Vol.21 2026.09

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自然の「記録」から学ぶ、地層処分の安全性
~ナチュラルアナログ研究講演会を開催~

地層処分では、人工バリアと天然バリアを組み合わせ数万年以上の超長期にわたり安全性を確保する必要があります。ナチュラルアナログ研究は、バリアの機能や長期的な変化や安全性を、自然界のさまざまな現象から学ぶ取組みです。7月22日にこのテーマで講演会を開催しました。
NUMOは今後も研究成果を蓄積・活用し、安全評価の信頼性向上と分かりやすい情報発信の両立に取り組んでまいります。

講演者 概要
湯佐 泰久氏
(静岡英和学院大学
非常勤講師)

地層処分とナチュラルアナログ研究の役割~過去・未来~

地層処分の歴史や、多重バリアによって放射性物質を閉じ込める考え方を振り返るとともに、天然ガラスや金属遺物、ベントナイト鉱床、ウラン鉱床などの事例から、自然界の長期的な記録を活用して地層処分の安全性を考えるナチュラルアナログ研究の役割を紹介。

藤田 和果奈
(NUMO技術部)

NUMOの最新のナチュラルアナログ研究

国内外の研究成果を体系的に整理するデータベース構築や研究者ネットワークの形成など、ナチュラルアナログ研究の知見を安全評価の信頼性向上や知識継承、人材育成に活用する取組みを紹介。

菊池 亮佑氏
(北海道大学
工学研究院
環境循環
システム専攻
環境地質学研究室)

河床のベントナイトにおける膨出現象

河床に露出した天然ベントナイトを調査し、長期間流水にさらされた環境での性質の変化や侵食の状況を分析。流出しやすい水質や激しい川の流れの影響下でも、周辺岩盤と同程度の極めて低い侵食速度(年0.1〜1mm程度)で安定して存在している実証例を紹介。

新橋 美里氏
(電力中央研究所
サステナブルシステム
研究本部
地質・地下環境
研究部門)

物質移行-化学反応連成解析の実施を見据えたアナログ研究

天然のアルカリ環境などを対象に、緩衝材の性質の変化を、自然界と処分環境で類似する反応プロセスに着目して体系的な整理を行った研究や、岩盤とコンクリートの相互作用を対象とした、インダストリアルアナログ研究の成果を紹介。

当日の講演会と総合討論で、実験や解析を組み合わせることで地層処分の長期的な安全性を裏付ける強力な根拠になることや、安全評価や設計検討に加えて、知識継承や社会との対話にも広く役立てていく重要性が改めて確認できました。

用語解説
~ナチュラルアナログ研究とは~

古代のガラス製品、地中から見つかる金属遺物などは、長い年月を経てもその性質を残していることがあります。ナチュラルアナログ研究は、こうした自然界や過去の遺物に残された「長い時間の記録」を調べることで、地層処分に使われる材料や地下環境が将来どのように変化するかを評価する研究手法です。実験だけでは確認できない長期間の変化を、実際の事例から読み解きます。

出雲大社境内遺跡から出土した鉄斧
薄い錆で覆われていたが、その性質を残している
写真提供:国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

講演会の模様

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