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地層と石の種類
~石の特徴(とくちょう)を調べてみよう~

観察のしかた その2(地質のわかる場所から採取した石)

★チカちゃんの調べかたをヒントに、みんなもやってみよう!

博士
浜辺には川や海から様々な種類の石が流れ着くので、種類の特定が難しい石もあるね。では、逆に地質のわかる場所から石を採取すれば、ある特定の種類の石をじっくり観察できるわけだ。川の上流の地層が1種類しかない場所や、海に面した山や崖(がけ)の地質が1種類ならば、浜辺の石の種類が特定できるよね。以前の自由研究で使った国立研究開発法人 産業技術総合研究所 / 地質調査総合センターの「シームレス地質図」https://gbank.gsj.jp/seamless/index.html?lang=ja&)を活用してみよう。このシームレス地質図のように、海岸に面した陸地の地質が1種類しかない地層を調べると火山岩である流紋岩(りゅうもんがん)であるとわかるから、さっそく浜辺で流紋岩を採取し観察してみよう。
チカちゃん
泥岩みたいに白っぽくてきめが細かいけれど、孔(あな)がぽつぽつあいているわ。ところどころに白や黒の点状のものが見えるわ。
博士
点状のものをさらに観察するために、少し目のあらい紙ヤスリ(例;80番)でけずってごらん。でてきた粉を携帯電話のカメラを使って、拡大写真を撮って観察してみよう。
チカちゃん
石って紙ヤスリでけずれるのね!拡大して見ると、黒、白、透明、赤茶や黄土色など何色ものつぶが集まっているわ。形も砂や泥みたいに丸みを帯びてなくて、割れた感じで、角があるわ。
博士
石にもかたいものとやわらかいものがあるよ。つぶが丸みを帯びてなく結晶状なのは、堆積岩(たいせきがん)ではないということだ。色が白っぽいのはケイ酸という成分が多いためで、ケイ酸は低い温度で固まるので、マグマが地表近くで固まったということだ。さらに地表近くで冷えて固まる際に、その中にふくまれていた水蒸気がふきだして石に小さな孔がいくつもあいたんだ。非常に多くの水蒸気が出たものが軽石(かるいし)だよ。流紋岩(りゅうもんがん)は地表近くで固まった火山岩ということだ。

観察のポイント

  • カメラ機能付のけい帯電話、またはデジタルカメラで表面を見ると、おおまかな石の種類が分類できるよね。
  • 紙ヤスリは、目のあらいものから使っていくよ。(数字が大きいほうが目があらい。No.40,60など) 拡大写真を撮影した際、紙ヤスリの傷が気になる場合は、さらに目の細かい紙ヤスリを順番にかけていく。(例;No.60→80→100→240→1000など)汚れないように新聞紙の上でやろう。
  • 先に図鑑などで石の特徴(とくちょう)を調べてから、どのような観察方法が向いているか考えてもいいね。
  • 磁石につくか調べてみよう。
  • 実体顕微鏡(じったいけんびきょう)があれば、けずった石の表面や、けずって出てきた粉を観察してみよう。
  • 近くの博物館で似たような石が展示されているかもしれないね。
  • 博物館によっては、君が拾った石や化石の種類を調べてくれるところもあるよ!貴重な化石や宝石の発見者になれるかもしれないぞ!

注意するポイント

  • 海や川は、かならず大人といっしょに行こう。
  • 紙ヤスリで石をけずる時は、指をケガしないように注意しよう。
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