業務の適正を確保するための体制の整備について(理事会決議)」等に基づくガバナンス高度化に向けた取組みを推進しつつ、事業活動の更なる充実・拡大も踏まえて、特に、最近の事例検討も含めたリスクマネジメント委員会を定期的に開催することにより、様々なリスクへの対応を迅速に行うとともに、更なるコンプライアンスの徹底、内部監査の着実な実施を図っていく。

3.人材確保と育成、マネジメントの徹底

 発電用原子炉設置者や関係機関の協力のもと、対話活動の更なる充実・拡大に向けた地域対応の人材確保や対話能力・ファシリテート能力向上、あわせて多岐にわたる技術開発推進に必要な人材確保に取り組み、要員の質・量及び組織の充実を図る。こうした取組みを計画的に行っていけるよう、「中期人材育成計画(仮称)」を策定する。

 また、拡大・深化する事業活動を見据えて、各事業の遂行にあたり、役員及び管理職員のマネジメント力をより一層発揮して、業務効率化、過重労働防止、ワークライフバランス等に配慮しつつ、職場総合力の向上に的確に取り組む。

4.適切な情報公開

 業務運営に関する情報や技術情報を積極的に公表することにより、国民のみなさまから信頼していただける組織を目指す。

 情報公開に関しては、事業計画・報告書、決算報告書等の財務関係書類、技術情報、最終処分積立金の使途等について継続的に公開していくとともに、情報公開請求に対しては情報公開規程に基づき引き続き適切に対応する。

Ⅳ 拠出金の徴収

 「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」(平成十二年法律第百十七号)第11条及び第11条の2の規定により、発電用原子炉設置者等から拠出金を徴収する。

Ⅴ 文献調査開始後の活動

 市町村から文献調査の開始に係る応募があった場合には、本事業計画を改定し、文献調査の進め方や文献調査開始後の対話活動等について定める。