Vol.16 2025.11

TOPICS

1

放射性廃棄物の
長期的な情報管理
~国際シンポジウムをアジアにて初開催~

10月7日~9日、神奈川県横浜市にて経済協力開発機構・原子力機関(OECD/NEA)主催によるシンポジウム「放射性廃棄物管理に関する情報・データおよび知識マネジメント」がアジアで初めて開催されました。
NUMOが日本を代表してシンポジウムのホストを務め、国内外の技術者や研究者、規制当局、政策決定者など約150名以上が参加し、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する長期的な情報管理の重要性について、発表や議論が交わされました。
初日の開会セッションでは、OECD/NEAのウィリアム・マグウッド事務局長、NUMO山口理事長が登壇しました。マグウッド事務局長は「どこに何が処分され、どのような状態であるかを追跡できるようなシステムを構築し、知識を長期にわたり維持することが求められている」と述べ、山口理事長は「高レベル放射性廃棄物は数万年という時間スケールの課題であり、人類の記憶をつなぐ知識体系の構築が不可欠」とし、「情報を保存するだけではなく多様な関係者が理解し、活用できる形で残すことが重要」と強調しました。
続くセッションでは、NEAによる放射性廃棄物の情報・データ・知識管理の活動概要、日本における地層処分の歴史と現在の活動、さらにAI技術を原子力業界にどのように活用できるかについて講演が行われました。
また午前中のセッション終了後の記者インタビューで、マグウッド事務局長は日本の地層処分事業に要する時間について聞かれ、「最終処分場を建設することに対し費やす時間や合意形成のプロセスは国によって異なり、国の文化、伝統に沿った形で意思決定されることが極めて重要。日本の慎重なアプローチはベストで非常に適切だと思う」と述べました。NUMOの技術力については、「OECD/NEAは各国の放射性廃棄物の機関において、科学的・技術的水準を同程度にするよう努めている。NUMOに対してもピアレビューのプログラムを設けているが、技術力は他国と何ら変りない。フィンランドをはじめ処分事業が先行する国から日本に最新の知識が伝わっていることも確かめている」と述べました。
NUMOは今後も国際社会と連携・協力し、地層処分の実現に向けて取り組んでまいります。

開会セッション(マグウッド事務局長)

開会セッション(山口理事長)

セッションでの説明(OECD/NEA レベッカ・タデッセ氏)

会場の様子

山口理事長とマグウッド事務局長

Other Contents

TOP

Print

印刷用PDFはこちらから

シン・ちか通信

Vol.16

TOP TOPICS 1
TOPに戻る