Vol.19 2026.06

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南鳥島(東京都小笠原村)で
文献調査を開始

5月20日、東京都小笠原村南鳥島において、特定放射性廃棄物の地層処分に関する「文献調査」を開始しました。文献調査の実施は北海道寿都町、神恵内村、佐賀県玄海町に続き全国で4例目となります。
今回の南鳥島での文献調査は、国主導で申入れが行われ、その判断のもと調査地域が決定した初めての事例です。南鳥島は「科学的特性マップ」において好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高く、地上施設を設置し得る未利用地が存在する国有地であることなどを踏まえ、国から小笠原村へ申入れが行われました。
本号では、調査開始にあたっての山口理事長のコメントをはじめ、村から示された「5つの要請事項」、3月の村民説明会での主なやり取りなど、これまでの経緯も含め詳しくご紹介します。

左:渋谷正昭 小笠原村長
右:赤澤亮正 経済産業大臣(出典:経済産業省)

南鳥島とは

●位置・大きさ

  • 東京から南東に約1,950kmに位置する日本最東端の島
  • 緯度は石垣島や西表島とほぼ同程度、経度はシドニーよりやや東
  • 面積は約1.5km²で、標高が数m程度の平坦なサンゴの島
  • 太平洋プレート上にある日本で唯一の陸地

●土地の利用状況

  • 島全体が国有地で、一般の住民はおらず、往来もなし
  • 島内には滑走路や港湾施設があり、気象観測や防衛等のため政府職員が駐在

●自然環境

  • 国指定鳥獣保護区に指定(一部除く)される豊かな自然を有する
  • 小笠原諸島の世界自然遺産エリアには含まれていない

南鳥島の位置

南鳥島外観(提供 小笠原村)

原子力発電環境整備機構 理事長

山口 彰

文献調査を実施させていただくにあたり、特定放射性廃棄物の地層処分という重要な課題に真摯に向き合っていただいた小笠原村の渋谷正昭村長をはじめ、小笠原村の皆さまには、心より感謝申し上げます。
今後、丁寧かつ着実に調査を進めるとともに、渋谷村長からお示しいただいた要請事項等についても、国と連携して誠実に対応してまいります。
特定放射性廃棄物の最終処分は、日本社会全体で必ず解決しなければならない重要な課題です。この重要な課題に取り組むうえで、全国のできるだけ多くの地域を対象に文献調査を実施させていただきたいと考えています。
最終処分や文献調査に関する小笠原村の皆さまのご関心やご疑問、ご不安に丁寧にお応えし、理解と議論を深めていただけるよう努めるとともに、全国の皆さまに向けた理解活動にしっかりと取り組んでまいります。

国の動き

1月16日
経済産業大臣から全国の都道府県知事に対し、原子力利用に伴う課題の解決に向けた協力をお願いする旨のレターを発出

※国として更に一歩前に出て、全国的な理解活動に取り組むのはもちろんのこと、処分地の選定に向けた調査について、地域任せにすることなく、国の責任で地域にご協力をお願いしていきます。(一部抜粋)

南鳥島に関する主な経緯

3月3日
国が東京都小笠原村長宛に南鳥島を対象とした文献調査の実施を求める申入れ
3月14日
小笠原村父島にて文献調査に関する村民説明会を2回開催
(共催:小笠原村、経済産業省資源エネルギー庁、NUMO)
3月21日
小笠原村母島にて文献調査に関する村民説明会を2回開催
(共催:小笠原村、経済産業省資源エネルギー庁、NUMO)
4月13日
小笠原村長による説明会(父島・母島)を開催
小笠原村が文献調査申入れに対する村長の見解を公表
4月20日
小笠原村長が文献調査の申入れに対し、5つの要請事項を添え回答を国に提出
4月21日
経済産業大臣が文献調査の実施に関する判断を表明
小笠原村長が当該判断を受け入れ
5月12日
NUMOが国に対し、文献調査実施に伴う事業計画変更を申請
5月20日
国が事業計画変更を認可、NUMOが文献調査を開始

小笠原村からの要請事項

新たな処理方法や発生抑制の新技術開発への積極的な取組み
小笠原村以外の他自治体への文献調査申入れの実施
村民への理解活動の継続実施、専門家を招聘した説明・議論の場の設置
南鳥島の正確な情報周知による風評被害の防止
文献調査の実施が「地層処分施設建設の決定」ではないことの確約

南鳥島における文献調査に関する
「村民説明会」の概要
および主な質問と回答

開催概要

3/14(土)父島 参加者数:延べ237名
3/21(土)母島 参加者数:延べ71名

説明テーマ

  • エネルギー政策の動向と文献調査について(資源エネルギー庁)
  • 高レベル放射性廃棄物の地層処分について、文献調査の概要(NUMO)

他自治体への調査拡大

Q
文献調査は南鳥島以外でも実施していくのでしょうか。
利便性を考慮すると、東京湾付近などの方が良いのではないでしょうか。
A
南鳥島での文献調査を受け入れていただけるか否かに関わらず、文献調査を実施する自治体を拡大していくことは必要と考えています。既に廃棄物が発生している以上、最終処分場は全国のどこかに必ずつくらなければなりません。大都市圏も含め、全国のできるだけ多くの地域で最終処分事業に関心を持っていただき、文献調査を受け入れていただけるよう、引き続き全国で対話活動に取り組んでまいります。

文献調査=建設決定ではないことの確約

Q
文献調査を受け入れた後、住民の意見は今後どのように反映されるのでしょうか。
A
文献調査から次の概要調査、精密調査へと進む各段階で、国は都道府県知事および市町村長の意見を聴き、これを十分に尊重することとしています。仮にいずれかが反対ということであれば、その意に反して先へ進むことはありません。またその際には、住民向け説明会の実施や意見募集を行うことが最終処分法で定められています。このように各段階で地域のご意見を伺いながら進めるため、文献調査を実施したとしても、それをもって施設建設が決定するわけではありません。

父島での村民説明会

母島での村民説明会

[もっと詳しく!]

南鳥島における文献調査に関する
「村民説明会」の開催結果について

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